この作品は〝聖戦〟とは違うと思う。
その言葉を使うことは、彼女にも聖戦にとっても侮辱的じゃなかろうか。
作中でのキリスト教の扱いからもそうだし、
なにより、後ろ楯なく、信じられるものもなき、一個の民草の全身全霊を睹した闘いの物語なのだから。
超人が活躍するアクション映画が観たいなら、ハリウッドかボリウッドの作品を観たらいい。
元題を直訳してもうまく伝わらなそうという点には同意するけども。
でも彼女は〝市民〟であり、それ以上でもそれ以下でもない。あくまでも必死で戦う〝普通の人〟であることがこの映画ではとても大切なことのはず。私はそう観た。
終わりかたの二面性が重い。
観たものは考えざるを得ないから、巧い作りだと思う。