someさんの映画レビュー・感想・評価

some

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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0

 静かに、しかし確かに存在する夜明けを待つ全ての人に光を当てた作品。この広い宇宙の中で孤独に感じることがあっても、その輝きはどこかの誰かには届いている。星のように。

 リズミカルに球が飛び交う卓球の
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

5.0

 おしゃれな友人宅でワカモレと鰹のたたきを肴に酒を飲みながら流し見。
 流し見でちょうどいい。

2024年
ストリーミング 1本
映画館     7本
計       8本

悪は存在しない(2023年製作の映画)

5.0

 こういう映像体験を待っていた。自然を映し出す映像に癒される瞬間もあるが、常にあるのはヒリヒリとした緊張感。登山と同じ感覚だった。
 陸わさびである我々観客が目にする映像はどれも印象的。チェーンソー。
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

5.0

 マルチバースもマルチバースへの入り口もない現実世界で生きること。「縁」を軸とおくことで単なる恋愛物語ではなく、人生そのものについて描いていた。鑑賞後にタイトルを見返せばたしかに”lives”について>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

5.0

 Fan's voice試写会にて鑑賞。
 トキシックな父親を持つプロセス一家の物語。
 彼がトキシックなことは、彼が父親であることがわかる冒頭のその瞬間からわかるのだが、意外と最初はマイルドに描かれ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

 基本室内にいるオッペンハイマー。時折現れる脳内イメージ映像からもわかるように、研究に支配され/束縛されている。本人でも抗えない程に。家族との思い出の地であるロスアラモスにさえ自ら研究所を建て何重にも>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

5.0

 フルサイズimaxで。砂虫に気づかれない為には同じテンポで歩いてはいけない。同じように劇中映る砂も一度として動き方をしていなかったように見える。特に意味のないモノクロとその世界で打ち上がる墨汁花火。>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

 タイトルは、タイトル通りとも取れるし、哀れだけれどもそこには…とも読める作品だった。
 人間のいっちばん深いところにある欲望を見せられているようで居心地が悪い。言うなれば、自慰行為を親に見られた瞬間
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

5.0

 空よりも土の印象が強く残った。掘ったら出てくる骸骨。森を彷徨い食糧探し。目線が上に行くのは、木にいるキング・ルーを見上げる時と、ドーナツを売ってる時くらい。成り上がり物語だったらもっと空が映る気がす>>続きを読む

ひつじのショーン スペシャル クリスマスがやってきた!(2021年製作の映画)

5.0

 パートナーと観た。
 トイストーリーとホームアローン。
 30分でこの仕上がり具合はとても良い。編集の力。
 普段の牧場ライフがなんだかんだで好き。

2023年
ストリーミング 9本
映画館   
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終わらない週末(2023年製作の映画)

5.0

 最高におもしろかった。『Mr.Robot』で苦しめられた胃のキリキリが戻ってきた。
 前半の『パラサイト』的な他人や知らない人への恐怖感と不信感が、状況が少しずつ明らかになっていくにつれて、人と人と
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土竜の唄 FINAL(2021年製作の映画)

5.0

 パートナーと暇つぶしに鑑賞。

2023年
ストリーミング 7本
映画館     33本
計       40本

ナポレオン(2023年製作の映画)

5.0

 ナポレオンの遠い目。心ここに在らず(ジョセフィーヌのもとへ)。戦闘シーンもどこか淡々と。争いにエモを付随させないという意味で『首』と似ている。
 ホアキンじゃなかったら場が保たない。

2023年
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市子(2023年製作の映画)

5.0

 あのとき、市子をずーっと見つめる妹の目。帰ってきて「ありがとう」の後背を向ける母の鼻歌。そして同じ鼻歌を市子も口ずさむ。
 全てを知った上でもう一度映されるプロポーズシーン。切ないこと極まりない。
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福田村事件(2023年製作の映画)

5.0

 重い。ただこれが事実。最近は政治家によってなかったことにされるけど、私たちが起こしたことを忘れてはいけない。
 非常に胸糞だが、あの時代のあの場所で自分が村人側にいないと断言できる人は嘘だと思う。そ
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(2023年製作の映画)

5.0

 『人間、生まれた時からすーべて遊びだわ』の信長が後継ぎの座をチラつかせては部下のモチベをあげ、度重なる家康暗殺未遂に気を揉むなど意外と仕事熱心だったのに対し、秀吉と家康はずっと「遊び」だった。秀吉・>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

5.0

 設定も心情も、全部見せるのではなく語っているのに理解が追いつかない部分多めだったが、あまり深く考えずに観れば楽しい。
 『ミズ・マーベル』のテンポ感好き。冒頭の入れ替わりアクションも、宇宙船での練習
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

5.0

 全てのものを瞬間を観察しようとするマイケル・ファスベンダーの目!かっちょいい。
 ドミニカ共和国に初めて着いたシーン、走る車を上から撮り4ショットを3秒かけずに映す。それだけで都市部から離れていくこ
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

