スクリーン2番

カッコーの巣の上でのスクリーン2番のレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.6
ジャック・ニコルソン映画で好きなのは?と聞かれれば「シャイニング」や「チャイナタウン」など数々の名作あれど、差し置いて本作を挙げる。何故なら今作が1番‪”‬人間‪”‬を描けているから。
舞台は精神病院で、強制労働から逃れるために精神異常者のフリをして刑務所から移送されてきた男が主人公。
彼は良くも悪くもフラットで、同じ院内で暮らす患者達にも差別なく接している。
ゲーム実況者の加藤純一が身体精神問わず面白ければ何でもヨシという理由で様々な障害者を招待してマルチゲームを配信していたのを数年前たまたま見て、この映画のマクマーフィーのスタンスに通ずるものを感じて思い出した。
規律が重要な収容施設にポツンと現れた自由そのものなマクマーフィー。院内は強烈な化学反応と共に思いもよらぬ自体へと突き進んでいく。
ラストの展開は「えっ」となること間違いなし。アメリカという国の、少数派を排斥してきた在り方に一石を投じるような映画になっていたかなと思います。