ヒロオさんさんの映画レビュー・感想・評価

ヒロオさん

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ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

3.9

冴えない男たちの三角関係と、無差別殺人犯のストーリーが次第に交差していく話。

衝撃的な作品だった。
コメディだった前半から転じて、後半からはゴリゴリのサイコスリラーへ。

人が無惨にも殺されていく様
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福田村事件(2023年製作の映画)

2.9

関東大震災発生後の千葉県福田村で、朝鮮人差別から転じた流言飛語により、四国からやってきた行商団9人が殺害された事件を元にした作品。

半ばタブーとされているテーマに切り込んだということは凄いと思うし、
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あしたの少女(2022年製作の映画)

3.8

韓国の大手通信会社のコールセンターで実習生として働き始めた「就職高校」の生徒が自殺してしまう話。

前半は、主人公である少女の主観的目線。
後半は、その死の真相を追う刑事の目線から、韓国社会の歪んだ構
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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.5

1920年代〜70年代の激動の中国を舞台に、京劇の古典「覇王別姫」を演ずる2人の役者の愛憎を描いた話。

有無を言わせない大傑作。
壮大なスケールと映像美で、どこをとっても上質すぎた。

本作は、「覇
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ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

3.7

いじめられてばかりの少年とヴァンパイアの少女の物語。

北欧らしい、静かで寒々しいトーンのホラー。
予想よりも、容赦なく残酷なシーンが描かれている。

疎外感を感じている2人が惹かれあい、純愛を育む様
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マイ・ブルーベリー・ナイツ(2007年製作の映画)

3.6

恋人にフラれて傷心の若い女性が、新たな自分と、新たな恋を見いだしていく話。

深夜に何となく観るのがオススメ。
ネオンっぽい色彩やスローモーションを用いた映像がウォン・カーウァイらしくてオシャレだった
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

4.1

女2人の楽しいはずの小旅行が、レイプからの正当防衛で人を殺してしまったことにより、逃避行となっていく話。

めちゃ良かった。

アメリカの荒野、オープンカー、風に揺られる髪、サングラス……
こんなに女
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パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

3.8

同室で母になった2人のシングルマザーに悩ましい展開が訪れる話。

1人は高齢で出産したカメラマンで、もう1人は10代の女性。
ネタバレになるので内容は言えないが、2人には究極の葛藤が待ち受けている。
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家族の肖像(1974年製作の映画)

3.9

教授の静かな老後が、上階の部屋をブルジョアの家族に貸したことにより掻き乱されていく話。

良かった。
ヴィスコンティの作品からは狂気の域の美意識を感じる。

映像が重厚で美しいこともさながら、ストーリ
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.8

ウォンカ青年が自分のチョコ店を持つことを夢見て上京したばかりの頃の話。

観ていて楽しい作品だった。
ストーリーは子供向けだが、奇妙な世界観が面白かった。
思ったよりミュージカル。

ジョニデのウォン
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キッド(1921年製作の映画)

4.0

赤子の頃に母親に捨てられ、貧しい男に拾われた子供。貧困のなかでも二人で楽しく暮らしていたが、やがて母が女優として成功し…?という話。

人間愛に満ちた素敵な作品だった。

100年以上前の作品だがテン
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狼たちの午後(1975年製作の映画)

3.2

1972年に起こった実際の銀行強盗事件を元にしたクライム映画。

アル・パチーノ主演の社会派名作とのことで観てみたが、冗長で面白くなかった。

本来なら緊張感があるはずの現場だが、強盗犯、警察官、人質
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ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

3.8

第二次世界大戦後のデンマークで、捕虜として残されたドイツの少年兵たちが、ナチスが浜辺に埋めた地雷の撤去をする話。

重い作品だった。
こんな歴史があったとは知らなかったので勉強になった。

地雷がいつ
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バーバリアン(2022年製作の映画)

3.7

若い女性が宿泊のため借りた家を尋ねると、他の宿泊客の男がおり…?という話。

シンプルに結構怖い。
ストーリー全体でミスリードがあったり、後半にはまさかの展開もちょこちょこあったりして、エンターテイメ
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.8

人生を模索するアラサー女性が、モラトリアムを経て成長していく話。

良かった。
生き方の選択肢が増えた現代ならではのアラサー女性の感覚が、リアルに描かれているような気がした。
感覚的には共感できるとこ
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.5

周囲から浮いている少女、あみ子とその周囲人々の話。

裸足で学校に行ったり、クッキーのチョコの部分だけを舐めたりする変人あみ子。

その様子が、生き生きと、ほのぼのと描かれているが、一方で描かれている
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ひろしま(1953年製作の映画)

3.8

戦後から数年たった広島で、1人の女子生徒が原爆病で倒れる。それをきっかけに広島の人々が原爆投下直後のことを回想する話。

戦後から8年経った1953年の作品。
広島の被爆者たちがエキストラとして出演し
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

3.9

大学を中退して以来、フリーターとして何となく生きてきた34歳の女性が、一夏のナニー経験を経て、人間として成長する話。

良い作品だった。
生理、妊娠、子育てのなかで、女性が経験する身体的負担や戸惑いが
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

