みんな大好き『シザーハンズ』のティム・バートン×ウィノナ・ライダー、2人のはじまりの物語か。やっぱりストップモーションって良いなと思ったり、相変わらずウィノナも素敵だったけれど、ジーナ・デイヴィスのキ>>続きを読む
前作『レ・ミゼラブル』を観た時に受けた衝撃は忘れられなくて、ラジ・リ監督との出会いはセンセーショナルなものだったと記憶している。本作は冒頭の棺を降ろしていくシーンで既に予想とは違った雰囲気を感じ、全体>>続きを読む
まず何よりも驚愕したのは、パンフレットを開くと、主演のレオニー・ベネシュがミヒャエル・ハネケの傑作『白いリボン』の主人公、エヴァを演じていたと書かれていたことで、(そもそもあの映画に主人公という概念が>>続きを読む
白石和彌の最新作のキーワードは「碁」と「時代劇」いうことで、まるで江戸時代版の『孤狼の血』みたいに、碁盤を挟んでの、人間同士の腹の探り会いや謀略合戦が展開されたり、碁を打つ手付きを官能的に写し、とても>>続きを読む
昨今、4Kレストア作品の上映は珍しいものではなくなり、私たちもそれに慣れてきてしまった感があるが、久々にその魅力と意味を強烈に感じた一作だった。
至極当たり前のことだけど、スクリーン内には時計がない。それでいてそこは光を落とした空間だから、スクリーン内で流れる時間は、スクリーンに映されるものに依存することになる。
普通の物語であれば、基本的に時>>続きを読む
「ちょっとさすがに出来すぎちゃってる映画なんじゃないの~」と、らしくなさを感じていたら、トレントがスクリーンに入ってくる時に、ちゃっかりポップコーン持ってる辺りがカーペンターらしくて笑えた。
紛うことなき傑作『野火』を想起せずにはいられないタイトルの本作は、エンドクレジットのスタッフの少なさからも分かるように、塚本晋也作品の中では非常にミニマムな作りになっていると思う。女が薄い布団の上で身>>続きを読む
テルマとルイーズが運転するグリーンのサンダーバードは、まるで犯罪を犯して逃亡している人が乗るような車には見えないほどに目立っているが、そのことが逆に彼女たちの生々しい主張そのものであるかのようだ。「私>>続きを読む
何年にも渡って、父がしつこいほどに薦めてくるので、いよいよ鑑賞。
最初はクロンナウアのジョークの面白さも分からず(だんだん笑えるようにはなる)、ただただマシンガントーク(台本?アドリブ?)に圧倒されて>>続きを読む
「ここではないどこか」でスターになる計画も意志も悉く挫折させられるのならば、いっそ「ここ」でスーパースターになってしまおうという、パールのガッツ溢れる凶行は、どこか胸の空くような感覚を覚える。映像とし>>続きを読む
最終的に物語を総括すれば、小学生の夏休みの宿題で感想文の題材にできそうなくらいの、1人の少女の成長譚であって、多少の血の描写に目を瞑れば、10代に差し掛かった子供に見せても、十分に楽しんでもらえるもの>>続きを読む
『エンニオ・モリコーネ特選上映』の、あの予告編を見てしまったら、誰だってスクリーンに足を運びたくなるってもんです。彼の音楽を聴くのにスクリーンほど適した場所はないわけでしょう。
もっと落ち着いた展開>>続きを読む
インガーの葬儀は、棺を中心に据え、線対称に椅子が配置されているカットから始まる。淡い光の差すシンメトリーの構図に、ドライヤーの、このシーンに懸ける気合いを見て、こちらも椅子に座り直した。室内の各所に置>>続きを読む
先日「午前十時の映画祭15」のリクエスト作品の投票が始まり、投票できる5作品の内の1つとしてこれを選んだのは、あのアンソニー・ホプキンスの無機質な表情を大画面で観たいと思ったからだったけれど、前回観た>>続きを読む
バイクのスピードが上がるほどに、カットの切り替えも速くなっていくから緊張感が凄い。
それにしてもいくら急いでるからって、自分だったらガソリンでびちょびちょになった時点で、「次のフェリーでも良いんじゃな>>続きを読む
アンネの目は恐ろしく鋭い。それはアプサロンが言うように、無垢な瞳ゆえか、彼の母が言うように焔のような邪悪さの表れなのか、それは分からないけれど、いくつかの偶然の重なりから自らに秘められた力を信じてしま>>続きを読む
