歩く肉

オッペンハイマーの歩く肉のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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なんでこの映画をこんなにも多くのひとが絶賛しているのか一ミリも理解できなくてわたしは今後もう映画が好きですって公言しないようにしようと固く誓った。自分の中での映画の定義とはあまりにもかけ離れていたから。
相変わらず九割音楽が流れていて、音楽の挿入の仕方は、観客をもはや馬鹿にしてる?って感じ。これくらい四六時中重低音を鳴らし続けなければ、お前ら感情の一つ自分たちで上手にかき立てられないだろ?って言われている気分。サントラは確かに素晴らしかった。三時間サントラを聴きながら原作の本を読んだ方が有意義な時間になれそうだ。

正直何も難しいことはない、Wikipedia見たらだいたい分かるような内容を時系列シャッフルして複雑化して語る意味もわからんし、ノーランって本当にナラティブスタイルに取り憑かれてる人なんだなって確心した。でも、三時間もかけてるのに、オッペンハイマーの葛藤がWikipediaほども見えてこないってどうなの?別にアメリカの原爆投下に対する認識をこの映画を通して観たかったわけではないけど、広島の惨状をみんなでスライドで見る場面で実際の写真を一切写さずに周りの人の反応だけで表現するのにはさすがに憤りを感じる。日本への言及は口頭のみで、視覚的なものを一切排除しようとする頑なな姿勢はようく伝わった。結局目を背いてるのとなんも変わらなくて、なのにあえてあの場面を入れるのはなんとも偽善的で反吐が出る。日本はこんな代物をみて、ようやくアメリカにも意識の変化の兆しが見えてきたって喜ぶほど卑屈にならなきゃいけないのか?
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