クドゥー

地球外少年少女 後編「はじまりの物語」のクドゥーのレビュー・感想・評価

4.0
『何次元だったとしても、不確かな未来だけを掴め』

未来の宇宙ステーションに取り残された少年少女たちが絶体絶命の危機に挑む磯光雄監督作品は、情緒としては「電脳コイル」の域に達せなかったことに企画としての限界を感じるも、15年先を語る世界観の着地点がこの場所なら申し分ないSFアニメ映画の傑作。

宇宙からの脱出スペクタクルとして電脳メガネみ溢れるガジェット戦も相まって最高に痺れるし、第二次性徴とマトリックスエボリューションの組み合わせはやばいとしか言えないが、ユーチューバーが量的に世界を救った世界に自分の居場所はあるのかの葛藤がすごい。

人類を守るために人間を犠牲にすべきという問いに対し第三の解答を示したのは王道中の王道で、子どもたちの未来を理由に消費される大人の人生は当事者ゆえ切なさを感じるのだが、数十時間後NHKで地ならしが始まるのかと思うと視聴の流れに滾るものがある。



鑑賞記録
2022.02.11
チネチッタ川崎11
→ネトフリを我慢し宣言どおり考えられる中でも最高の環境で鑑賞。LZと比べても映像の深さと視野の広さが素晴らしく、音響も一層ナチュラルで本当に非の打ち所がない。実写版ハガレンをサウンドだけなら邦画実写でトップレベルに押し上げただけはある。
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