Jellyfish

なぎさのJellyfishのレビュー・感想・評価

なぎさ(2021年製作の映画)
5.0
7月9日 アップリンク吉祥寺で再観賞。21時の回でしかやってないけど、やってくれるだけでもありがたい。

やっぱりこれは「火垂る墓」だった。バラバラに提示される断片を時系列に並べ替えるとこうなるはず (ネタバレ)。相当闇深いし一回見ただけじゃ理解できんよね。改めて見事な上半期ベストと思う。

・幼い兄妹
・押し入れの中の兄妹と天井の星
・押し入れから覗き見するなぎさ
・母の死と読経する父、育児放棄
・小学生のなぎさと風鈴を作る兄
・中学生のなぎさ
・風呂場でオナニーする兄
・大人とガレージに消えるなぎさ
・なぎさにキスする兄
・夜の田舎町の俯瞰に妖しい声
・東京の大学に進学する兄
・大学で彼女を作る兄
・なぎさからの電話を無視する兄
・彼女とセックスする兄
・それを覗き見する幼いなぎさ
・兄を追ってバスで上京するなぎさ
・バスのトンネル事故
・彼女を無視するようになる兄
・バイト中にフリーズする兄
・トンネルで先輩のクルマから落ちる兄
・そこから始まる回想と彷徨

劇中でなぎさが歌うパンケーキの歌はこれ。アドベンチャータイムだったとは。

「ジェイクのベーコンパンケーキ」
🎶ベーコンのパンケーキつくる
パンケーキにベーコンのせる
ベーコンのパンケーキになる
ベーコンパンケ〜〜キ🎶
https://x.com/adventuretimejp/status/839690968236355584

(初回観賞時)
フラッシュバックの多用による時制の乱れ、何が映っているのかわからないくらい暗い画面、人物がほとんど動かない長回しと音による状況説明。
監督は断片を提示しつつ解釈を見る者に委ねているように思う。ダメな人には全くダメな映画。

自分は途中から、あ〜これは「本当は怖い『火垂るの墓』」なんだなと思って観ていたが、後に全くの誤読だったことが判明、でもそういうのも楽しいし、もう一回観たくなる。パンフ ¥800 には監督によるシーンの説明あり。

終映後に、古川原壮志 監督、主演の 青木柚 (「うみべの女の子」など)、津田寛治 (本作には出演していないが、監督のファンとして登壇) の3人によるトークセッションあり。この監督面白いわ。

変な映画が好きな人には超おすすめ。暗部の階調と音響が大事なので、ぜひ良い映画館で見てほしい。
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