こさんの映画レビュー・感想・評価

こ

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最強のふたり(2011年製作の映画)

4.0

大学生の頃見て以来だから実に8年振りくらい。こんなに良作だったっけ?と驚くと共に心を揺れ動かされた。

健常者と障害者、黒人と白人、といういわば対局をなすパーソナリティを持つ2人の人間が、互いを理解す
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7番房の奇跡(2013年製作の映画)

3.8

物凄く感動した一方で、冤罪の恐ろしさを思い知らされる作品だった。国家権力の私情が込みいれば尚のこと、ましてや対象が知的障害者である事実を考えると、こんなにおぞましいことがあって良いのかと憤怒さえ覚える>>続きを読む

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

3.8

政治的抑圧と人種差別主義によって1つの正義が形を変えていく様を描いたクライム作品。でも形を変えようとそれは完全な悪にはなりきらず、まさしく題名通り「野蛮な悪」へと変容を遂げる。

十数年前ならまだしも
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裏窓(1954年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

70年前の映画とは思えないレベルのミステリー作品。しかも舞台は自室の中のみで完結、題名通り裏窓を通して見える情景のみを認識したうえで展開されていくという新感覚の趣向。

今も尚その設定とシナリオに古臭
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パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

3.7

ブッチがキレるポイントが、親が子供に手を上げる時で共通してるの良いな。

父親としての在り方という哲学が、フィリップとの関係の間に垣間見えたのが良かった。

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

3.8

「英雄」や「ヒーロー」という名声を得てこれほど心から喜べないことがあるだろうか。使命感と倫理観の狭間で葛藤するクリスを見ていて終始胸が締めつけられるような思いだった。

仲間の為、国の為、愛する家族の
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容疑者Xの献身(2008年製作の映画)

3.8

邦画ミステリーというカテゴリーの中だとトップレベルに質の高い作品だったと思う。見終わった時、題名の「献身」の真の意味が理解できるようになる。

無償の愛と言ってしまえばそれまでだが、120分見てそれ以
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ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017年製作の映画)

3.7

アドベンチャー映画なんていつぶりってくらいの鑑賞だったけど、思った以上に楽しめたというのが率直な感想。

ゲームという仮想現実の世界でミッションをクリアして現実世界に帰還するというのはベタな展開だが、
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50回目のファーストキス(2018年製作の映画)

3.8

コメディ要素強めのキャスティングだったがゆえに、コミカルな「笑いあり涙あり」のような作品に仕上げられているが、個人的には恋愛映画におけるエッセンスとしてはかなり重めのものだったような気がする。

佐藤
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

3.6

久しぶりにアクション映画観たけど、やっぱり何も考えずに見れるから脳が楽。

半分仮想世界だけど、その中でマッドマックスとしての本質を表現できたのはさすがだし、大ゴケした前作からここまで軌道修正してヒッ
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.0

「きみに読む物語」ぶりに恋愛もので感動してしまった。
たった一晩に起伏のない会話が繰り広げられるだけなのに、ここまで切なさともどかしさを訴えかけることができるのはなぜだろう。

何気ない会話で距離を縮
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.7

視聴者の想像に委ねている感が物凄かった。恐らく私は本来のジャームッシュ作品とは違った受け取り方をしている気がする。

コーヒーとタバコという「休憩」のイメージが強い嗜好品を題材にして、モノクロの絵でけ
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

3.9

この手の作品は曖昧化された表現から各々の人物の真意を読み取るのが本当に難しい。だが、そんな「みなまで言うのは野暮だ」という考え方が、脚本をより良質なものにしているのだろう。

高潔なマフィアとしてその
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.8

最も大好きな洋画の影響を受けた作品。

時系列に順ぜずに表現するシナリオ構成は洋画に多く見られる手法だが、邦画でこの技術を使った作品としては完璧に近い出来だったと思う。観てよかった。

現代っぽい恋愛
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.3

最高だった。
タランティーノ作品ラスト1作の鑑賞にして、パルプフィクションに匹敵する最高傑作に出会ってしまった。

奴隷制度の悪しき伝統と白人の傲慢さには毎度辟易するが、タランティーノらしく爽快感を与
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グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-(1988年製作の映画)

3.7

海という別世界の魅力に取り憑かれてしまった2人の男の物語。しかし愛してやまないその世界の美しさを享受するには、生命の危険を冒す必要があることに、彼らは苦悩を感じていた。

海への愛と恐怖はまさに表裏一
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search/サーチ(2018年製作の映画)

