ムリナのsashaiceのレビュー・感想・評価

自尊心が強く厳格な父親からの解放を穴の中に閉じ込められたムリナ(ウツボ)に例えた秀逸な作品。正直今年のTIFFでトップ5に入るほど個人的には刺さる作品でした🙏 完全に主人公の名前だと思ってましたが、うつぼちゃんがムリナでした。。ラストのハラハラ感とユリアへの激しい同情と、思わせぶりなハビへの怒りがやばかった！お父さんは論外！燃やしてやりたいと思うのも理解できるくらい😨 見てる側も登場人物に激しい怒りとか同情とかが巻き起こる非常に感情移入しやすい作品でした👏

クロアチアの美しい島、主人公のユリアはまさに海の女神。しかしそこで暮らすユリアとユリアの美人母は解放的に見える環境の中で、すごく窮屈で閉塞感のある気持ちをたぎらせていた。それもこれも"俺が一番の船乗りだ！" と自尊心の塊のようなガミガミ親父がいて、それが結構ハードなレベルでそんな父の鳥籠の中から出たいという願望がめらめらと湧き上がっていた。そしてそれがある億万長者の父の旧友が島に土地の偵察にやってきたことをきっかけに爆発してしまう。映像が終始美しい！ストーリーもすごく良くできていて文句の付け所がなかったです。