Hirommy

大地よ アイヌとして生きるのHirommyのレビュー・感想・評価

3.5
ドキュメンタリー作品としては、俳優宇梶剛士の母・静江さんの生涯をサラッとなぞったという感じでちょっと物足りなかった。アイヌとして生まれ、就職差別に遭い上京、和人と結婚、子をもうけ、詩を書き、アイヌ復権運動に目覚め、90歳を前に北海道へと戻る。朴訥とした口調のごくごく普通の優しそうなお母さん。幼少期から自然に対する感性鋭く、風変わりな少女と思われ1人で過ごすことの多かったという静江さん。「アイヌ」アイデンティティに目覚めたのは、ただありのままの自分を認めて欲しかっただけなのだろう。この国は21世紀になってもそれが何であれ、マイノリティの人権を認めようとはしない。語気を荒めても柔らかい雰囲気のままの静江さんが、正鵠を得た権力批判をしたシーンは静かな迫力でグッときた。ウポポイ行きたい〜。
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