けいすぃーさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

けいすぃー

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SAYONARA AMERICA(2021年製作の映画)

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有楽町のI'm a showにて鑑賞。音響がとても良く、細野晴臣の音楽の魅力を存分に楽しめた。
さよならアメリカ、さよならニッポン。

NO SMOKING(2019年製作の映画)

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細野晴臣の生い立ちや人柄に触れることで、彼の音楽の根源が垣間見えた気がした。
ブライトンでの細野晴臣のライブ中に急遽高橋幸宏、そしてたまたま来ていた坂本龍一が加わる部分は目頭が熱くなった。3人揃っての
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.3

まず、主演をはじめ役者陣の演技が素晴らしい。チャーリーがなにかと「I’m sorry」という様子はまさに精神疾患を持つ気弱で優しい人だった。

※以下ネタバレを含みます

この物語はほとんどが狭いアパ
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独裁者(1940年製作の映画)

4.4

扱っているテーマは重いものの、軽快なコメディタッチで観させるのはさすがチャップリン。
そして終盤の演説シーン。もしも平和を願う弱者が自分たちの自由を奪うものたちや全世界に向けてスピーチをする機会があっ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

感想を書くまでに時間が空いてしまったのでフレッシュな想いを残せないのが残念。

正直なところ、よく分からない話だ。よく分からないが、なんだか分かる気がする。そして僕は好きだと思った。
物語の中のリアリ
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サーカス(1928年製作の映画)

3.9

言葉がほとんどなくても大声出して笑えて、どこか哀愁に満ちている。チャップリンの普遍性は素晴らしい。

ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

3.6

この時代にストレートなゲイのラブストーリーを描いていることは、それだけで評価に値する。ウォンカーウァイらしい色や光の使い方も見もの。
しかし、どうしてもウィンに感情移入が出来ず、その影響でファイの気持
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天使の涙(1995年製作の映画)

3.3

なによりも映像美。カラーリングから光の使い方、グラグラの画角など、カリスマ性を感じる完成度。そのフラグメントな要素は脚本にも見られた。刹那的な衝動を駆り立てられるが、それは良くも悪くも理性的には「よく>>続きを読む

大いなる自由(2021年製作の映画)

4.5

これは名作。言葉にするのが難しい。ゆえに名作なんだと思う。大粒の涙が溢れ出て、それでいて終わり方にも余韻があった。

シーンの組み立て方、映像の作り方、俳優の役作りまですべてが見事にハマっていた。
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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.9

青年期の女の悶々とした気持ちや悩みを爽やかに描きあげた作品。新しいモンゴル映画を観たという意味で価値が高い。
主人公の感情の組み立てから店主との衝突までに若干のぎこちなさを感じだが、総じてまとまってい
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帰れない山(2022年製作の映画)

3.7

まず景色が綺麗。アルプスの山の生活を覗くだけでも楽しめる作品。あえてワイドじゃない画面を使うことで山の高さを強調している。
邦題の『帰れない山』と原題の『Le Otto Montagne』(8つの山)
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百年の夢 デジタル・リマスター版(1972年製作の映画)

3.8

スロヴァキアの映画は観たことなかったので、興味が湧いて鑑賞。
山に暮らす老人たちにインタビューをしていく形式の映画。中身のある回答はほとんどないし、町民の歯もほとんどない。しかし、そんな彼らの人生に想
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.7

面白い切り口と撮影技法。複雑な脚本も良かった。
しかし、感情の組み立てが追いつかず主人公に共感できなかったり、よく分からない部分も散見された。

ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)

3.7

ザ・フランスの色恋映画という感じ。コーラスのクオリティも高く、楽しく鑑賞できた。日本人こそこういった作品を観て、文化の違いを知るのは面白いと思う。

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

この映画を観る予定の人、観たいと思っている人はこの先を読まないでほしい。あらすじも読まないことを勧める。とにかくまっさらな状態で見る価値のある作品だ。

※以下ネタバレを含むので、十分に注意してくださ
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風立ちぬ(2013年製作の映画)

4.2

ジブリ新作公開を受けて、そちらを観る前に今作を鑑賞しておこうと思い、DVDをレンタル。
作品として上手く仕上がっており、ストーリーも心揺さぶるものだった。しかしジブリ作品らしいテーマ性を今ひとつ欠けて
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.4

マトリックスとインセプションをベースにエヴァのエッセンスを入れて、コメディで割ったような感じ。設定の少し緩い部分もコメディでカバーしつつ、「他者理解」という大きなテーマに挑んでいるのも好感。映像体験と>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

3.8

良くも悪くもアメリカ映画的だった。感動的な話で、展開もスムーズであるが、教科書的で映画としての面白みは少ない。役者はかなり仕上がってた。
老人の人生の回顧とか親子の愛情とかはベタでも泣いちゃうよなあ。