僕にとってハーヴェイ・カイテルは、まるでクラスメイトとの恋愛のように、センセーショナルな一目惚れではなく、同じ時間を共有していく中で段々と惹かれ、「この人好きだな」と思うに至った存在なのだが、そんな彼>>続きを読む
念願の観賞だったのだけれど、結構喰らった…
『14才の栞』を観た時に、一人の女の子が「ダサい大人にはなりたくない」と話していて、久しくそんな事を考えていなかった自分に気付いて身の引き締まる思いをしたの>>続きを読む
ジョン・カーペンター作品の「今、これ何の時間?」っていうシーンを無性に味わいたくなる時があるけれど、本作でもきちんと嵐の3人組がその気持ちを味わわせてくれた。なんでもありのカンフーアクションと気の抜け>>続きを読む
「"人間の顔のもつ弱さ"…サルトルよ。」
予告編を初めて観た時、『アデル、ブルーは熱い色』でレア・セドゥ演じるエマの言葉を思い出したのは、オッペンハイマーを演じるキリアン・マーフィーの顔に目を惹くよう>>続きを読む
『落下の解剖学』という意味深かつ印象的なタイトルから、私は安直にもマチュー・カソヴィッツ監督『憎しみ』の「問題なのは落下ではなく―着地だ。」というエピグラフをなんとなく思い起こしてしまうのだが、観賞後>>続きを読む
なぜだかベルナルド・ベルトルッチとリチャード・アッテンボローを混同していて、溥儀が紫禁城を追い出されて以降の、時代のうねりと呼応する重厚なドラマを観て、「さすがは『ガンジー』を撮った監督だ…」なんて考>>続きを読む
予告編でブロンドのミア・ゴスの姿を見ただけで、この映画は何かヤバい匂いがぷんぷんするぞ、と感じた気持ちそのままに、彼女にばかり注目していたら、「あれ…?ミア・ゴスってこんな声だったっけ?こんな可愛い声>>続きを読む
こういう作品なんかは絶対メイキングが面白いはずで、カメラが入った初日の教室の雰囲気とか気になるし、どれだけの時間をかけてゆっくりと教室に溶け込んでいったのか知りたい。
札幌での新生活1本目の映画は、安心して観ることのできる傑作からスタート。
今回の観賞で目に付いたのは、サム・ニール演じるスチュアートと、ハーヴェイ・カイテル演じるベインズだ。まずこのキャスティングが素>>続きを読む
最初から最後まで、つたの家一の売れっ子に見える岡田茉莉子があっさりと別のところへ移っていく、あの感じがたまらない。
クライマックス、ジェイクが一塁に向かって全力疾走する姿をカメラがスローで捉えたとき、友達が「足が…」と呟いて、「そうか、この人は膝に爆弾抱えてたんだ。」と思い出して、いたく感動してしまった。
そもそも全てが勘違いだったかもしれないという危うさを最後まで抱えながら、約2時間、こんなにもシンプルなプロットでスマートに映画を組み上げるヒッチコックの手腕が冴え渡る。
「『ストリート・オブ・ファイヤー』の若いウィレム・デフォーは蛇みたいだ」という話を聞いて、どんなものかと思ったが、キレキレで超クールなデフォーにとにかく釘付け。『フィールド・オブ・ドリームス』のお母さ>>続きを読む
序盤はセンスのある展開が進んでいくのに、徐々に無理矢理に変わっていき、「最初はやる気あったのに、作るのがだんだん面倒臭くなってきちゃったのかな?」と考えてしまうような出来。それてもオープニングでの期待>>続きを読む
昨年のアカデミー賞で主演男優賞ということで、当時は「へぇ~」としか思わず、特に観ようとはしていなかったけれど、たまたまWOWOW(だったか?)でCMを見て、そこに映っていたセイディー・シンクの表情がガ>>続きを読む
モナは身分証を持たない死体として発見される。それもそのはず、彼女は生前から、自らがどういう存在かを証明するモノを持っておらず、その役割を果たすのは、ただ今ここにある自分の身体だけだった。その潔さは、自>>続きを読む
こういう軽やかなホラー・オムニバスは、最近あんまりないなぁ。
真紅の看板の鎖が千切れ、風に揺られるカットから始まり、真っ赤な受話器が揺れるカットで幕を閉じるラストに痺れたし、まるで連続ドラマのような、登場人物を紹介していくオープニングも目を惹く。ただ、脚本として>>続きを読む
「お前にはもっと80's後半から90's前半のコメディ、特にスティーヴ・マーティンの映画を観て欲しいな」という父の言葉と共に薦められたのがこれだったのも納得の面白さとスティーヴ・マーティンの魅力が詰ま>>続きを読む