takaさんの映画レビュー・感想・評価

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死刑台のメロディ 4K リマスター・英語版(1971年製作の映画)

4.0

高校生だった50年前に見た映画をこうして再び見ることができて感動ひとしおでした。こんな理不尽な事件があったこと、それに対して市民の側からの救援運動が起こっていたことに高校生ながら感動したことをジョーン>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.9

比較的評判が良かったので鑑賞して見ました。2時間超えの大作でなかなかの見応えでした。前半は広大な自然を背景に杉元とアシリパの人物像と物語の方向性を描き出すことに成功していました。特に、レイダースばりの>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

前評判通り確かに時間軸とエピソードが複雑に交錯した難解な作品でした。しかし、映画はひたすらに主人公のオッペンハイマーが見て、聞いて、感じたことにこだわり彼の目線で原爆開発への鬼気迫る執着と狂気と絶望を>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.9

PMSの若い女性とパニック障害の若い男性が、それぞれの職場で受け入れられずに街の小さな会社に出会う。光石研演じる社長を筆頭に仕事に追われることなく、仕事を含めた生活を大切にしている職場の先輩たち。競争>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.9

遅ればせながらようやく見てきました。特殊撮影で見せる怪獣映画の延長物だと高をくくっていましたが、その迫力と共にドラマとしての完成度もあり、見ごたえがありました。神木隆之介、浜辺美波はもちろん脇を固めた>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

役所広司演じるトイレ清掃作業員の平山の日常が淡々と描かれていく。早朝、竹箒で道路を掃く音で目を覚まし、寝床の布団を手際よく畳み、歯を磨き、ヒゲを整え、顔を洗う…。着替えて家を出る時には優しく空を見上げ>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

3.9

水フェチではなく、水に性的な衝動を感じる男女が差別と偏見の現代の日本に生きる難しさを淡々と描写していくことで多数派である観客の常識を深く問うていく。新垣結衣演ずる夏月のラストのひとことは、この息苦しい>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.1

とにかく素晴らしい映画でした。ディカプリオがデ・ニーロ扮する叔父の策略にはまっていく愚かで、しかし妻を愛し続ける青年の葛藤を熱演。もちろん一見好々爺の腹黒い叔父を演ずるデ・ニーロの怪演ぶりも見事。その>>続きを読む

あしたの少女(2022年製作の映画)

3.8

実話をもとにした映画で、前半は主人公の高校生ソヒと友人たちの人間模様が描かれる一方、高校の評価を優先して、労働実態も知らない職場へ実習に行かせる高校の教師、理不尽な苦情処理を強いる実習先の労働現場、そ>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

4.2

想像以上に質の高いエンタメ作品となっていた。もっとメッセージ性が高い問題作だと思っていただけに、その問題性をしっかり良質な映画作品に昇華させていた森達也監督に脱帽しました。
関東大震災当日までの行商人
>>続きを読む

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

3.9

日本映画界最年長の山田洋次監督が第一線の巨匠であることが証明される佳作。貧富の差が広がる今日、自分を捨てて大企業の論理に生きようとするもののそれに従いきれないエリートの悲喜こもごもを大泉洋が熱演。一方>>続きを読む

せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.5

まずは人間の糞尿を全面にスクリーンに映し出しながら、おきくと二人の汚穢屋の青春群像を映画化しようとしたプロデューサーと監督たちに頭が下がりました。作品全体は美しいモノクロ映像で、終わりゆく江戸時代の物>>続きを読む

君たちはまだ長いトンネルの中(2022年製作の映画)

3.7

日本では珍しいほどの政治経済的なテーマで押しきった映画でした。アベノミクス神話に染まっている教師や大人たちに対して女子高生の主人公がMMT理論で反論していく様は加藤小夏の軽快なセリフ回しもあって娯楽作>>続きを読む

雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)

3.8

冒頭の数分だけで主人公の置かれた家庭環境や友だちとの人間関係などが描き出される。主人公を中学生ではなく小学6年生としたところは、深刻になり過ぎず淡い子ども時代をユーモラスなオブラートに包みこんだ良質な>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.0

これは黒澤の「生きる」のリメイクではあるものの、黒澤作品を見ていない若い人が見ても一つの良質なイギリス映画に仕上がっている。ひとえに脚本脚色のカズオ-イシグロ氏の力だろう。主人公ビル-ナイの存在感ある>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

3.8

元風俗嬢という設定にしたことで誰にも媚びらず、しかし人の思いを素直に聴き取ろうとするちひろの人物像に深みが生まれている。屈託のない笑みと誰をも受け入れる人柄は、彼女が素直に愛されなかった育ちが影響して>>続きを読む

14歳の栞(2021年製作の映画)

4.0

人生で一番多感な中学二年生という世代に徹底的にこだわり、丁寧に描き出した良質なドキュメンタリー映画でした。しかも一つのクラス35人すべてに焦点をあてている製作方針に頭がさがる思いです。何よりも子どもた>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.8

サイレントが全盛だった頃、スターがスターとして君臨し、監督もプロデューサーも音楽、照明、撮影、小道具、エキストラ…などなどみんなが手づくりでアナログで銀幕に夢を投影しようとしていた。最初におもちゃ箱を>>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.0