マンハッタン計画で原爆開発を指揮した物理学者、オッペンハイマーの伝記映画。

かなり良かった。
オッピーの人間性が公私にわたって多面的に描かれており、重厚な伝記作品となっていた。
無駄なシーンもなく、
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アウトフィット(2022年製作の映画)

4.1

シカゴでオーダースーツ職人を生業とする英国人が、店内で起こったマフィアの抗争に巻き込まれていく話。

これは面白い!
脚本と演技が素晴らしい。

英国人紳士がマフィアの抗争に巻き込まれた「被害者」かと
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.7

合唱部の男子中学生が、突然出会ったヤクザに「カラオケ行こ」と誘われ、歌を教えることになる話。

前半はコメディとして面白かったが、若干出オチかも。

ヤクザと中学生の友情が育まれるにつれてハートウォー
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そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

2.9

親が何度も変わる環境で育てられた少女と、彼女に愛を持って接してきた3人の義理の親たちとの絆を描いた作品。

大衆向けの邦画によく見られるクサさ全開。
ストーリーに起伏があったので退屈はしなかったが、泣
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.2

東京・京都間の新幹線で繰り広げられる殺し屋たちの攻防を描いたエンターテイメントムービー。

真田広之やプラピのアクションは見応えがあるが、話が薄くてアホっぽかったので、個人的にはあまり楽しめなかった。
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オクジャ okja(2017年製作の映画)

3.3

ともに成長してきた心優しい生物と1人の少女が、大企業と動物愛護団体の争いに巻き込まれていく話。

食糧問題、環境問題、企業倫理といった現代らしいテーマを1つの作品に落とし込む力量は感じたが、好きではな
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老人Z(1991年製作の映画)

2.9

老人介護問題が深刻となるなか、厚生省が自動介護ロボットを発表。
そのテストとして1人の老人が選ばれるが、老人が乗った機械が暴走していくという話。

高齢社会やAIなど、現代日本のテーマを1991年の段
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.2

森の奥で自分と同い年だった頃の母と出会い、数日間を共に過ごす話。

映画の大半はフランスの可愛い幼女が遊んでるだけなので、私は退屈してしまった!

でも、静かで美しい作品だった。
おフランスなタイムリ
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アネット(2021年製作の映画)

3.9

一流オペラ歌手と人気絶頂の舞台コメディアンが結婚し、非凡な才能を持つ娘アネットが生まれるが…?という話。

鑑賞中、「この監督マジで頭おかしいわ」と思わず言ってしまうほど変わった作品だった。
確実に評
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王になった男(2012年製作の映画)

3.3

王の影武者となった男の運命を描いた作品。

韓国で大ヒットしたのは謎。
宮廷の権力闘争をシリアスに描いた作品を期待した自分としては微妙だった。

これはコメディ?ハートフル系….?
ノリがわからなくて
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正欲(2023年製作の映画)

2.0

一般通念では理解されない欲望を抱きつつ、普通のふりをしながら孤独に生きていた者たちが、分かり合える者の存在にやすらぎを見出していく話。

登場人物が軒並みウジウジしていて、かなり嫌いな類の作品だった。
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悪人伝(2018年製作の映画)

3.8

連続殺人鬼に襲撃されたヤクザの親分と正義感の強い刑事が、共にその犯人を追う話。

普通には面白かった。
最後は大爆笑。+1万点。

1番の見どころは、やっぱりマ・ドンソクの圧倒的パワー系アクション!超
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トレマーズ(1990年製作の映画)

3.7

ネバダの砂漠地帯にある小さな街の人々が、地中から襲ってくる生物と対決する話。

思いの外楽しめた!w
陽気で軽めのモンスターパニックものだった。
 
地中生物との対決を存分に描いるところがまず高評価だ
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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

3.2

不思議な魅力を持つ青年の突然の来訪により、裕福な一家のアイデンティティが崩壊していく話。

今までみた映画のなかで一番意味不明かもしれない。
何もないシーンか、何をしているのかわからないシーンばかり。
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.6

夫と共に完璧な幸せが約束された街で暮らす主婦が、街の真相に辿り着く話。

『ステップフォード・ワイフ』みたいな映画だった。

一見明るく幸せな街の様相だが、街の女性全員が主婦として夫の快適さのために尽
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ある男(2022年製作の映画)

3.6

不慮の事故で亡くなった夫が実は身元不明だったとの相談を受け、1人の弁護士がその男の身元調査する話。

つい先日観た『市子』とほとんど同じ筋立てと、同じく社会派な真相だった。
男版『市子』だから『市男』
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市子(2023年製作の映画)

3.8

プロポーズ後に姿を消した彼女、市子の知られざる過去をその恋人が明らかにしていく話。

最後まで観客の好奇心を駆り立てるのが巧く、ミステリーとして楽しめた。
ラストは色々驚き。

ネタバレになるのでその
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リバー・ランズ・スルー・イット(1992年製作の映画)

3.7

モンタナ州の豊かな自然に囲まれた土地で生きる、とある牧師一家の歩みと絆を描いた作品。

映像、音楽ともに綺麗だし、良い映画風の雰囲気はあるが、ヒューマンドラマの傑作を謳うほどの内容はないと思った。
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