ゆうゆさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

新凱旋門(2023年製作の映画)

3.1


パリを彩るアート作品とホームレスの交流を通じて愛と自由を詩的に紡いだアニメ

アトミック・チキン(2023年製作の映画)

3.3


原子力発電所の麓に住んでる鶏達のドタバタ。フエルトタッチのストップモーション?アニメでほっこりだけど内容はすこしシュール。主役の鶏は小憎らしい顔なのに敵のミミズ?はおとぼけ顔で可愛い♡ 波乱を予感さ
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フレンズ/2匹は友だち(2014年製作の映画)

4.4


可愛いイラストで描かれたオタマジャクシとイモムシの微笑ましい成長と交流。まったく異なる姿に変態してゆく両者ははたして無事に再会の抱擁を果たせるのか。息を呑む展開に衝撃がはしり切なくなるも これはお互
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女と犬(1991年製作の映画)

3.8


5分につめこまれたロメール風味のTheフランス。
エッフェル塔をバックに女子ふたりの他愛もない"究極の選択"トークだけなのにどーしてこんなにおしゃれなんだ!

私に触れた手(2022年製作の映画)

3.3


幼少期の思い出整理をするうちに過去に封印していた記憶の扉が開く女性のお話。アニメでマイルドな仕上がりにされてるも内容は辛辣。この手の作品をよく目にするけど それだけ闇に同じような事件があるのかと思う
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楽園(2023年製作の映画)

4.1


少年版『大いなる自由』

社会から葬られたはずのふたつの魂は閉ざされた窮屈な楽園で密かな愛を重ねあう。
ふたりの情熱を隔てる壁越しの秘密の逢瀬、刻まれた愛の痛みは彼の腕の中で永遠のダンスを踊る

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ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

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近くて果てしなく遠い国

脱北途中の家族、脱北する息子の身を対岸から案じる母、脱北支援の牧師の視点から知らされる隣国の惨状はまるで遠い星のはるかむかしの出来事なのだと願いたくなるほどの 目と耳を疑う
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

5.0


あのかけがえのない夏に出会うまで彼女にちゃんと向き合ってくれるひとはいなかった、だから小さな心に芽吹く不安や寂しさを口にすることはなかったし 秘めた孤独を吐露する的確な言葉も その感情さえも持ち合わ
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彼方のうた(2023年製作の映画)

3.9


産み落とされた喪失が撹拌され熱を帯び かたち作られうまれる絆が彼らをこちらの世界にゆるくつなぎとめる。霞がかった硝子の向こうの記憶、あちらとこちらの狭間をせせらぐ水流のノスタルジー、胸に秘めた悲しみ
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.2


気持ちいいくらいおめでたい"ハダカの王さま"
人たらしな愛嬌と軽さが憎めない愛すべきクズ野郎と彼を取り巻く端役の人たちのふてぶてしい個性を含め作品に息ずくザラついた哀愁が愛おしい。
社会の底辺をのら
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5


本能の赴くままに未知の欲望を貪り世界をまたいで熱烈ジャンプするベラがやがてアイデンティティを確立していくピュアな成長物語、独創的で奇天烈なおとなの寓話。煩悩にまみれながらも揺るがないまっすぐな眼差し
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ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

3.7


これがドイツで制作されたことの意義。粛々と映されるのは人間の面の皮を被った悪魔達の厳かな会議の様子。まるで害虫駆除とか産廃処理方法が議題みたいに そこにはユダヤ人達への同等の尊厳 命への忖度はすでに
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

4.2


彼女達の堕ちていく闇はどす黒く そのどん底を見届けたわたしははてしなくブルーに震える。
自分は真っ当だと無意識に自認している上から目線のレイシスト達が陥る地獄絵図は笑えないどころが寒気で気分が悪くな
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キャット・シック・ブルース(2015年製作の映画)

3.2


おしゃれ感漂うポスターに釣られ内容も知らずに観たけど予想の斜め上をいくとんでも変態映画笑。死んだ愛猫の蘇りを信じて9人の女性を襲って生け贄にしちゃう青年と 同じ喪失を抱える女性が彼に振り回されるお話
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もっと遠くへ行こう。(2023年製作の映画)

4.3


はじめて出逢った日のTシャツの記憶
愛おしい君の足音
虫に向けられたやさしい眼差し
彼女の戸惑いは新たな恋心へと変貌し、かつては愛を交わした彼の面影に微かな希望と束の間のやすらぎを知る

退廃的なデ
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.6


年齢差も生き様も身長差もある凸凹コンビの温度差のあるバディ感がほんと最高。
バリエーション豊富に随所に挟まれる"紅"の熱い想い(笑)、クライマックスに向けて珠玉な愛のミルフィーユへと昇華したふたりの
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ニーナ ローマの夏休み(2012年製作の映画)

3.8


真冬に観る夏休み映画
ディストピア感ある幻想的なローマの夏はクラッシックでアートで熱感も湿度もなくて昼でも夜でも無味無臭。かといって無機質な寂しさもなくて あの退屈な感覚が心地よくもある。高い建築物
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.7


