ゆうゆさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

市子(2023年製作の映画)

4.0


壮絶な過去が紐解かれながら朧気にその輪郭が浮かんでくる彼女の宿命と悲しい生きざま。
苦しい過去とうれしさの葛藤を涙目で晒してしまう潤んだ瞳、やわらかな声と愛くるしい笑顔の影には逃れられない闇を背負い
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続エマニエル夫人(1975年製作の映画)

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過去記録
ヒロインよりも若い女の子の方が断然可愛かった

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.9


基本🤮と💩には強い子です。
「ザ・スクエア 」と雰囲気似てるなって思ってたら 人間の内面を皮肉たっぷりにほじくり返すのが得意な同監督さんの新作だった。
おおまかに超富裕層、白人の一般従業員、有色人種
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もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)

3.6


微妙に繋がってる四者四様の熟れた恋模様。
クズなんだけどなんだか憎めない男子たち。どうしても彼らのイヤな面ばかりが目についちゃうけど 見方を変えればそれが愛おしく思えて転がせちゃえるんだから女子の愛
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.8


めくるめくループする社畜の一週間🕊
魔の月曜日を幾多も繰り返し 必死で手繰り寄せた蜘蛛の糸、ひとり またひとりと取りこまれて生まれる連帯感と負のループを決壊しようと藻掻く結束力、小さな変化を見逃さな
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.7


壮大で残酷な戦闘シーンに反比例したようなナポレオンの滑稽な小物感よ🫢
彼の功績を淡々と見つめつつ描かれるのは夫婦の歪な愛の軌跡。彼なりの嫁への愛し方は独りよがりで色んな面で不器用だったけどちゃんと彼
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ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.9


飛行機ではじまり飛行機に終わるパニックムービー&不時着した島では乗客たちは小さな島を支配するゲリラの人質に。
とんでもない新年の幕開け、死に瀕し次々と巻き起こるトラブルの数々、機長であるバトラー兄貴
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.9


斜め上からな冷めた視点、目に映るすべて 社会の扉に抗って小さな世界でシャウトする拗らせ女子のゆらぎ

未来の展望はもやもやとしてまだあやふやだけど 'ふつう'では治まれない足掻きで溺れそうになりなが
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アメリ デジタルリマスター版(2001年製作の映画)

5.0


ファンタジーの影で重ねる地味な努力、アメリが訪れる先々でポケットに収まる石ころは彼女の空想と遊び心がつまった小さな愛の結晶、それらの宝石たちが水面を跳ねて広がる波紋は虚ろな人々を笑顔に変える幸せの余
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.9


果てしなくつづく孤独な旅路をすすみながら いつもきみのしあわせを願うよ、すぐに消えてなくなりそうな6ドルの やさしさの重みを記憶に刻んで

ざらついた日常に蔓延る抗いようのない足掻きとやるせなさを内
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ANNA/アナ(2019年製作の映画)

3.8


ニキータの現代版的な二番煎じのつもりで観たけどいい意味で内容もアクションもしっかりアップデートされていて面白かった。二転三転する痛快な展開、そして今回もアナ(サシャルス)のスマートな殺陣と軽快なアク
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空気殺人~TOXIC~(2022年製作の映画)

3.5


ニュースや紙面だけでは感じ得ることのなかった恐怖とやるせなさ、色んな人間の足掻きが世も末的に恐ろしい。こんな私利私欲にまみれた悪魔的な所業を見せつけられて 私たちはいったい何を信じればいいのかと絶望
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霧の中の風景(1988年製作の映画)

4.2


混沌とした闇を覆う霧のベールが開かれたとき 姉弟を導くあの神秘の風景は果たして やさしい世界であったのだろうか。
会ったことのない父を求めドイツを目指す幼い姉弟の物語。旅の目的は明確なのに どこか曖
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さよならぼくたちのようちえん(2011年製作の映画)

3.8


もうすぐ小学生になる園児たちの なんちゃってスタンドバイミー。余命いくばくなお友達の入院先に遥々逢いに行く子供達の長くて尊い冒険のいちにち。
おとな達に囲われたちびっ子だって実は小さな大人、個性的な
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非常宣言(2020年製作の映画)

3.8


に、日本…🥲

パンデミックを経験した今だからこそ この恐怖と混乱と葛藤の臨場感を他人事とは思えないリアル。パニック状態に陥った時の人間性が良くも悪くも如実に現れていて フィクションとしてアドレナ
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.9


和訳は『花殺しの月の殺人』
ちょっとロマンティックなかおりのタイトルなのに 白人達の'おれ様主義' の欲望に侵され 流れた涙で血なま臭く霞んでしまった小花たちの哀しみの物語でもあった。
どこかの政治
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君を想って海をゆく(2009年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます


恋人に逢うため泳いでイギリスへ渡ろうとするクルド難民の少年と彼に泳ぎを教えることになったおじさんとの深まる心の交流劇。
一途な想いを胸に秘め まっすぐに猛進する少年のピュアな恋心に触れることで 愛に
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永遠の語らい(2003年製作の映画)

