たかまさ

オッペンハイマーのたかまさのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0
日本人としてはどうしても複雑な感情を抱いてしまう作品ですが、これまでのハリウッド映画の酷い核描写に比べたら、かなり誠意のある作品だったのは間違いないと思います。

思い返せば「トゥルーライズ」のキノコ雲バックのキスシーンや「インディ・ジョーンズ/クリスタルスカルの王国」の冷蔵庫に入って核爆発から助かるシーンなど、その例は枚挙に暇がありません。そして当のノーランも「ダークナイト ライジング」で、ゴッサムシティの近くで核を爆発させてましたもんね…。

史実をある程度理解していないと、作品に着いていくのがなかなか難しいとは思うのですが、逆に言えば、せいぜいWikipediaぐらいの知識があれば楽しむことはできます。それに、時系列をごっちゃにしているので、一見複雑に見えるだけで、実際はテーマごとに映画を整理してくれているので、かなり親切な作りのように思えました。

また非常にテンポの良い構成は、3時間の長尺があっという間で、画面に釘付けにさせてくれました。

それだけに「どうやって着地させるのかな?」と興味津々で見ていたのにも関わらず、なんだか平凡なところに落ち着いてしまって、ちょっと拍子抜けだったのも事実。
ハリウッドの価値観がかなり前進したのも伺えましたが、まだまだ課題も多く残した作品だったとは思います。
たかまさ

たかまさ