禁断の果実ほど美味なものはないのかも
清々しくて気持ちは満腹
イラン豚の味が気になりすぎる😌

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.0


社会の縮図を投影した不条理遊園地で老人が苛まれる姿は未来を憂いだ絶望にたどりつく。性別 年齢 国籍関係なく受け入れてくれてテンションの上がる遊園地も、訪れる人によってはその全体がお化け屋敷

Saltburn(2023年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます


憧憬の君のきらめきに吸い寄せられ 混沌とした極彩色の迷路を彷徨う青年のしたたかな欲望、内に秘めた狂おしい情熱は やがて歪んだ狂気を孕み 高みから好奇な視線を注ぐ輩をがんじがらめに絡めとる。
高貴な蜜
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.3


想定内❤️💚(ほめてます)

ユニバのマリオランドよりは楽しかった。
今どきキッズはこの世界観を目で見て体感までできちゃうんだから羨ましいけど、これって感性が磨かれてるの?それよか鈍化しちゃわない?

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.4


豊かな食を通し 20年以上の歳月を紡いできたふたりにおくる愛の祝祭

映画を観ているのにまるで芸術を愛でているような贅沢な心地よさ。自然豊かなBGMに あふれる陽光、阿吽の呼吸でリズミカルに生み出さ
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ほつれる(2023年製作の映画)

4.3


上辺だけの夫婦のホロホロとほつれた赤い糸、とっくに破綻していた関係はそよぐ風に晒され がんじ絡めに縺れてやがて簡単には解けない取り返しのつかない残骸をさらす
心の拠り所をなくした事でしだいに均衡が失
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.1


シュールな世界観でしんみり人間愛を謳うカウリスマキ監督が荒んだ世の中を憂い そっと漏らした天使の吐息 🍂 𓂃
理不尽な日常に散らばってしまったささやかな喜びと恋の欠片をゆっくりと拾いあげ繋いだ赤い糸
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あつい胸さわぎ(2023年製作の映画)

4.0


恋に未来に たくさんの希望を抱く発展途上の乙女の 膨らんでゆく夢と胸のときめきを蝕む邪悪な黒い影。
酸いも甘いも噛み分け苦労を重ねてきたおとな達の 命を優先させた良識的な分別とあふれる感性の狭間で悩
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.6


心が衰弱してた主人公が憑依体験を機にめくるめく悪夢にのみこまれていくおはなし 。観たのは「PERFECT DAYS」の20分後、クリスマスムードと平山さんの余韻にしばらく浸ってたらそのまま忘れるとこ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.8


ポケットの中でいつも眠ってる石ころをまるで宝石のように愛(め)で慈しんでいるような心地よさ。
ミニマムだけど機能的でどこかスピリチュアルな安息の空間と 平山さんと社会を結ぶルーティンの場所たち
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ある男(2022年製作の映画)

3.9


映画化が決まった時に出演者を想定しながら原作を読了。答え合わせしたら100点に近いような感覚。ある男の真実を追うミステリアスに加え主人公の弁護士が自身のアイデンティティーに迷い沼っていく過程としても
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恋は光(2022年製作の映画)

4.2


"恋は光だ"

恋の気づきと憧れと✧︎
恋を探究する男女のきらきら哲学。それぞれが形のない'恋'に右往左往して辿り着く新たな成長の輝きが眩しすぎる

もっさめだけど隠せない美貌がはみ出てる神尾くんは
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シンデレラ/3つの願い(2021年製作の映画)

3.3


内容はほは同じだけど 北欧産シンデレラは魔法使いのおばちゃんもランプの精もいない࿉࿉࿉
白銀の世界を疾走し自らの手で未来を切り開き幸せをつかむ、慈愛の精神はそのままにいまの時代を生きる凛とした美しい
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.0


理不尽で過酷な環境下でも決して希望の灯火を絶やすことなく 家族との再会を願う山本さんの高潔でブレない生き様は荒んだ仲間たちの心をも揺り動かす。彼の家族に捧げる愛の言霊は仲間達がそれぞれに抱く大切な人
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.7


"チョコも滴るいい男"

おティモ王子と甘いチョコレートとミュージカルとの華やかマリアージュ🌸
基本 ミュージカルはかなり苦手だけど 彼のまろやかな歌声 軽やかなパフォーマンスに癒されて 投げキ
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シチリア・サマー(2022年製作の映画)

4.1


運命のY字路で点火され 暗闇を昇りつめ大輪の花を咲かせた淡く眩い恋心。ノスタルジックなシチリアの陽光を浴び培ったふたりだけの時間、気怠さの中に潜む好奇を通り越した憎悪の視線がふたりの瑞々しい感性を淘
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バビロン(2021年製作の映画)

3.9


果てしなく広がる夢と虚構の世界、そこに携わる人々の卑猥で躁鬱な喧騒と栄枯盛衰。
時代の移ろいとともに変わってゆく羨望と好奇な視線、たくさんのひかりを浴び枯れて散っていった過去の亡霊達がフィルムをとお
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依存魔(2019年製作の映画)

3.7

精神疾患を抱える少女と彼女に恋した少年の愛の逃避行劇。
甘美な輝きの先にある蠢く闇に突き進むような病んだ狂気、少年のピュアな愛は行き場を失い 沼に沈んでいくような悲しい重みを孕む。たくさんの罪を背負い
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