3.7


移ろう文明の開化にいざなわれ 刻まれた歴史を吸収し肌で感じる旅の途中、世界の縮図のような 多言語で紡がれるきらめく空間が何の前触れもなく一変する、突如として闇に覆われる衝撃に いまの社会にも通じる不
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オルランド(1992年製作の映画)

3.7


不老不死の身体を手に入れたオルランドの数奇な人生。男性として女性として その性差に翻弄されながら時代に流されていく両性有具な美を携えたティルダさまの無二の存在感が彼女以外では考えられないほどにハマっ
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栗の森のものがたり(2019年製作の映画)

4.2


おとぎ話に紛れ込み時空超えて旅しているかのような圧倒的な世界観。ファーストシーンの枯葉のパッチワークから素敵で森の大空間のなか宙に舞う枯葉は黄金に輝く宝石。夜露に濡れたような日常に漂うしっとりとした
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10ミニッツ・オールダー イデアの森(2002年製作の映画)

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「人生のメビウス」がとても良かったので期待したのもあったけど驚くほど刺さらなかった。どれかひとつくらい楽しめるかとも思ってたけど意味不明のまま終わる。
'10分'という時間の概念の捉え方が監督さんに
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探偵マリコの生涯で一番悲惨な日(2023年製作の映画)

3.0


闇深な新宿。ディープなごみ溜みたいなとこだけどそこにも色んな形の愛が転がっていた。自称忍者(ウケる)の彼氏の「なんとかなる」って何気ない言葉と大きな手で包み込んでくれるような安心感は絶大ෆ‪

全体
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オットーという男(2022年製作の映画)

3.9


トムハンクスは偏屈おじいちゃんになってもやっぱり憎めないチャーミングな愛おしさが健在。若い頃のキャスティングを息子にしたのは正直微妙…。
オリジナルが好きだったけど こちらの方がほっこりなイメージ
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今夜、世界からこの恋が消えても(2022年製作の映画)

3.2


たとえ昨日までの思い出をなくしても 彼のまぶしい横顔や いっしょに笑いあった瞬間のやわらかな微笑み、2人で紡いだ忘れたくない感情は いつしか自分の細胞内で息づき いつまでも心の奥底に刻まれている。
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.1


毒母に35年間監禁状態で育てられた純度100%の落ち武者青年が下界デビューするおはなし。
ママの偏愛と虚言と調教によって外の世界を知らずに育ったピュアっ子バビー。虐待と洗脳に近い劣悪環境下での35年
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クルーソー(2021年製作の映画)

3.8


いきなりクライマックスのような展開で楽しめるのはショートの醍醐味かも。
これ観てたらディズニー行きたくなったなぁ。ラスボスみたいな魚のおばけ、私がたまにうなされる悪夢に近くて謎の親近感☺︎
エンドロ
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猫の居ぬ間のタップダンス/ネコの居ぬ間のタップダンス(1929年製作の映画)

3.2


レトロなミッキー可愛い♡
猫が居ない隙のみんなでわちゃわちゃ。チーズが楽譜のオルゴールとか 発想やアクションはトムジェリに近いかも。

スキン・アンド・ボーン(2022年製作の映画)

3.4


不穏な余白多め、女手一つの農場にふらりと現れた男が陥る世にも奇妙な物語。
翳りと含みのある女と雇われの男の秘めた獣性、彼が日毎に見る悪夢が現実となる話。それはこの農場に訪れた時からすでに定められた宿
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

4.1

承認欲求の塊と化した拗らせ女子の悲しい顛末。
成功を手にしようとしてる彼氏に沸きたつ嫉妬と焦燥。はじめは自分だけを見て欲しくてとった行動がエスカレートし身も心もボロボロになっていくさまがイタくてアホら
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テオレマ(1968年製作の映画)

3.8


碧い眼の妖しい微笑みに震え 身も心も捧げてのぼせて 過ぎ去ったあとに襲う後遺症。
これはまさに、先週からわが家を順に襲っている流行病にどこか似てるっ😇
天使にも悪魔にも映る天性の魅惑 その彼のあまい
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ママと娼婦 4Kデジタルリマスター版(1973年製作の映画)

4.3


お喋り男子は苦手。
時代の波に押し流された残骸みたいな男。飄々と女たちに漂流し当たり前のように割り込んでくるアレクサンドルはどうみても女の敵みたいなクズなのに 彼の饒舌と悪びれないしつこさはどこか仔
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渇きと偽り(2020年製作の映画)

3.3


偶然エリックバナに続けて会えました。
長らく雨の降らない乾いた故郷でおこった旧友絡みの殺人事件と 干上がった魚のように脳裏に姿を現す元恋人との悲しみの時間。現在の捜査と瑞々しい過去の記憶が交錯し や
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蝿の王(1990年製作の映画)

3.9


無人島に漂着した少年たちのサバイバル劇。砂地を駆け巡りみんなで協力して生き延びようとしていた無邪気な少年たちがいつしか対立し 炭と血で虚勢を張りしだいに暴力で力を誇示していく。
秩序の崩壊で剥き出し
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