3.7

終始パソコン画面のみで物語を進めるという極めて斬新な映画作品だった。

サスペンスとしての展開はシンプルでありながら、真実に到達するまでの緊迫感がSNSやインターネットによる情報の小出しによって味わえ
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

3.8

犯罪や悪行が因果応報となり、犯罪というものへの恐怖を題材にした作品かと思いきや、見事にその逆。

まさに犯罪抑止のための政治的パフォーマンス活動への皮肉を込めた作品として、非常にメッセージ性が強い傑作
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いまを生きる(1989年製作の映画)

3.8

教育現場の抑圧的な学歴至上主義を背景に、詩を感覚的に享受することで己の人生を可能性に満ち溢れるものにしようとする教えの美しさがとても良く生えていた。

キーティングの一言一言の重みがすごい。それは文学
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ダ・ヴィンチ・コード(2006年製作の映画)

3.6

史実を交えて現代にまで時代を変遷させつつミステリーとして構成する手法に恐れ入った。めちゃくちゃ難しかったし、世界史の知識があったとて感じ方は変わらないのであろう。。

難しい用語や、抽象的、はたまた概
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イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

3.8

タランティーノにしては珍しく、一方の登場人物に肩入れしてしまう主観的に鑑賞してしまう作品であった。

ここまで冒頭から引き込まれて時間があっという間に感じた作品は久しぶりだ。第1章の会話のシーンから完
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

3.9

ココ最近で1番頭使った。ロビイングという一切馴染みのない題材だったから余計理解の難易度が高かった。

サスペンスというよりもはや精巧な社会派映画。だが見進めていくうちに銃規制法案の正義に絶対的な疑問を
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アンタッチャブル(1987年製作の映画)

3.7

ケヴィン・コスナーvsロバート・デ・ニーロという構図がもう最高。
禁酒法時代のシカゴが舞台で、国家を腐敗させたアル・カポネの検挙のために命をかけた大勝負に出るが、マフィアというより社会を相手にした一世
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

3.9

少数派を恐れることの危険性を突きつけられるような作品だった。舞台は95分間終始変わらずなのに、こんなに飽きを感じさせないのは本当に凄い。

固定観念のみならず、己の感情や都合で1人の人間の生死をいとも
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サイコ(1960年製作の映画)

3.8

初の白黒映画。60年前の作品とは思えないくらい質の高いスリラーサスペンスだった。

美女の浴室での断末魔が有名な作品という印象しかなかったが、当時ここまで高レベルなミステリー映画はさぞ圧倒的な話題性を
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.6

見終わってから1時間くらいBGMと雪景色が頭から離れなくなった。

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.0

大好きな作品が劇場で観れることの感動は計り知れない。

缶ビールのCMでお馴染みの名曲 Little green bagが冒頭で流れた瞬間、高揚感を抑えきれなくなりそうだった。

3年前にオリジナルを
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.7

地味な人間がある日突然ネジが外れたようにキレ出すのが1番恐ろしい。

家族を失ったとか、大切なものを奪われたとかそういう動機ではなく、スイッチが入ったように衝動的なものなので、現代においてもこういう人
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.7

圧倒的な知能犯として犯罪のプロセスが緻密に構成されていて、サスペンス映画として物凄くクオリティが高かった。その反面一つ一つの伏線回収が丁寧なので視聴者にもダイレクトに伝わりやすい。

終始徹底して不穏
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夏へのトンネル、さよならの出口(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

eill目当てで観てみたけど、思ってたよりも全然良かった。
フィナーレの「味気ない世界も悪くない」とか「2つの傘よりも相合傘」の詞の意味が分かってより楽しめた。

ウラシマトンネルの設定はアニメとして
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

クライム、恋愛、カーチェイス、そして音楽という男性が好きな要素が全て詰まった贅沢な作品。その根幹を担ってたのはやはり音楽。観終わった後すぐサントラを調べたくなる。

フィナーレはデボラとの逃避行という
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

3.6

ろう者を題材にした作品というより、ろう者という対象が身近にいる人間達の精神的な未熟さと成長を描いた作品という方が的確。

危機意識を植え付けるという教育的な目的も含まれているのか思いのほかリアルで凄く
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ヴィンセントが教えてくれたこと(2014年製作の映画)

3.6

ベタなストーリーだけど根が優しい不器用なおじさんの話は嫌いじゃない。

ジャケットの2人の写真はハイタッチではなく掌底打ちのポーズだったんだな。

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