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オッペンハイマーのくろぴーのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.9
ノーラン監督はこの映画を通して何かメッセージを伝えたいわけではないと話しているので、必要以上に意味を求めるのは無粋。
ただただ映像表現と映画としてよかった。相変わらず理解に戸惑ったが、、(特に後半の裁判パート)
ただ裁判パートは限られた文字数の字幕の問題だと思う。あの会話の応酬を数文字にまとめるのは大変だ。
量子や理論物理学についての用語が飛び交うがあまり理解しなくても問題ない。ただ、「原爆を爆発させると大気と連鎖反応が起きて地球上が燃え盛り破滅する可能性がある」というのは理解しておいた方が良い。
個人的には予習が必須。なんならネタバレを見てしまった方が理解しやすいまである。特にストローズの承認会パートがなぜここにいて何をしているのか初見わかりにくい。
原爆投下についてのあれこれはなんとも言えない気持ちになったが別に不快ではなかった。脚色があれど、こういう会話がされていることは有意義ではないか。
トリニティ実験のシーンはもっと尺長くてもよかったなぁ。まあ撮影用でもどデカい爆弾を爆発させるわけにも行かないしな。でも臨場感はあって良かった。
映画を見て一番学んだのは、原爆製造は日本との決着をつけるためより、まずナチスドイツやソ連の台頭を意識して作られたものなのだということ。政府側はその先のことは二の次であったこと。
とりあえずオッペンハイマー万歳&日本かわいそうという短絡的な映画ではないことに賞賛を贈りたい。
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