ベイビーさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ベイビー

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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

3.8

振り返れば言い訳の多い人生
言い訳をして全てを後回しにしていた人生…

それは僕にも身に覚えがあります。

例えば好きな人ができてもなかなか告白出来ない自分。自分に自信がないことを棚上げにし、いつか告
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

先日観た「ペパーミント・キャンディ」の演出がとても素晴らしかったので、それからすっかり気になってしまったイ・チャンドン監督。

今作は村上春樹さんの原作「納屋を焼く」をモチーフとしたミステリー作品。そ
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

暗闇から一点の光がこちらに向かってきます。しばらくすると、そこはトンネルの中だと気づきます…

そんなオープニングから始まる物語。やがて画面はトンネルを抜け「ピクニック 1999年 春」という章タイト
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華麗なる晩餐(2008年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

先日観た「プラットフォーム」があまりにも不快で意味不明だったので、色んな方のレビューを読ませていただきました。その際にこの作品を紹介されている方がいらっしゃいましたのでさっそく観てみました。

ドゥニ
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

昔、「料理の鉄人」で三代目和の鉄人の森本正治さんとアメリカのシェフがアメリカのキッチンスタジアムで対決した時のことですが、料理中アメリカのシェフがしきりに客を煽り会場を盛り上げていました。森本さんにと>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.6

凄く個性的な作品。

惑星イガムに住むドラーグ族からすれば人間は害虫同然。そんな独特な目線から始まる物語…

物語も設定もキャラクターも作画の描き方も全てが独創的。何十年も前の作品なのに一切色褪せない
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シドニアの騎士 あいつむぐほし(2021年製作の映画)

3.9

TVアニメ版1期、2期を観賞してからこの作品の世界観にはまり、普段マンガを読まないのですが、原作を電子書籍で全巻揃え、何回も読み直していました。

そして待ちに待った今作。TV版では描かれなかった原作
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藍色夏恋(2002年製作の映画)

4.0

恋を躊躇うのは、自分に自信がないからなのでしょうか? 自分がその恋に相応しくないと感じるからなのでしょうか?

目を瞑りながら「見えない」と呟く17歳の少女モン。それは、親友のユェチェンとの戯れ。
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記者たち~衝撃と畏怖の真実~(2017年製作の映画)

3.7

残念ながら民主主義とは真実がまかり通る社会とは違うようです。数がまかり通る社会です。

"数の話から始めよう"

と、この物語は始まります。まずは140万という数字。それはアメリカで軍務についている人
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風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

ずっと前から観たかった作品。

今までずっと観る術がなかったのですが、今年は「侯孝賢監督40周年記念」ということもあり、その企画で本作が名古屋のシネマスコーレさんで上映され、本日念願かなって観ることが
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ドアロック(2018年製作の映画)

3.6

一人暮らしをするギョンミンの部屋に誰かが入り込んだ形跡が… それは彼女の妄想なのか、それともストーカーが存在するのか?

という冒頭で始まるサスペンス作品。よくある都市伝説を題材にしたプロットでした
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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

4.2

とても物静かでありながら、雄弁に人の心を映し出した作品。少ない会話の中にも、相手への"思いやる"気持ちがたくさん溢れていました。

デンマークの田舎で脚の悪い叔父を介護しながら、その叔父と酪農をして暮
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ウィッカーマン final cut(2013年製作の映画)

4.0

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ローワン・モリソンという少女が失踪した。というタレコミがスコットランドの警察官ニール・ハウイー巡査部長に入り、彼はセスナ機に乗り込んで、単独で彼女の住むサマーアイル
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.4

滑り込みで映画館で鑑賞できました。映画館で観るべきかどうか悩んでたのですが、大きなスクリーンで観れて本当に良かったです。

映画館で観るかどうか悩んだ理由は、今作品を観たら絶対に泣くと分かっていたから
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Saint Laurent - Summer of '21(原題)(2020年製作の映画)

3.7

ギャスパー・ノエ × サンローラン

赤と黒とテクノ
それだけで魅せ続ける8分間

二分割画面はここでも健在
左脳と右脳を掻き混ぜるように
交錯する映像
変化のない電子リズム

映像もノエ監督らしく
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ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

マジでどうかしている!
正真正銘狂ってる!
何してるんだ、ギャスパー・ノエ!
絶対に頭おかしいでしょ!

