わたしたちはまだ魚影の群れのように不確かで、与えられるものと果たすべきことの交わりに戸惑い、水面に萌える夢や罪も、反射する街のネオンと同じ、一つ一つ思い出したりはしない。これは夢だろう。キラキラとした>>続きを読む
低予算(実質シャマランの自主制作だそうな凄過ぎ)という理由はあるにせよ、敢えて役者に頼り切っているところに逆に迫力を感じるし、アメコミ映画では見られないテンポの悪さが妙に人間くさくてツボだよタマラン。>>続きを読む
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B級スリラー映画でありがちな美女の登場にさては彼女が不死身(絶対死なない)のヒロインだなと勘繰っているとその人がエマ・ロバーツであると気が付き個人的に『パロアルト・ストーリー』以来の再会だと喜んでいた>>続きを読む
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ザックがエドワード・ノートンの若い頃のようだなとか、『雨の日は会えない〜』でファックを連発していたあの子を思い出すなとか。色々と余計なことを考えながら鑑賞。『mid90s』より先にこちらを観たのだけれ>>続きを読む
捲し立てるようにやりたい放題やって観客に有無を言わさず走り抜けて行く感じからは、古き良きインディペンデント映画のDNAのようなものが伝わってくる。近年あまり観ていなかったな、こういう映画。これがセック>>続きを読む
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本作は原点回帰のようでもあるけれど、もっと遡った、まだただの映画好きだったドランが衝動を抑えられず撮ったような、そんな瑞々しさを端々に感じる作品となっていた。これドランがいくつかの映画に感化されて撮っ>>続きを読む
神々のたそがれそうな森の中で娘の命をモンスターに奪われた男がレヴェナントのオスカー俳優ばりに復讐に燃えるお話。モンスターは狩ります。でも戦闘シーンはほぼなしなので、そこを期待してはいけない。正直何を期>>続きを読む
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待ち合わせに来たのは、約束の人ではなくて、思い描いた誰でもなくて、それでもわたしが抱きしめていたい宝物を差し出すのは、思い描けるものではどうせ約束には足らず、約束の人が来ないことも、本当はわかっていた>>続きを読む
この警官vs市民の構図は、まるでデンマーク版『レ・ミゼラブル』(2019)。規模を比べてしまうと小品の域は出ないけれど、知られざる実態をじわり見せられているという恐ろしさはある。既視感の理由はそれだけ>>続きを読む
『おもかげ』同様、好評だった短編の後日談を、長編として新たに描いた作品。ジム・キャリーがシリアスに滑稽を演じると、何とも不思議な空気が生み出されて面白いのだけれど、本作にもそんな雰囲気がある。ただ主演>>続きを読む
昨年末、何月のことだっただろうか。寒波の影響で雪まじりの強い風が吹いていた、ある休日の朝のこと。ながら見にとつけていたTVの声がちょっと気になり、洗い物を濯ぐ手を止めて、そちらを見やる。放送されていた>>続きを読む
世界が美しく見えるのは、わたしたちがひとつずつ手放し望まなかった願いへの、代償なのだそうだ。だから世界はわたしを嫌う。わたしは物足りないとふてくされ、有り余っていると太々しく、どちらであっても満たされ>>続きを読む
『ザ・ロード』や『モーラス』の頃のマクフィーを想えば、彼の成長した姿を見られただけでも感慨深いものがあった。『マッド・ガンズ』の時もそうだったけれど、やっぱりこのような普通じゃない世界の映画を選ぶんだ>>続きを読む
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ここに投稿されているいくつかのレビューを読ませてもらって、エレナがどうかしてるから感情移入できないなど、彼女に対して厳しい方が多いなという印象を受けた。低評価の意見として多かったのが、年の差ありすぎと>>続きを読む
切っても切れない人間関係であったり、責任であったり、人は生まれて間もなく雁字搦めで、死だけを約束されながら、そこまでの不自由を生きていくのだろう。ただ、一方的に切り離されたり、助けなしでは社会を生き抜>>続きを読む
序盤、『夜のダイヤモンド』を想起させるシーンがあり期待が高まるも、それまで。個人的にはあまり響かなかった作品。ただバリー・ペッパーやっぱり好きだなと思った。今のあの枯れ鷲感も最高でしょ。
優しくて、のぼせてしまいそうな湯のにおいが、その涙の言い訳になろう。幸せなど、ここには微塵もない。地鳴りのような憎しみから逃れ、帰ろうとする夕陽に縋るその後ろ姿は、とても不甲斐なく、人間くさく、されど>>続きを読む
これはホラーかスリラーか、くらい知っておけば、あとは前情報なしでどうぞなやつ。キャストは皆さん素晴らしいし、『ワイルドライフ』のエド・オクセンボールドが出演していたとは知らず嬉しいサプライズ。彼が主人>>続きを読む
