Hirommyさんの映画レビュー・感想・評価

Hirommy

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碁盤斬り(2024年製作の映画)

4.0

脚本が落語の演目がベースというシンプルなわかり易さ。そのわかり易さに身を預けているうちに、敢えてのクローズアップや、時代劇らしからぬ現代風カメラワークでグイグイ物語に惹き込まれていく。正直私の中ではま>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

3.0

今では世界中のどこでも可能な当たり前のPC間でのファイル共有、その技術「Winny」の開発者金子勇氏が著作権侵害法を問われた冤罪事件。好きではないけどひろゆき氏しかりホリエモンしかり、もしかしたら日本>>続きを読む

モダン・タイムス(1936年製作の映画)

5.0

今観てもエモ可笑しくて声出して笑ってしまう。チャップリンの身体の動きといえば、ブカ靴テクテク歩きが頭にインプットされてたけど、特筆すべき体の柔らかさの方だったのか。まるでサーカスか中国雑技団員。軟体動>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.0

家族が観てたのに便乗しての途中から鑑賞だから評価するのもなんだけど、盛り上がってきた後半に入ってもあんまり没入できなかったな。もっと気候変動への警告を示唆したり、自然への畏怖を思い出させるエッセンスが>>続きを読む

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

3.5

ロビン・ウィリアムズ作品を観たくなって、超有名なのに未見だった本作を鑑賞。心理学者ショーン(ロビン・ウィリアムズ)と、愛着障害を抱えたまま大人になったウィル(マット・デイモン)の交流。ウィルの目を見つ>>続きを読む

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)

3.0

死ぬことは生きることのテーマと、余命宣告を受ける大学教授を演じるジョニデ。真面目さを捨て、本音で生きることを決意をし、実行する。その決意が死ぬまでに◯◯するぞ!的なだいそれたものではなく、主には身の回>>続きを読む

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.5

以前子どもに携わる仕事をしてた時、平成のドワネル少年(少女)に複数出逢い、18歳になるまでの子どもの度を越した問題行動は、ほぼ100%親の問題ってことを知った。邦題「大人は判ってくれない」は秀悦だけど>>続きを読む

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

3.5

古き良き30年代のアメリカ。現代目線だと社会の素朴っぷりに郷愁を覚え勝手に「良き」としてるけど、不景気真っ只中に生きる当時の庶民からしたら、糊口を凌ぐだけの毎日のどこが「良き」なのかと文句も言いたくな>>続きを読む

愛と哀しみのボレロ(1981年製作の映画)

5.0

あっという間の3時間。心震えました。実在したヌレエフ、カラヤン、エディット・ピアフ、グレン・ミラーがモデル。モスクワ、ベルリン、パリ、ニューヨークの4組のカップル2世代の話。シレッと一人で親と子演じて>>続きを読む

ガザ 自由への闘い(2019年製作の映画)

5.0

ガザの惨状は数年とは言わずもっと前からそれなりに知ってるつもりではい。けど、それでも、ここまでかと打ちのめされるドキュメンタリーだった。パレスチナは射的場か?イスラエル軍の遊び場か?パレスチナ人は虫ケ>>続きを読む

レクイエム・フォー・ドリーム(2000年製作の映画)

-

んー、ドラッグへのアクセスが簡単じゃない国に住んでたのはとりあえずは良かったと思えただけ。そんな国で青春時代送るのも子育てするのも怖すぎる!雪崩式の悲劇。孤独を埋めるにしては余りにも代償が大きすぎる。>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

5.0

IMAX鑑賞。あ〜良かったあ!なんという臨場感。オープニングからおおぅ!と身体が熱くなる。トーキング・ヘッズを初めて知ったのは90年代イギリスお茶の間のTV。音楽番組から低音重厚なドッドッドッドッドッ>>続きを読む

もののけ姫(1997年製作の映画)

5.0

1997年公開から27年も経ってるのだからその間ちゃんとやり直せておけば地球もこんなに傷ついてなかったのにとヒリヒリした気持ちで観てた。宮崎駿は「人間と自然の共生」の問題をアニメに乗せてずっと何度も警>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.5

手をゴシゴシこすると気持ちいいー思わずやってみちゃいました。後に元天使ダニエルも、人間界で手をゴシゴシやりながら歩いてて思わずニヤリ。嗚呼この感じ知ってる…そうだ、「初めて♡」の驚きと喜びを全身全霊で>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

5.0

年末はRy Cooderカバーもする超絶格好良いギタリストのライブと、ヴィム・ヴェンダースのパーフェクトデイズで終わったので、その流れで新年(もう1月半ばだけど)1本目は同監督のコレ。いやぁ心震えまし>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

役所広司がまんまトイレ清掃人平山にしか見えないほど役にドはまり
。格好いい音楽と文庫本と写真に囲まれ、質素ながらも穏やかな日々を送る初老イケオジ素敵過ぎる。「朝日の当たる家」は若き日のバンド青年役所広
>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

3.5

停電で外からの情報が遮断されただけで途端に「終末感」を覚えてしまう脆弱な現代社会。これに似た不穏は福島原発事故で、隔離感はコロナで私たちはリアルに味わった。ジュリア・ロバーツとイーサン・ホーク演じる都>>続きを読む

おとなのけんか(2011年製作の映画)

3.7

子どもの喧嘩、特に怪我が絡むと親は加害者被害者どちらの側になっても心臓が潰れそうになるもの。お互いの主張をしながら双方の着地点を見つけることの難しさよ。最初は大人の話し合いで穏便にことを済ませようとし>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

