原作漫画を愛読する身としては(10巻分を2時間に纏めるの無理だろ…)と不安で仕方なかったのですが、いざ観てみたら最高の作品でした!
「音楽」の作品をメディア展開する上で小説や漫画は本当に難しく、作者の描写が拙ければ作品を読んでも音が伝わって来ず、映像化した際に解像度が低ければ「音のイメージが違う…」となってしまうのですが、この作品は漫画も映画も本当に素晴らしかったです。
自分は原作漫画でも雪祈が大好きで、達観して憎まれ口を叩く子生意気な天才肌…というイメージに反し、ジャズやピアノにはどこまでも誠実で、本当は優しくて繊細な心の持ち主であることが、とても丁寧に描写されていて嬉しかったです。
主人公・大の仙台編を全カットするという構成もかなり思い切ったものですが、逆にこの構成によって断片的な回想シーンが「プレイヤーのこれまでの人生を表現する」というジャズのソロの魅力を際立たせたんだと思いました。
ただ、演奏シーンのCGはPS2レベルに感じられてしまい、観ていて若干興醒めしました…。