わたしの取り柄は笑顔がひとつ。不機嫌な時も笑顔でふたつ。忘れたいなら笑顔でみっつ。空っぽで満たされて、泣いてばかりのあなたの心。笑ってばかりのわたしに沈めて、泳ぎ切ったら、そこでさようなら。
長雨の曇り空に晴れ間を見つけた時、これを観たかつての少年少女たちが何か思い出す。もうそれでいいんじゃないかな。巨大な入道雲を見てラピュタを想い描いたり、身を煽る程の突風にネコバスの存在を感じたり。そう>>続きを読む
羊毛の空は刈り取られ、現れたスクリーンは映写技師を待っているところだ。束の間のインターミッション。ひとつの役割を終えた舟は、床を鳴らした手足の数だけ、壁に響いた声の色だけ、耳に残るアンサンブルを懐かし>>続きを読む
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ポン・ジュノを観た。
これ程画面を縦(上下)に意識させる作品はあまり観たことないかもしれない。ここにある問題は世界的に広がり続けるものと同じ。降りしきる豪雨はそれをより可視化させる装置で、高級住宅地か>>続きを読む
三木聡を感じずにはいられない映画だった。若い監督には新しい作風や演出を期待してしまうけれど、こうやって繋いでいって欲しいものもあるよね(?)。そして、美男美女というだけで映画は観ていられるんだなと再確>>続きを読む
その光が、今でもこの世界を照らし続ける。
アントニオ・バンデラスの根本イメージが『ストレンジャー』『マスク・オブ・ゾロ』辺りで止まっていたので(他の作品も観てはいるけれど)、本作の枯れたバンデラスに>>続きを読む
冒頭、戦場へ向かうクルーたちのノリがまるでオンラインゲーム中のそれだったり、戦闘中のクルーを表示する分割画面がリモートで繋がるわたしたちのそれにしか見えなかったりと、なかなか話に入り込み難かったけれど>>続きを読む
こういう作品って作り手側の達成感満足度が、こちらにはあまり還元されなかったりする。わざと有耶無耶にする部分であったり、わかりそうでわからない(理解の及ばない又は想像を要する)ところを自分はSF映画を観>>続きを読む
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悪魔系と言えばそうだし、少し違えばアリ・アスターなんだろう。だから、そっちが好みの人にとってはつまらないかもしれない。自分はこちらの方が好み。ただ、どちらにしろ過剰なホラーの演出はこの作品にはあまり見>>続きを読む
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これは…。とんでもサメ映画でもそれなりに楽しめてしまうほどストライクゾーンゆるゆるなのに、これは…。世間に見放された映画でも無理矢理こじ付け解釈して楽しむタイプなのに、これは…。Filmarksでの評>>続きを読む
ワイドを意識したカメラワークと画面における人物のサイズ。台詞の反響から到達までの時間と、同じ音域を鼓動のように行き来するマイケル・ナイマン調の劇伴。勝手にグリーナウェイぽさを感じたのは、それらひとつひ>>続きを読む
これフランス人や外国の方々にはユペールが日本人でいうところの樹木希林さん的な人に見えているのだろうか(全くもって個人的なイメージ)。何か現世のあれこれを達観したような、役者という言葉では足りない、それ>>続きを読む
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張り巡らされたケーブルは人の血管のようである。この館は人(人体)そのものなのではないか。あの部屋は脳であり、あらゆる物を生み出す。それは想像することや夢を見ることだし、それらは現実を突きつけられた途端>>続きを読む
誰かに聞かれたから語るわけじゃない。できればずっと、この胸にしまい込んだまま、神様にさえ教えずに、人生をやり過ごしたかった。だから、もし聞こえてしまっても、聞き流してくれて全然構わない。それが無理なら>>続きを読む
悪魔と悪夢はシュールで覚めない夜を彷徨く。死体安置所を舞台にした映画で『カット/オフ』という検死官を主役にした映画がなかなか面白かったので、本作の霊安室で夜間警備員として働くことになった元警官の話とい>>続きを読む
グリズリーは大ボスくらいに思っていたので割とひょっこり出てきて驚いた。むしろ食い気味。序盤に深傷を負った主人公で150分(体力も映画も)持ちますかという心配も何のその。日本の時代劇を思わせる雰囲気漂う>>続きを読む
色に種類があるのは優劣を付けるためではなく、世界を鮮やかにするためであると考えられないだろうか。でも、美しさ(綺麗事)だけでは世界を救うことはできないのだろうな。偏屈って漢字で書くと、人が出られなくな>>続きを読む
デンゼル・ワシントンって知性を感じる役者だなと思っていて。それは『ボーン・コレクター』くらいからそう感じていたし、そういう意味ではあまり似ていないと思っていた息子さんにもそれはあるかもしれないなと思っ>>続きを読む