Sariさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Sari

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ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

クラスナホルカイ・ラースローの小説「抵抗の憂鬱」の映画化作品。
不穏が充満したハンガリーの荒涼とした田舎町を舞台に、移動サーカスと見世物の巨大クジラが訪れたことを機に、何者かの扇動者によって、群衆によ
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何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

4.0

ヘンリー・ファレルによる小説に基づいた脚本をロバート・アルドリッチが見事に演出。
『サンセット大通り』(1950)を更にグロテスクにしたようなサイコホラー映画。

主演はベティ・デイヴィスとジョーン・
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

-

原作は、イギリス空軍出身の作家ピーター・ジョージ・ブライアント「破滅への2時間」。
シリアスな原作に対して、キューブリックはあまりに馬鹿げたものとして、戦争を痛烈に風刺するブラックコメディとして描いた
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

原爆の父とも呼ばれ、マンハッタン計画に携わり原爆を主導した第一人者、ロバート・オッペンハイマーの半生を描く伝記映画。モノクロとカラーを使い分け、時制を交錯する作りはいかにもノーラン。原爆を作ってしまっ>>続きを読む

野性の葦(1994年製作の映画)

3.4

アンドレ・テシネの12作目。
1960年代から1980年代のティーンネイジャーを題材にしたTVドラマの映画化。

1962年からアルジェリア解放戦争集結までの間、フランス南西部で暮らした若者たちの恋と
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石の詩(1963年製作の映画)

-

松本俊夫が、TBSのドキュメンタリー番組から委嘱された作品。「ライフ」のカメラマンのアーネスト・サトウが香川の石切り場で撮影した数百枚の写真をもとに、3日間でグラフ・コンテを描きあげ、あらゆる技巧を駆>>続きを読む

ファントム=幻妄(1975年製作の映画)

-

海辺、ヨガのパフォーマンス、赤髪ボブのウィッグの女性、空中に浮かび都市を見下ろす眼球、 不可思議な庭園で、コンクリート銅像の周りを歩く裸の男女。(昭和の名残を残すB級テーマパークの様な雰囲気)
妄想的
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984年製作の映画)

4.0

禁酒法時代にニューヨークのユダヤ人街ゲットーで育った二人のギャングの生涯を描いた、レオーネの遺作にして代表作。

レオーネ監督作品である『ウエスタン』と『夕陽のギャングたち』を併せて前期の「ドル箱三部
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ロッキー(1976年製作の映画)

4.0

ボクシング映画の金字塔 『ロッキー』シリーズの第一作。
シルヴェスター・スタローンの代表作。

フィラデルフィアに暮らす全盛期を過ぎた三流ボクサーのロッキー(シルヴェスター・スタローン)はボクシングだ
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脱出(1972年製作の映画)

3.7

『ザルドス』のジョン・ブアマン監督が命がけの脱出を描く、サスペンス・アドベンチャーの傑作。

ダム建設によって消えてしまう前にカヌーで渓流下りをしようと、アパラチア山脈の奥深い渓谷へやって来た都会の4
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海外特派員(1940年製作の映画)

3.8

ヒッチコックのハリウッド進出第2作。
第二次世界大戦前夜のヨーロッパを舞台に、ドイツのスパイ組織の陰謀を暴く青年新聞記者の活躍を描く傑作サスペンス。


39年初頭、戦争勃発の危機に揺らぐヨーロッパの
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あるじ(1925年製作の映画)

4.1

〝性格描写の習作〟として評価される作品。ドライヤーとスヴェン・リンドムの合作による台本で、原作はスヴェン・リンドムの「暴君の失落」。この映画はドライヤーの日本で最初に公開された作品である。本作品のヒッ>>続きを読む

アンガー・ミー(2006年製作の映画)

3.5

イタリア人映像作家エリオ・ジェルミーニが、生と死をテーマに作品を作り続けたケネス・アンガーの遍歴と映画術を捉えたドキュメンタリー。

ジェルミーニ監督自身がアンガーへ行なった出生から現在までを語るイン
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突撃(1957年製作の映画)

3.8

原作は、ハンフリー・コッブが1935年に発表した反戦小説※『栄光への小径』

※第一次世界大戦下のフランス軍で実際にあった恥ずべき事件をもとにし、第二次世界大戦が間近に迫っていたことから、当時のスタジ
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現金に体を張れ(1956年製作の映画)

4.0

スタンリー・キューブリック監督のハリウッド・デビュー作。

一滴の血も流すことなく、大金獲得のための犯罪計画を立案した主人公が破綻に至るさまを描いたフィルム・ノワールの1作。

刑務所から出所したばか
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エレファント・マン(1980年製作の映画)

3.8

19世紀のイギリスで、実在した「エレファント・マン」と呼ばれた青年ジョゼフ・メリックの半生を描き、世界的に大ヒットした不朽の名作。

アンソニー・ホプキンス演じる善意の医師により、見世物小屋から救い出
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ミカエル(1924年製作の映画)

4.0

デンマークの印象主義・自然主義文学を代表するヘアマン・バングの自伝的な小説『ミカエル』を映画化した作品。
ドライヤーとしては『不運な人々』に続いて2度目のドイツにおける映画製作となった。

著名な巨匠
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吸血鬼(1932年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ドライヤーの初トーキー映画。
セクシャリティとエロティシズムの観点からヴァンパイアというテーマを扱い、卓越した幻想的な映像を駆使した1932年という時代を考えれば見事な作品である。後の所謂ジャンル的「
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