5.0

 映像がとにかく綺麗。ハンス・ジマーの音楽からは『DUNE』を、滑らか且つ予測不可能な動きをするノマドからは『NOPE』を、建物内のカーブを懸命に走るジョシュアからは『TENET』を想起させた。
 ベ
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

5.0

 俳優陣の凄さをまざまざと見せつけられる。ブレンダン・フレイザーの第一声の声量。リリー・グラッドストーンの目。ジェシー・プレモンスの怪しさ。
 タルサ虐殺を劇場で見ているキングの表情とアーネストの最後
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バービー(2023年製作の映画)

5.0

 最高の一言。
 メッセージ云々の前に、映画としての力が強すぎる(冒頭、マーゴット・ロビーのダンス、ケンたちのダンス)。
 多くの人が言及しているようにフェミニズムとしては入門のような内容だけど(ケン
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

 ちょうど1ヶ月前に鑑賞したものの、映画やドラマを観る精気を吸い取られてしまいレビューもしていなかった。
 わからないというか、一生わかることはできないだろう。細かいことはあまり気にせずに御大のやりた
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

5.0

 観たことないし、映画でしか表現できない映像だった。2人の逆さシーンも最高だ。
 自由意思と決定論。あと分人主義も?マイルズがカノンに抗うことができれば、全てのスパイダーマンが救われるし、それ即ち僕た
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怪物(2023年製作の映画)

5.0

 噂話や断片的な情報によって生じる「ズレ」がこれ程根深く、そしていとも簡単に発生してしまうのか。やばいよ社会。と劇中思っていたのに、音楽室の校長先生見るまで彼女を一方的にジャッジしてた。
 窓からの光
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TAR/ター(2022年製作の映画)

5.0

・練習中に目が合ってしまったリディアとオルガ。とても印象的だった。
・若い彼女の価値観に惹かれていくも「荷物持ち」として同行してもらったNYでは思いっきり塩対応されてしまうの笑った。
・オルガを演じた
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

5.0

 三部作の中で一番楽しかった。音楽の入り方最高。お馴染みのテンポのいい会話も相変わらず面白い。全員一緒に戦うアクションシーン×2は良かったけど、その他画で覚えてるシーンあんまりない。
 やっぱり1人1
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EO イーオー(2022年製作の映画)

5.0

 観たことのないショットの連続。特に夕日に照らされる馬の背中の筋肉すごかった。
 カメラとロバの距離感、目、幻想、そして時より入る主観によって、勝手にEOの気持ちを読み取り、ストーリーを作ろうとしてし
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

5.0

 冒頭の吹雪の描写から圧巻だった。雪ってこんな感じで降ってるよな。そして赤と青の光で照らされる。クッパの皮膚とか。
 縦横(3Dで観たので)奥行きまで動きが楽しめる。特にピーチ姫がゲームクリアするとこ
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

5.0

 スターウォーズの日だったので未鑑賞の今作を。
 ハン・ソロの過去が明かされる。
 エンフィス・ネストに肩入れする理由がわかるようでわからない。
 ベネットたちやチューバッカと初対面する戦中のシーンの
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

5.0

 この後20年ちょっとでWWⅡは始まるし、今日も映画の舞台にならないどこかで殺戮が起きている。
 コントラスト(生と死、貧と富)。

2023年
ストリーミング 5本
映画館     12本
計   
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ちひろさん(2023年製作の映画)

5.0

 「語り」が少なくてすごく良かった。みんな頑張りすぎないところも。あれでオカジが両親と本音を語り合って双方仲直り又は絶交みたいなシーンあったら興醒めだもん。近い星にいない人にはエネルギー使わなくて良い>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

5.0

 ナイキにもスニーカーにもエアジョーダンにも興味なくても楽しめた。
 とにかく役者陣の演技が凄すぎる。
 話の内容的に池井戸潤みたいな作品になってしまいそうなところを、小ネタやダサさを使って暑苦しすぎ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

5.0

 2つのフの濁点に👀付けた人は天才。
 自由意志と決定論。気持ち次第で可能性は無限大だよって話。女性であることやアメリカに希望を持ってやってきた移民とその2世という背景に基づきながら。
 そんなの会員
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

5.0

 どうしてこんなの見せるんだ。
 でも観てよかった。
 今日はもう寝よう。

2023年
ストリーミング 3本
映画      9本
計       12本

別れる決心(2022年製作の映画)

5.0

 『氷の微笑』的な映画かと思ってたらもっと品があってもっと純粋だった。2人ともすごく可愛い。けどそれだけじゃない。
 カメラワークも脚本も全部飽きさせない。
・ズームインとズームアウト
・波砂夕日影
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

5.0

 シャラメはほんとに夕陽が似合うな。
 そんな彼を観に映画館に来たもののなかなか出て来ず、それでも場を保たせるテイラー・ラッセルすごすぎ。
 上手くいく(食べない)ことをこんなに祈ったキスは初めてかも
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