このレビューはネタバレを含みます
人間はゆるされないってところがテーマなのかなってなった。オッペンハイマーの原爆の罪もストローズも誰もゆるされていない。最後のセリフの通りなんだけど。りんごに毒を入れたことを許されたくて勉強を頑張って、勉強を頑張ってることをゆるされたくて、共産主義と付き合って、そこをゆるされたくて原爆をつくったりかぞくをもったりして、でも家族がうまくいかないこともゆるされたいし、原爆をつくったことをゆるされたいから水爆に反対して、、というようにゆるしの構造が延々と続いていくけど、最終的には公聴会で許されなかった。それも最後にはゆるされたけどそのゆるしはゆるす人のためのものっていう無限地獄。自分で自分のことをゆるすとかそんな単純な話でオッペンハイマーの気持ちはなんとかなったんだろうか。絶対にそんなことはないという確信がある。なんでかはわからないけど人間ってそう。最初に嫌な教授のことをゆるしていたら原爆をつくることはなかったのかも。でもそんなことはできないからなんらかの罪とともにみんなで生きていきましょう。