4.2

気になってたのに初ウェス・アンダーソン。レトロポップでどこか東欧雑貨チックな画、PARCOが似合うお洒落センス、毒々しくないカラフルな色彩。それらにベネディクト・カンバーバッチがしっくりマッチ!カメラ>>続きを読む

アラビアのロレンス/完全版(1988年製作の映画)

5.0

子供の頃TV放映時にチョロ見しただけなのに、目に焼き付き耳に残っていた映像と音楽。最初美しい砂漠にうっとりしながらも、ホモソーシャル軍隊組織アレルギーの私は途中までは「ああ結局戦争物か。これが4時間か>>続きを読む

ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

5.0

何度観ても笑える!台詞も全部覚えてる位観てる。なのに毎回群衆のツイストダンスには浮き浮きするし、警察のやり過ぎ大群出動には笑ってしまう。全てのシーンが笑えるか格好良い音楽に唸るかのどちらか。破茶滅茶ス>>続きを読む

ガザの美容室(2015年製作の映画)

3.7

先日ニュースでガザの11歳の女の子が「生まれた時からずっとずっと怖い思いをしているの」と泣いていた。そこに生まれただけなのに生涯怖い思いをしているなんて。なんて苛烈な人生。胸が痛い。

そんなガザ地区
>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.8

寝る前にぴったりの映画だった。何も起こらず淡々と静かな会話だけが続く。ああ、このアメリカのうらびれ感。だだっ広いだけに余計に感じる寒々しい郊外の街。森でのキャンプと会話劇、大人版スタンド・バイ・ミー?>>続きを読む

モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.0

韓国ものは数えるほどしか観てないけど、これも他韓国作品に違わず面白かった!ソマリアで内戦に巻き込まれた南北の大使館員と家族の脱出劇。戦闘下での南北接触という二重の緊迫感。極限下で徐々に生まれてくる心の>>続きを読む

ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

4.0

私の中でのタイは、昔放浪した猥雑さと混沌で埋め尽くされた発展途上の魅惑首都バンコクのイメージが強い。そのタイのお洒落現代映画ってどんな?とまず興味。この映画に出てくるのはそんな中でも、ミニマリスト的生>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

4.5

井浦新の終始苦悩する姿、田中麗奈のお嬢様らしい奔放さと芯の通った正義感、豊原功補村長のヘタレリベラルっぷり、水道橋博士のクソ軍人っぷり、ピエール瀧新聞社部長の権力への阿っぷり、コムアイの他所者臭プンプ>>続きを読む

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

3.5

両親を亡くした幼い少女フリダ。大自然に囲まれた田舎に住む叔父夫婦に引き取られ過ごす一夏。演技が全員自然過ぎて、多くの人が言うようにドキュメンタリーを観ているよう。フリダの憂い、年下従妹アナの無邪気さは>>続きを読む

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

4.0

1987年作品。行き過ぎた管理社会ディストピアを描いた作品。何度目かの観賞だけど、今回は純粋には楽しめてないことに気づいて驚いた。AIオートメーションやらマイナンバーやら情報操作やら、ディストピア加速>>続きを読む

この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.5

瑞々しい…!とうっかり言いたくなるような戦争映画。おっとりとした若くピュアな主婦すずの視点から描かれる戦争。ごくフツーの日常にいつの間にかフワッと入り込んでいる戦争。家族で他愛もない会話して、冗談言っ>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

5.0

配信で3回目鑑賞。過去2回は映画館にて。トーキングヘッズは20年以上聴いておらず、お久しぶりのグレーヘアーのデイビッドバーン。観た瞬間から懐かしさと、素敵な年の取り方をしてて安堵感でキュン死しそうだっ>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.0

バビロンはメソポタミア文明の古代都市。そしてまさに一国家のような強大な権力を持つハリウッド。強烈な光と闇。栄枯盛衰。ラ・ラ・ランドとはテーマが表裏一体で、音楽や雰囲気までもが似過ぎていて戸惑ったけど、>>続きを読む

大地よ アイヌとして生きる(2022年製作の映画)

3.5

ドキュメンタリー作品としては、俳優宇梶剛士の母・静江さんの生涯をサラッとなぞったという感じでちょっと物足りなかった。アイヌとして生まれ、就職差別に遭い上京、和人と結婚、子をもうけ、詩を書き、アイヌ復権>>続きを読む

フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

3.0

うーん、これは最後まで観続けるのなかなかキツかった。雪崩の時は妻のみならず、男の子がパパー!って叫び続けてたのにそれも耳に入らない程テンパったんだとしたら、それはそれでダサ過ぎるし、子供も傷ついてるよ>>続きを読む

標的の村(2013年製作の映画)

4.0

基本的人権の侵害。沖縄の人が受けてる苦悩。沖縄の米軍問題はなかなか全国ニュースにあがってこない。そして見える形で沖縄に全部苦難を押し付けてるけど、本当は日本全体が「標的」になりえることをこのドキュメン>>続きを読む

タシちゃんと僧侶(2014年製作の映画)

4.0

【優しい世界】
チベット僧侶が開いた孤児院。子供時代に何よりも大切なことは、自己肯定感なんて小難しいことじゃなく、もっと単純に温もりのある「安心感」。同じ地球上にこんな優しい世界があること、こんな徳の
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