りゅうきさんの映画レビュー・感想・評価

りゅうき

りゅうき

花腐し(2023年製作の映画)

3.1

打ち付ける波、棒高跳びの北極星
白い波が黒い砂を毛布のように覆い、
その隣で愛した女と親友が死んでいた。


忌中

一人の女が死んだ。心中だった。
実家に出向いたが両親に祈る時間も与えてもらえず、降
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(500)日のサマー(2009年製作の映画)

3.4

人は世界を見たいようにしか認識しない。
甘美な王国は何者も寄せ付けない。

運命がノックしてこようとも、
臆病な妄想家の王は愛想笑いで門前払い。

本当は招き入れたいと思っているのに、
訪問者が望むこ
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シティーハンター(2024年製作の映画)

3.2

鈴木亮平すごい。
たまに神谷さんが声当ててんのかと思うときある。

オクトパスの神秘: 海の賢者は語る(2020年製作の映画)

3.0

アフリカの荒波は海に人を寄せつけないかのように、岩肌にその身を幾度も打ち付けていた。
しかし1度水中に潜ってしまうと不思議なもので、陸上から見るよりも意外に穏やかな姿を見ることができる。

太陽の光が
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コナー・マクレガー: ノートリアス(2017年製作の映画)

3.2

10年を一発で沈めるのやばい。

格闘技の試合は、生で見るとなぜかパワーもらえるから好き。
YouTubeのインタビュー集みたいな動画もぶち上がる
ずっとディーと一緒にいるのがまた良い。

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.3

恋は「喜楽」を受け入れること、
イヤホンを二人で片耳ずつ聞くこと。

愛は「怒哀」を受け入れること、
イヤホンで自分の両耳を塞がないこと。

ある村で(2019年製作の映画)

2.9

誰にも読まれない文章にも、
誰にも観られない映像にも、

そこには一つの思いがある。

片隅に咲く矜持を掬いとっていける人になりたいが、僕の手ではまだ空振りをしてしまうような作品だった。

クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014年製作の映画)

3.2

私は私であるとはなんだろう。
私の身体はあと少しで活動を停止する。
指しか動かせないような状況で私は「私」を振り返った。


目が覚めたら機械になっていた。
息子とロボット映画を見た後のことだった。
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キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)

3.5

持ってたバレーボールをなくして世界一悲しんだ男の物語。

どちらに行くべきか迷うということは、どちらにも行くことができるということ。

多すぎる選択肢は不幸を生むが唯一神は盲目も生む。
はしごを外され
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

3.2

主人公は嘘をつき続けた。
愛をどこかに求め続けた。

嘘の重さは罪に比例した。
愛はその度にまた遠くへ逃げていった。

嘘を重ねる、愛を重ねる。
遠いようで近さも感じるそれらは、共に「重ねる」ことがで
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プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

3.5

雨月物語を感じた。
仕事は業なんだろうか。

「仕方ない」は言い訳の言葉ではなく、
優先順位を決めたという意思表示にすぎない。

学問を理系と文系で分ける意味が問われるように、
時間も仕事とプライベー
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少年の君(2019年製作の映画)

3.8

【SideA】
初めてのキスは不良に頭を押し付けられた地面とだった。
2回目は数分後、その不良たちに殴られていた知らない少年とだった。
半ば無理矢理で、無感情に血の味がした。

涙は重力に逆らうことが
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

性の蕾が萌芽した
種子を得るたび花が散り
果実を小鳥に啄ます
君は囲うが私は綿毛
草に根はなく明日に咲く

マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”(2019年製作の映画)

3.2

マルタン・マルジェラのファッションはカウンターカルチャーだと語られていた。

なぜファッションがカルチャー足り得るのか。たかが服。考えてもわからず、ファッションの哲学を調べたあたりで何か間違っている気
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

3.3

雨の褥と成り果てて
越す冬もまた
霙まじりき
知らぬ春思い
芽吹きを待って

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.4

父親の肖像。記憶の揺籃。

「ひと夏の思い出」とはよくいうけれど、その言葉がこんなに似合うコンテンツもあまりない。

眩しく昏い映画だった。

脳を直接覗いている感じもあり、映画館にいるはずなのに、自
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.5

北イタリアのどこかで


初夏の陽が落ちた夕食前の薄暗い空間に、長旅で疲れていたカレの寝息はよく響いていた。

17歳の僕にはない、シャツから覗く無造作な胸毛
その上で輝く六芒星のネックレス
誰にも悟
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.4

愛を描くとき、笑顔は必要だろうか。
恋を描くとき、綺麗な口説き文句は必要だろうか。

その答えは向かい合う眼差しとひとつのセリフが教えてくれた。

"Small potatoes."

毎日イモだって
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.5

父に、家族に、歌を届けるシーンがとても良かった。

水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

3.2

風景、という言葉がある。
watchとseeには視線に意識を向けているかの違いがある。

なんだかんだで、映画はwatchするものだと思っていた。

Atmophの額縁のように、背景の一部としてそこに
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怪物(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

振られた、と思った。
これがどうやらきっかけらしい。
いや振られたのではなく失恋した、か。


遊んでいて楽しいなと思う人だった。
話していると楽しいし、遊んだ日の帰りにはもっと遊びたいと思った。
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大いなる自由(2021年製作の映画)

3.4

大いなる自由とは

憲法が改正されることでも
LGBTQが公に恋愛できることでも
ましてや刑務所の外にでれるなんてことでもなく、

結局のところ
人を愛していられるということ
それだけなのだ。

バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

3.1

マーヒシュマティ〜。
ドンスィンクフィールムービーだと思って観たから楽しめた。

呪詛(2022年製作の映画)

3.1

トキドキドッキリ。
きれいにストーリー作ったな〜という感じ

万引き家族(2018年製作の映画)

3.4

遠い世界で、ある大泥棒が働いた盗みに対して、盗まれた側も盗みを知った側もそれを否定することはなかった。警察も彼を捕まえることはなかった。

万引きとは本来、よくないもの。
良くないことは、おおっぴらに
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千年女優(2001年製作の映画)

3.5

すごい。
神がかり的なバランスでなりたってる。

最後の一言のストレートも決まってる

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

3.3

背景が細かいとこまで細かく描写されていて震えた。さすが。

誰もがわかっている展開だったかもしれないし、全体を通してメリハリは少なかったかもしれないが、それでも丁寧に描ききったところに製作陣の愛を感じ
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