後編では隠されていた謎が解き明かされるのだが、専門用語が多く、一度観ただけでは理解に苦しむ。
観客のことを考えていない自己満足な脚本に思えた。
特に最後の方、謎空間で二人が裸で色々話してるシーンがあるが、アニメーション作品なのにセリフで全部説明させるのは流石にない。
小説でやれ、と思わせないで欲しい。
この作品に出てくるキャラクターについてだが、どんなキャラクターかは伝わってくるのだが、ただ役割が与えられてそれを演じているような作り物っぽさを感じる。
キャラクターが駒になっている状態。
例えば、フォロワー数を気にするYouTuberみたいな女の子がいるが、ただ『有名になりたい』という動機だけでは上っ面の設定に過ぎない。
この動機に、例えば『有名になって生き別れになった両親に自分の元気な姿を見せたい』みたいな行動原理があればそのキャラクターがより良く理解できるのだが、全キャラクターその辺りが雑に感じた。
作品全体に対しても、宇宙が舞台だと壮大なストーリーを期待してしまうが、実際はかなりスケールが小さく感じた。
この作品での宇宙は、逃げられない密室空間を作り出すための舞台装置のような使い方で、シチュエーションさえ揃っていれば地球でも成立しそうな話である。
締め方も好きではない終わり方だった。
とにかくこの後編を観て、率直に残念に思えてしまった。
題材やデザイン、アニメーションはとても良かったので、監督の次回作は実力のある脚本家を雇って欲しい。
