段ボール箱さんの映画レビュー・感想・評価

段ボール箱

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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.8

「月明かりの下で黒人の子供の肌は青く見える」

困難な境遇に生まれついたシャロンはコミュニティの悪意と親の身勝手な愛に傷つき、いじめられ、苦しみを訴える十分な言葉も持たない。

黒人であること、社会の
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バービー(2023年製作の映画)

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ちょっと自分がバービー人形に思い入れが無さすぎたかもしれない。
要所要所でいまひとつしっくり来なかった。

あとは日本に生きる自分としては大統領のバービーやノーベル賞を取ったバービーをそもそも生み出す
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トワイライトゾーン/超次元の体験(1983年製作の映画)

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4人の監督によって撮られた4つの短編のオムニバスという構成。
1番目の差別主義者の話がもっとも印象に残った。世にも奇妙な物語ぽい。

スピルバーグやジョージ・ミラーも参加しているのがなかなかすごいなと
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グレムリン(1984年製作の映画)

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BGMとして流しておくのにもちょうどいいかんじの、ふわふわUMAパニッククリスマス映画。
ギズモは死ぬほどかわいくて知性もあるかんじなのに、分裂した後発部隊(?)は全員凶暴で悪知恵だけはやたら働く怖い
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

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音楽の使い方がとても良い。
が、私は『君の名は』のほうが好きかな。

風とライオン(1975年製作の映画)

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この映画、ショーン・コネリー主演なのに何でこんなにクリップ数が少ないの?と思っていたけれど、確かに話は面白くない。

ペデカリス夫人とその子供たちがライズリーやリフ族の肩を持ち彼らに傾倒していく描写は
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お熱いのがお好き(1959年製作の映画)

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マリリン・モンローと有名な“I Wanna Be Loved by You”のシーン目当てで鑑賞。

マリリン・モンローのことはハリウッドの超有名なセックスシンボルとしか認識していなかったけど、あまり
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

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昔観てる途中で中断してしまったので改めて鑑賞し直し。

サイレントからトーキーへと移り変わりつつある時期の映画界を舞台に、有名な“Singin’ In the Rain”はじめ華麗なナンバーで彩られた
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トゥルーナイト(1995年製作の映画)

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ランスロットとギネヴィアを主人公とした、アーサー王物語ベースの映画。

Fateシリーズの影響でアーサー王がめちゃくちゃ好きな立場から言わせてもらうと、ある程度わかってはいても王が可哀想すぎてひどいな
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.5

元々ショートムービーだったものを映画の長編尺で撮り直した、モキュメンタリー風の作品。
ストップモーションと実写を組み合わせて、わたしたちの家にもいるかもしれない小さな存在たちの生活を描く目線が本当に愛
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

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音楽を生業とする者が突然難聴になる恐ろしさと、言葉を始めとする意思の疎通がままならないことのもどかしさ、訪れる静寂の美しさ、リズ・アーメッドの研がれたナイフみたいな演技が素晴らしい。

というのは大前
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枯れ葉(2023年製作の映画)

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ラジオから日夜ウクライナの情勢が流れ続けるこの時代の、普通の人々の全然劇的じゃない愛の話。
スーパーで働く女と土木作業員の男がお互いの素性も名前も知らぬまま惹かれ合うが、電話番号を書いたメモを落とした
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.8

あの頃の父と同じ歳になって初めて、彼の心の内に想いを馳せることができる。父の撮ったホームビデオを通じて、あの頃の父の心を再生する。

11歳の夏休み、主人公のソフィーが年若い父親カラムとトルコで過ごし
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異人たち(2023年製作の映画)

4.8

Filmarks試写会で鑑賞。
会場で配られた小さなパンフレットに「35mmフィルムが映し出す琥珀色の光」という言葉があったが、オープニングから光がずっと美しい。

孤独に生きるゲイの脚本家が、新作執
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キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

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これは任侠映画やカンフーが大好きな人たちへのご褒美の映画…。

死の淵から蘇った謎の組織出身の女。ユマ・サーマンは本当に綺麗ですごい。口笛吹いてる眼帯に変なストッキングのナースとかゴーゴー夕張こと栗山
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モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

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9.11後、疑心暗鬼に陥るアメリカに翻弄されたある青年を巡る、実話ベースの長い裁判の物語。

主人公はモーリタニア出身、ドイツに留学するほど優秀な人物だが、知人を通じて9.11首謀者との繋がりを疑われ
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ポルターガイスト(1982年製作の映画)

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本当に忍耐が必要な映画…。
E.T.を監督中のスピルバーグが製作に入っていたそうだけど、残念ながらE.T.のほうに彼の全ての良さが吸い取られてると思う。
ジェリー・ゴールドスミスの劇伴はよかった。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

普段「日本人ならこの作品は観なきゃダメ」のような考えを持って映画を観ることなどほとんど無いのに、この映画ばかりは絶対に世界で一番日本人に観る権利があるだろ…と思っていたので、無事初日を迎えられて本当に>>続きを読む

