アーロン・ソーキンの監督・脚本最新作。
「ワンダヴィジョン」でも元ネタになっていた大人気シットコムである「アイラブルーシー」は存続危機。最大の山場の回の収録は金曜日。そこに至るまでのバックステージを月曜日から描いていく。
ソーキンらしい台詞の応酬、会話劇でのバトル、ウィット、社会的なテーマやキャラクターの抱える葛藤や問題を細かく重ねて、最後に冒頭に出した小道具やモチーフでまとめあげる手法は間違いなく楽しめる。
カリスマ的な主人公の清濁合わせもつ様とその信念、その人物との関わりを群像劇として描くのもソーキンらしい作品。
ただ「アイラブルーシー」やルシルやデジのこと、時代背景を何となくでも知っておかないと(アメリカ人なら分かるんだろう)あまりにもレイヤーが複雑すぎる。
それでもある一定の感動を生むのはさすがソーキンなのだが、過去監督作と比べてももう一声。面白いシーンもあるが基本は舞台のような会話劇を楽しむ作品だろう