正に狂気の作品。51分という短い時間の中で、混沌と狂気に圧倒されっぱなしでした。

魔女狩り
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静かなる叫び(2009年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます


【気ままな考察やラストのネタバレを含めたレビューになっております。まだ今作をご覧になられていない方は、お気を付け下さい】





1989年12月6日にカナダのモントリオール理工科大学で起きた銃乱
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カストラート(1994年製作の映画)

3.6

いつまでも少年のような美声を保つ為、声変わりの前に去勢をさせられた男性歌手を「カストラート」と呼びます。

16世紀半ばから19世紀の終わりにかけ、ただ美しい声を残すことを目的として、非人道的な去勢を
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わたしたち(2016年製作の映画)

4.3

うっ、なんだこのチクリと刺さる感覚は…

それは冒頭の取り取りジャンケンから始まっています。クラスのドッヂボールのチーム分けで、ジャンケンで勝った方から順番に欲しい人を指名していく中、あの最後まで名前
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象は静かに座っている(2018年製作の映画)

4.5

新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくおねがいします。

毎年新年の一本目に何を観ようかと悩むんですが、今年は以前から観たかったこの作品に決めました。

選考理由は、この作品を感動する作
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他人の顔(1966年製作の映画)

4.2

安部公房原作・脚本。勅使河原宏監督作品。音楽、武満徹。出演仲代達矢、京マチ子。

ずっと昔から観たかった作品。レンタルはもちろん、セルでも探していたのですが全然見つからず(一度中古で、勅使河原宏監督作
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ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.8

"やっぱり愛がなくっちゃね"

そんな映画のコピーに惹かれ、映画館に入り何気に今作を観てみたのですが、内容はまるでコロナ禍の煽りで心から疲弊している、今の世の中に生きる人々を描いたような作品でした。
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.3

やっと観に行きました。

今まで皆さんのレビューを読むのを我慢して、なるべく知識を入れず作品に挑もうとしたのですが、薄っすらと聞こえてくる"難解だ"という噂。その噂どおり、初っ端からストーリーについて
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メメント(2000年製作の映画)

4.1

カラー、逆順、通常パート
白黒、正順、サミーパート

二つが繋がるメビウスの輪
それは丁度、"TATTOO:FACT 5"が境目

短い時間の記憶、消えていく記憶を繋げる為に、ポラロイド写真とメモを残
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異端の鳥(2019年製作の映画)

3.8

約一年前にフォロワーさんのレビューで知り、ずっと気になっていた作品。コロナ禍で上映延期になりつつも、今回ようやく観ることができました。

噂どおりただならぬ作品でした。Filmarksのサムネにも使わ
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ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

4.2

ロカビリーの聖地として知られるメンフィス。その地はロカビリーの"キング"こと、エルビス・プレスリーの出生地としても有名です。

そのエルビスを軸に、とあるホテルで三組からなる三つの物語が重なります…
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.5

Netflixで「梨泰院クラス」を視聴→
チョ・イソ役のキム・ダミが気になる→
Netflixでキム・ダミ主演の今作があったので視聴→
結果、キム・ダミ作品をもっと観たくなる…

これが韓流ドラマのマ
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

とても素晴らしい作品でした。

この作品は、三つのパートからなる物語なのですが、その構成がとても秀逸で、パートが変わる度に主人公であるトラヴィスの心の変化がとても上手く表現されています。


ここで予
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.7

うーん…
作品としてはそれなりに楽しめたのですが
僕にはあまり刺さりませんでした

90年代半ば
家庭環境と友達
思春期が抱える苛立ち

そこにあるリアルが痛々しくてむず痒い。

そう言えば、少し
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山椒大夫(1954年製作の映画)

4.2

前作の「雨月物語」に引き続き、二年連続でヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を獲得した今作。

ずっと観たいと思っていたのですが、近くのTSUTAYAに置いてなかったので、いっそのことAmazonでDVD
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雨月物語(1953年製作の映画)

4.0

はじめての溝口健二監督作品。

黒澤明監督、小津安二郎監督と並ぶ日本映画界の三大巨匠のお一人だと言われたら、それはもう観ずにはいられません。

ああ、やはり画角が美しい。特に琵琶湖を舟で渡る場面は印象
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椿三十郎(1962年製作の映画)

4.4

久しぶりの鑑賞。
何回観ても面白い!

1961年に公開された「用心棒」が、興業収益が3億円を越える大ヒットとなり、その続編として作成された今作。元々製作予定だった山本周五郎原作の「日日平安」を下敷き
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浮草(1959年製作の映画)

4.3

ああ、とても素晴らしい…

一体どんな魔法を使っているのでしょう。題材も地味ですし、映像に派手さもありません。それなのに終始物語に吸い寄せられてしまいます。

やはりレイアウトが美しい。"小津調"で切
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ドラムライン(2002年製作の映画)

3.1

突然ですが、皆さんは京都橘高校吹奏楽部をご存知でしょうか? とても質の高い演奏と運動量の多いダンスを交えたマーチングが魅力的で、あまりにも人間離れしたパフォーマンスをすることから「オレンジの悪魔」と>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

4.1

小津安二郎監督の「秋刀魚の味」で、サンマが一尾も出てこなかったように、この作品の中には東京の名所が一つも出てきません。

戦後から8年。復興にひた走る東京に、尾道から老夫婦が子供らに会いに行くお話。長
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八月の狂詩曲(ラプソディー)(1991年製作の映画)

4.0

1945年8月9日
75年前の今日、長崎に原爆が落とされました。

今の子供たちにとっては、この出来事もどこか遠い国で起きた話のような、現実から少し掛け離れた感覚で捉えられているのかもしれません。
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