今の時代に見るとブラックジョークでは済まない本当に酷い悪ノリ映画。
ドナルド・サザーランドが俺が今まで映画で見た全部の白人の中で一番カッコイイんじゃないかってくらい輝いてる。
モチベーションを殺すことの難しさ。
人物の会話や佇まいのリアルさがかなり印象的でなんなら今泉力哉っぽくある。
『ヒッチャー』のロバート・ハーモン監督作ということで見たものの、やはりあれは奇跡的な作品だったんだなと言わざるを得ない感じだった。
子気味良いというか半ば強引なテンポの編集。当時のフランスの流行りだっのかファッションが凄い良かった。
強迫的な信心深さ故に苦境に立たされる主人公が、それでも信仰を貫こうとするのはもはや感動的でさえあり、同時に理解不能な物(異文化)の恐ろしさを色んな意味で感じさせる。
ラスボス感たっぷりのメル・ギブソン、超クールな佇まいのウェズリー・スナイプス、愛嬌たっぷりのアントニオ・バンデラスと、新キャラさえロートルばかりが魅力的で若手が全然冴えなかった。
最近ローファーしか履いてないけどグッときた。もっと詳しく知りたい人は『スニーカーの文化史』という凄まじい名著があるのでおすすめ。
モノローグと羽川翼を省いたら信じられない傑作に様変わりしたみたいな映画。
マクドナルドに限った話でなく、アメリカの食文化の異様さにドン引きする映画。
「映画は見つめ合う2人の男女の視線を同一の画角に収めることはできない」みたいな話を昔誰かがしてたと思うが、まさしくそこから疎外される者の視点からその視線に挑んでると思った。
自傷行為って傍から見たらめちゃくちゃ怖いんだなっていう映画だった。
最後のたけしのシーンで一気に引き締まった印象。ドキュメンタリーでもないのにここまで時代の空気感を切り取ることができてるのは面白い。
あらゆるタイプの人間をうっすら見下しているという意味では本当に抜かりがないと思った。