重いテーマと豪華俳優陣を上手にさばき素晴らしい作品に仕上げた瀬々敬久監督はさすがです。特に二宮和也の演技は群を抜いていました。
私の父もシベリア抑留経験者でしたが、生涯その経験は一言も話しませんでした
>>続きを読む

線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.8

水墨画という静の世界をこれだけ真正面から描きながら決して飽きさせない監督の技量には感心する。しかも横浜流星と清原果耶を共演させながらラブロマンスの要素を剃り落とし、まさに水墨画の一線、一線を観客の私た>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.0

各紙の映画評で大評判だった本作をようやく見ました。とにかくオープニングからラストまで息つく暇が無い。アクションに継ぐアクション。しかも荒唐無稽にして画面は美しい。ストーリー設定は単純だが細部にも手を抜>>続きを読む

雪道(2015年製作の映画)

4.0

従軍慰安婦として連行された少女が当時の回想と年老いた現代とを行き来しながらストーリーが展開していく。テーマ性を声高に主張する作品かと覚悟して見たが、何よりも映画として完成度が高く、特に当時のエピソード>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

3.7

ひとえにミー坊を演じるのんの演技力と存在感で成立している映画である。思いのほか幼少時の魚にまつわるエピソードも多く、子役も上手い。そして、のんが演じる高校時代からは一層軽快な運びとなる。欲を言えばもっ>>続きを読む

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

4.0

完成度が高い。脚本、監督はもちろんだが二人の子役が良い。作品を品よくもり立てたパンフルートの音響効果も素晴らしい。ブーメラン島の遠景、浜辺で無邪気に遊ぶ二人、そして少しずつ大人へ成長していく二人をあた>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.0

一人ひとりが生まれて来た奇跡を「生まれて来てありがとう亅とみんなで認めあえる喜びが今の社会に無くなっていくことへの問題提起がある。一人ひとりの命と存在を社会の宝として慈しむ前にその責任を家族に押しつけ>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

3.7

後期高齢者の75歳から自分で死を選べる法律が国会を通過した近未来の日本。冒頭、青年が年寄を猟銃で撃ち、自らもその銃で自殺するシーンは、静かで美しい映像と音響で描かれるだけにその後に展開するドラマの重さ>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

3.8

幼児誘拐事件の加害者男性の文と被害者女性の更紗が事件の15年後に文の小さな喫茶店で再会する。それぞれにつき合っている恋人(?)がいるもののどこか心が離れているなか、次第に二人は近づいていく。私たちは二>>続きを読む

私のはなし 部落のはなし(2022年製作の映画)

3.8

被差別部落にルーツを持つさまざまな世代と置かれた立場を越えて率直な当事者の声を紡ぎながら見事なドキュメンタリー作品となっている。現実と将来への不安、期待が語られていくだけでなく、地名総覧を出し、SNS>>続きを読む

メイド・イン・バングラデシュ(2019年製作の映画)

3.3

ファストファッションの縫製工場に務める女性たちの過酷な実態を浮き彫りにしつつ、彼女たちが生活とプライドをかけて組合をつくり立ち上がろうとする。そもそも世界的な貧困国であるバングラデシュの女性たちの置か>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

3.8

40歳手前の女性友だち4人が仲良さげに集まる。一緒に何とも不思議なワークショップに参加したり、カフェに行ったり、旅行をしたりするうちに4人それぞれに夫婦間のすれ違いや職場でのイライラが明らかになってい>>続きを読む

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)

3.5

スターリン後の1962年におこったソ連時代最大の労働者蜂起とその弾圧を描いた作品です。この映画を見るまでまったく知らなかった事件。世界唯一の社会主義国家であることを信じていた主人公の女性は、共産党員で>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.7

ケネス・ブラナーが製作・監督・脚本をしただけあって故郷への思いが溢れる作品でした。北アイルランドの複雑な歴史を背景にした宗教対立に翻弄される家族とまるで日本の下町的雰囲気のベルファストの人々が9歳の少>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.0

全3作を貫くのは、まさに人生の中で起きる偶然とそこから始まるもう一つの人生の展開への想像だ。全編淡々と日常を描いていながらちょっとした偶然の出来事によって日常の奥にしまい込んでいた主人公たちの意識がざ>>続きを読む

Ribbon(2021年製作の映画)

3.8

作品を創り続けてきた美大生にとって最後の表現を分かち合う卒業制作の発表の場がなくなった、という事象は実際日本のあちこちでおきたことです。政府は美術、映像、演劇、音楽、あるいは学問も不要不急のものではな>>続きを読む

前科者(2022年製作の映画)

3.5

普段はほとんど認識されない保護司の役割と人間の弱さを真正面から真摯に描きだそうとしている良質な作品です。しかし、登場人物の描き方には深さが感じられず感動が迫って来なかった。有村架純の表情も一面的で、同>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.1

主人公の女子高生ルビーを除く父母兄は、聾唖者という4人家族がそれぞれの立場での葛藤を持ちながら支え合いながら健気に生きている。ルビーは家族の唯一の健聴者で父兄と一緒に深夜からの漁には欠かせない存在。画>>続きを読む

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