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ラーゲリより愛を込めてのjunのレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
4.1
日々忘れがちな家族の大切さに気付かされる作品。

育ててくれた親へ孝行もできない。
愛する人をそばで守ることも、
子供の成長を見届けることも叶わない。

戦争が奪ったものの大きさを思い知る。

第二次世界大戦後、ソ連によって日本人およそ60万人がシベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留され、−40℃の極寒に耐え飢えに苦しみながら長きにわたり重労働をさせられていた。
二宮さん演じる山本幡男さんもその一人で彼は絶望の淵にいる仲間たちを必死に励まし、文字が書けない者には文字を教え日本へ帰国できる日が必ず来ると強く訴え続けた。

厳しい環境下でも小さな幸せを見つけ徐々に笑顔が増える仲間たちを見ていると山本さんが周りに与えるあたたかいパワーのようなものを感じとれました。


《以下ネタバレあり》








そんな大切な仲間に『遺書を書きなさい』と言わなければならないとはどんな気持ちだったんだろう。
しかしそれさえも奪われる。人の心がないのかと思った。
山本さんの死後、記憶の遺書をそれぞれが順番に家族の元へ届けるシーンは胸が熱くなった。

地獄を共にした仲間の絆に泣かされる一作です。


Oh my darling, oh my darling, 
Oh my darling, Clementine!
(ああ いとしいクレメンタイ)
You are lost and gone forever, 
(もう永遠に会えないんだね)
Dreadful sorry Clementine. 
(本当に悲しいよ クレメンタイン)

しばらく頭から離れないだろうなー。
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