さうす

オッペンハイマーのさうすのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.0

様々な映像を観て予習を重ねての鑑賞
登場人物、事柄の流れや詳細を
事前に調べることをオススメする。

なぜかチケットを持つ手が小刻みに震えて
ずっと心拍数が上がっている感覚だった。
こんなのは初めてじゃないかと思う。
色んな気持ちが混ざっていた。
始まって1時間くらいの中で
何回か大きな音や振動が伝わってきたときに
最後まで耐えられるか不安になり
逃げ出したいという感覚に襲われた。
映画館で観るからこそ伝わってくる恐怖があった。

でも、最後の数十分は何故か冷めていた。
燃え尽き症候群に近い感覚だった。
日本人としてとか一切無くなっていて
ただただオッペンハイマーという人物を
その人生を感じようと集中していたのかもしれない。
この映画はこういう風に観たいと考えてた状況に
自然と持っていけていた。

トリニティ実験の爆発のシーンは素晴らしくて
あの演出には すげぇ…と声を出してしまった。
映像の凄さだけではなく伝える方法が良かった。

オッペンハイマーが
罪悪感を持ち続ける性格で良かったと思った。
もしこの事実を得て
もっともっとと追求する人だったら…
そう思うとゾッとする。
日本 または地球はどうなっていただろうか。
でも、今生きている誰かが突き進めば
もっと悲惨なことが起きる可能性は残っている。
恐ろしい武器を持っている国があるのだから。

起こった事実は変えられない
この先のことは分からない
その上で何を思えばいいのか
平和とは一体何なのか
千差万別であるからこそ
本当の平和は訪れない気がする。
その中でマシな方法を
選び続けるしかないのかもしれない。

73本目 映画館