めまい(1958年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

何重にも面白い…!
幸いなことに物語の顛末をほぼ知らないまま視聴できたのもよかったかもしれない。

職務中に起きた事故がもとで高所恐怖症(めまい)に苛まれる主人公のもとに、友人から持ち込まれる「妻を監
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最強のふたり(2011年製作の映画)

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実話ベースのハートフル人情フランス映画。

ドリス役のオマール・シーがかなり良かったのだけど、コメディに定評がある俳優さんなのかな。
人情ものなんだけど、フランス人の洒脱さや人生観が垣間見えるのが面白
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ミッドナイト・マーダー・ライブ(2022年製作の映画)

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何も知らず映画館に行ってこの内容見せられたら、私なら怒ってしまうだろうな〜。

映画館での映画体験の欠点として「事前に調べて取捨選択できてしまう」というのはけっこう大きいなと最近思っていたので、やっぱ
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クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

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2023年12月に東京コミコンでベネディクト・カンバーバッチに会える!ということで出演作のうちまだ見ていなかったものを鑑賞。

面白しこれが実話なのは凄いな…と思いつつも、自分が一番好きなタイプのスパ
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スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)

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インドが舞台のインド映画風イギリス式ヒューマンドラマ。
過去の因果がクイズミリオネアの回答選択肢のひとつとなり、番組の進行と共に答え合わせを進めながら主人公の数奇な人生を追走するというつくりが面白い。
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グラディエーター(2000年製作の映画)

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子供の頃中途半端に途中から見たっきりだったので、改めて最初からちゃんと鑑賞。

思ってたよりも「1人の人間の生き様」というより「カリスマあふれる勇者とその影響を受ける周囲」みたいな映画だった。
リドリ
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Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)

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2023年東京国際映画祭で鑑賞。
春に109シネマズプレミアムシネマで鑑賞したRyuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022+に新規カットを追加・編集した作品で、ナレ
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ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ(2022年製作の映画)

4.8

ハリーポッターシリーズに青春を捧げた全オタクへのご褒美みたいなドキュメンタリー。
主演の3人のトークを中心に、懐かしいあの世界のキャラクターを演じた様々な役者たちが一堂に会す。一大フランチャイズの同窓
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メリダとおそろしの森(2012年製作の映画)

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ピクサー初めての女性主人公。
自立をめぐる母親との関係が主軸で、新しい切り口の映画を作ろうと模索しているのがわかる。
メリダはかわいいし話も面白いけど、主人公をトラブルメーカーにしすぎている気がするの
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ファンタジア(1940年製作の映画)

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近頃見直した不思議の国のアリスの芸術点が高すぎてびっくりしたものだけど、ファンタジアはディズニーの劇伴とアニメーションをリンクさせるメソッドみたいなものを最もわかりやすく示してくれているという意味で唯>>続きを読む

カールじいさんの空飛ぶ家(2009年製作の映画)

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とにもかくにも音楽が最高すぎる。
あと長編映画であるにも関わらず、セリフによる説明ではなく画だけで背景事情を説明するシーンが長く、特に冒頭の奥さんとの出会いから別れまでのシークエンスはピクサーの短編を
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ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(1993年製作の映画)

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中学生以来の鑑賞。
ジャックはセリフの地の文がほぼなく、基本的にずっと歌っているんだけどそれをまさかダニー・エルフマンご本人が担当しているとは思ってもいなかったので驚いた。
普通にめちゃくちゃ上手くて
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モンスターズ・ユニバーシティ(2013年製作の映画)

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マイク・ワゾウスキのファンは全員観るべき。
サリーが想像の100倍嫌なやつで笑える。
アメリカの大学事情に詳しいほうがもっと楽しめそう。
マイクとサリーがモンスターズ・インクに入社しるまでのくだりがよ
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勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

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60年代の映画をまだそんなにたくさん観ていないので比較はできないけれど、長尺を占める会話の応酬によって2人のパーソナリティや関係性を明らかにしていく流れが心地良すぎる。
会話の内容やカットの意図によっ
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ヘラクレス(1997年製作の映画)

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ギリシャ神話にゴスペルをぶつけようと思った人がすごい。
陶器に描かれたミューズたちが動くシーン、全部めちゃくちゃいい。このあたりのセンスはディズニーならではだと思う。

ヘラクレスのハデスのファンにや
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

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ワンカットものの中では相当好き!
なんだけど、それはそれとしてここまで時間が進むにつれ視聴をやめたくなる映画もなかなかないと思う。
限界現場で働いたことがある人とかは本当にきついと思う。

最繁忙期・
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マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”(2019年製作の映画)

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マルジェラ本人がマルタン・マルジェラというブランドについて語るドキュメンタリー。

冒頭、白衣を纏ったマルジェラの手が紐と一輪の花をマネキンの首元にかけ、ゆったり結ぶシーンが印象に残った。紐が装身具に
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

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NHKのドラマシリーズが始まったとき、これはもしかして凄いレベルの高い実写なのでは?と思ったものだけど、映画化まで行くとは!

劇場では観損ねてしまったのでサブスクで鑑賞したけど、実際にルーヴル美術館
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