トリとロキタ(2022年製作の映画)

3.8

ビザなしの在留外国人の話。これは珍しいことではないのだろう。
ビザはなかなか降りず、入国仲介業者に金をせびられ、ビザなしを良いことに危ない仕事をやらされる。
移民問題の難しいところであり、作品でも示さ
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緑の光線(1986年製作の映画)

3.9

彼氏に振られて文句ばかり、言い訳ばかりいう女性のバカンスの話。話が長いしカットもほとんど割らないしで思わず笑ってしまう。いわゆる"フランス人らしい"会話。
タイトリングも上手く効いていて、楽しく爽やか
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ゴダールの探偵(1985年製作の映画)

3.7

ゴダールはよく分からない。
登場人物も多く、話にしか出てこない人や名前が呼ばれない者も含めて、本当にややこしい。
そしてショットも音もシーン構成もランダムで錯乱させてくる。切り返したらチグハグな場面だ
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.9

これまでになかなかない映画だったと思う。主人公は聴覚障害を持っているため、もちろんほとんどセリフがなく、感情移入をするのが難しい。そこにボクシングを掛け合わせる発想がまず面白いし、競技の進退や周囲の人>>続きを読む

パッション(1982年製作の映画)

3.6

正直よく分からなんだ。
しかしカメラのポジショニング、音声技巧、目を見張るものが多かった。
工場や映画の撮影現場で強調された"労働"は"パッション"との対比構造を作っていたし、監督が常々言っていた「光
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背 吉増剛造×空間現代(2021年製作の映画)

4.2

詩人のモノローグが印象的だった。「窓は向こう側が見えるから良い」「ガラスは安いから作品を消さずに取っといてくれと言われたけど、窓から見える景色は変えられない」「窓に書いた絵を消すとき、世界の背を見るよ>>続きを読む

DUBHOUSE:物質試行52(2012年製作の映画)

4.0

「建物は闇を生み出す機能がある」
映画館は真っ暗になり、音が鳴り響く。光のフラグメントがチラつき、画面が明るくなったときに、その眩しさにしばらく耐えることがてきなくなった。
空間に置かれたオブジェクト
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怪物(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

「怪物」は我々の頭の中にいる。いくつかの出来事の点を自分の偏見を通してもっともらしく並べ、架空の怪物を作り上げている。未知という人間の大きな恐怖を巧みに描いた映画だった。

非常に作り込まれた脚本、演
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劇場版 優しいスピッツ a secret session in Obihiro(2023年製作の映画)

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去年WOWOWでも試聴したが、劇場は格別の良さがあった。音響はもちろんのこと、ライブのように音楽に乗るのではなく、受動的に聴くことで、より歌詞が刺さってきた。WOWOW版にはなかった映像も入っていて、>>続きを読む

真実(2019年製作の映画)

4.2

素直になれない母と、彼女の娘家族や周囲の人々の関係性の変化を丁寧に描いている。
女優という職業だったり、彼女の生い立ちからくる気質、そしてパリジェンヌらしさが上手く組み合わさっていた。劇中映画に母の人
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麦秋(1951年製作の映画)

3.9

紀子三部作のうちで、最後に鑑賞。
舞台設定やテーマは似ているが、切り取り方が三者三様。紀子がどの程度思っていることを言っているのか、他の登場人物も含め、セリフと本心に若干の揺らぎが見えるのが良い。

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

3.9

こういう少年の夏休みの思い出とか、結局好きなんだよなぁ。ラストは涙も流した。良い話だった。
主人公の冒頭のモノローグで「サバカンを見ると思い出す"少年"がいる」といわれていたのが印象的だった。主人公と
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唯一、ゲオルギア(1994年製作の映画)

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ジョージアの歴史を概観した。
コーカサス山脈の南、黒海に接した豊かな土地は古くから交易の要所として栄えてきた。そして隣国からの侵略を受ける歴史でもあり、東方にはキリスト教世界、南方にはイスラム世界、そ
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晩春(1949年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

さまざまな想いが行きかう。言葉にされているものいないもの、態度に表れているものいないもの、それらはまるで龍安寺の石のようにすべてが同時には見えないのだ。

父の娘を嫁にやりたい思い、娘を手放す寂しさ、
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.6

庵野秀明監督のシンシリーズは好きですべて観ていたが、正直なところ他の作品には引けをとっている印象。期待が大きかったのもある。

※以下ネタバレを含みます

冒頭、最初の戦闘シーンで印象的なのは血飛沫だ
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.7

タイトルのまんまの映画。複雑な切なさと懐かしさと愛おしさとを醸し出していた。
思い出は物や場所に刷り込まれていき、それは日常に埋没していく。

撮影はとても綺麗でドラマ的で、1年ずつ遡っていく演出も効
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