ヘイヘイ

ラーゲリより愛を込めてのヘイヘイのレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
2.9
予告編の時点でとっても気になり早めに鑑賞!Mrs.GREEN APPLEのSoranjiも聴き込んでいたので勝手に期待のハードル高めに..果たして…


まず、”事実に基づいた作品である”ということで、第二次世界大戦後もロシアに抑留されていた日本人がいた。

ということは、初めて知りました。戦後の混乱や国同士の関係性で戦争が終わっても日本に帰れない、しかも一体いつまでなのかもわからないまま劣悪な環境で労働させられる。
(ほんと食事がとっても不味そう)

中盤までは、そんな地獄の中でも、尊厳を失うことなく希望を捨てず、耐え続ける主人公山本の姿には胸が詰まる思いでした。よかったです。『ショーシャンクの空に』ぽかったですね。

そして、松坂桃李さん、桐谷健太さんよきです。特に安田顕さんの登場シーンは、心が痛い。同じコミュニティの中で、階級を作って敵を作らせて管理する。間違っていると感じつつも抑圧されるしかない。中盤までの地獄感と安田顕さんのシーンよかったです。

ミセスの曲も初見で聴いた時は、この今っぽい曲が第二次大戦の作品と合うのか?っと心配しましたが、予告と合わさった時点から込み上げてくるものがありました🥺

Soranjiってロシア語なのかなぁと思ってたら、映画観たらそういう意味なのか💡と。

と、ここまでは良かったとこ。
以下は予告編以上の内容含むので観た方どうぞ↓↓






















一応史実ベースの形をとってますが、ほんとノイズになる部分が多く、気になって仕方なかったです…

開幕の空襲シーンの手抜き?
どう見てもセットぽい..CGが平成…
あそこで俺は大丈夫だから先に行けー!ってなっても普通夫を助けにいくかと…
あの場面で助けに行けない説得力があればわかりますが。

亡くなったタイミングで登場人物たちが空を見上げる演出。なんで?…

帰国日にこれまで姿を見せなかったクロ(犬)が氷河の地を渡って船のとこまで走ってきて、引き上げて連れて行く…

これ、もし本当のことであったら、すごいドラマチックだとは思いますが、そこの台詞が「クロは山本さんなんだ!」って言いながら、船を降りて助けようとする、みたいなほんと日本映画にありがちなこういうこと絶対実際には言ってないやろ…な演出があって冷めました。
<ここでちょっと追記>
ノンフィクションの原作にはあるシーンとのご指摘頂きました。でも、クロの生まれ変わり〜みたいなことは言ってないようなので、やっぱりこういう説明台詞調な演出は、個人的に気に食わない…です。。そこまで観客はバカじゃないよ…


最後の手紙を覚えてくるシーンも、せっかくいいとこなのに同じ場面をほぼ4回やり直す以外の上手い見せ方なかったんでしょうか…

海岸のプロポーズシーンも、なんか取ってつけた感が自分にはありすぎて…
そういう作品なのでしょうがないですが、台詞調なのも気になりました。全体的に言えることですが。

 
前述したように題材自体はこれまであまり描かれてこなかったものでしたし、『もう一度会いたい人がいる』という強いメッセージ性もあって、根本はとってもいいと思うです。

でも、いいシーンもあるのに、気になるとこもたくさんあって涙がひっこんでしまいました。😢

正直、もっとなんとかなったんじゃないかと思ったりしてモヤモヤしました。
これもう逆に全部脚色しません、あったことをそのまんま映画にします!ていう触れ込みの戦争映画あったら、変な探り入れないで見れてよいかもしれないなぁと。

ちな、隣の女性たちは途中から大号泣してましたので、やはり価値観•感じ方の問題なのかと。

あと、二ノ宮さん素晴らしいのですが、水木しげるのマンガに出てきそうな日本兵だなぁと思いました。
(どんな締め方よ..)
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