アイウさんの映画レビュー・感想・評価

アイウ

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二十歳の息子(2022年製作の映画)

3.9

特に何が起こるわけでもないけれど、常に底の方に緊張感があるからか、最後まであっという間のドキュメンタリーだった。
まずはこのお父さんの覚悟と決断を讃えたい。

説明しすぎず、ほとんど息子さんにインタビ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.6

目的を犯人探しにしないで観ればとても面白い作品。

出来事は見方次第でいかようにも背景の物語を作ることができるということ。

人が外からある出来事だけを見て作り上げる物語は、全体のほんの一部でしかない
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正義の行方(2024年製作の映画)

4.2

かなり興奮しながら観た。
こんなに面白いドキュメンタリーはなかなかないと思う。

警察側も、新聞側も、弁護側も、みんな「正義」に則っている。
ただその「正義」を大義名分にした時の暴力が最も恐ろしいよう
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辰巳(2023年製作の映画)

4.1

もうさ、かっこよすぎだろう。
全員悪い人達ばかりなんだけど魅力的な人物ばかりで。
すっかり森田想さんのファンになりました。
あの噛みつきまくる演技、かわいいシーンも、どっちも痺れた…

それと脚本の話
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.2

これは作者の中で大事なことだったとおもうんだけど、
「恋愛ではない」物語というのが素晴らしい。

恋愛のような個人対個人の特別な気持ちとかなくても、日常のニュートラルな状態でなんとなく他者をみんなで気
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

打ちのめされた。
しばらく椅子から立つ気が起こらなかった。
観終わってからもずーっと考えている。

ラストの解釈は色々あるだろうけど、
〇〇が愚かだから〇〇された、というのは見方が一元的すぎて、映画の
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.5

泣いた。終わって劇場出てからもしばらく涙が止まらなかった。

世界に対する怯えが少しずつなくなり、静かながらもどんどん生き生きしていくコットの姿が美しく、
コットにとって本当の「はじまり」が生命力を持
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

また凄いもん観てしまった。
哲学遊びのようなストーリー、
文字の小説じゃないと面白くなさそうなこのストーリーで、普通の映画の美術や普通のカメラだったら果たして面白かったんだろうか?
衣装がアカデミー賞
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.1

映画が終わって1分ぐらい経ってから涙が出てきた。
ラストシーンの美しいこと。

友情の描き方がかなり文学的で、何時間経っても余韻が増幅してきて今でもふとした拍子に泣けてしまいそう。

彼らが生きてる世
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

1.0

基本悪いレビューは書かないけど、書かせてもらう。

あまりにも嘘くさすぎて、全く感情移入できなかった。
外国人向けの、嘘くさすぎるウツクシキ東京の広報用映画、もしくは日本人向けのプロパガンダだと思った
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

私には子供がいないけれど、沁みるセリフ多々あり。
母親の目線で観ると、ずっと胸が痛かった。
母親の背負っている重すぎる重荷が、
母親不在での叔父と子供との二人の生活を通して描かれている。

インタビュ
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オアシス 4K レストア(2002年製作の映画)

4.8

久々に観た純愛物語
駅のホームで歌うシーン
高速道路で踊るシーン
こんな美しくてロマンティックなシーンあるか
泣いた泣いた…むせぶように泣いてしまった
映画館でようやく観れて良かった

イ・チャンドン
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ペパーミント・キャンディー 4Kレストア(1999年製作の映画)

4.8

イ・チャンドン監督はいつも私の理想の映画を見せてくれる。

過去に遡っていく映画。
この人のラストカットはいつも痺れる。

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.7

予想外にハッピーエンドで清々しい気持ちになる映画だった。

夫と夫家族がいかに主人公を人扱いせず蔑ろにしていて、
そういう家父長制的価値観を育んできたいかにクソ家族であるかが理解できるか。
過去の生い
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

最後の、壊れた自分の分身である、壊れたピアノと共に死を選ぶところから、
ピアノと決別して、新たに生まれ変わるところ。
そして音のない世界である海底に沈んだピアノと、その時に共に死んだかつての自分。
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.3

作者が常々胸糞悪いと思ってるものを
とことんけなして描いた風刺なので、
観終わった後に胸糞悪いのは当然だし狙いでもあったでしょう。

映画の作りとしては、ただ立ってるだけでおかしく思えるような、
カメ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.7

描いてる内容、構成、見せ方(仕掛け)、画作り、娘役(最高、、最高すぎる)、音楽、全部良すぎた。
娘役の彼女には出演してくれてありがとうと感謝を伝えたい気持ちになるほど。
なんというか、イギリスだけに英
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.0

今泉監督、ちゃんと間を描く人なのに全く飽きさせないなと。凄いなと。
セリフは一般的な映画と比較すると少なくても(彼にしては多いけど)ストーリー展開のテンポの良い脚本と、リアリティを生かしつつも退屈させ
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オオカミの家(2018年製作の映画)

5.0

とんでもないものを観た。
ずっと前のめりで観てしまった。
こんなに興奮した映画は久しぶりかもしれない。
圧倒されて終わってからもしばらく身動きが取れなかった。
初めてヤンシュヴァンクマイエルを観た時の
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水曜日(2021年製作の映画)

4.5

観た翌日にふと思い出しても泣けてきた。
こんなにも凝縮した「ふたりだけの世界」って観たことあるかな。
カメラや編集ももちろんだけど、役者の2人がとても良い。
数カットのみの14分に詰め込まれた、愛の塊
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.3

全ての人に観てもらいたい。

さっと涙を拭いたことで、初めて泣いてたことに気づくような泣き方をするところなど、普通の映画では見れない主人公ゼインの演技が見事だった。
彼が実際、似た様な境遇で育っていた
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はりぼて(2020年製作の映画)

4.0

まとめて叩かれる対象のマスコミというものの中にも、
こうやって報道の場で闘っている良心が少なからず存在している。
まずそういう彼らにエールを送りたい。

チューリップテレビという若く権力のないローカル
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