あーさん

ゴッドファーザーPART IIIのあーさんのネタバレレビュー・内容・結末

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

いよいよ最終章。

Part Ⅱ から16年の時を経た三作目。

どうやら大人の事情で作られたようで、Ⅰ・Ⅱに比べると評判は今一つなのだが、個人的にはドンとなったマイケルがとことん追い詰められていく様から人生の無情さ、厳しさ、そして美しさを見たような気がする。

身も心もボロボロになっていくアル・パチーノの姿を見るのは辛かったが、哀愁漂う今作のテーマ曲も相まって、何とも言えない人生の苦味が伝わってくる。

今回のキーワードは、マフィアとカトリック教、コングロマリット(異業種で編成された企業体)、そしてオペラ。如何にもイタリアらしい。
覚えられないドンの名前、複雑な人間関係、関わってくる組織、会社、聖職者。。どないなってますねん!もうワケワカメ…。
とりあえず、誰が味方で誰が敵か教えてもらえる??ドン、何人死ぬの?死にまくり。。
1回目でそんな心持ちになってしまったので、2回目はメモを取りながら視聴。それでやっと理解が追いついた。。


備忘録として

1979年、舞台はまたニューヨークへ。
ヴィトー・コルレオーネ財団の名の下クリーンな組織への転換を図るマイケルだったが、シシリー復興の為の多額の寄付が認められ、バチカンから勲章を受賞する。その祝賀パーティーの場面から。
ヴィンセント・マンシーニ(兄ソニーの愛人の息子)の登場。その彼とジョーイ・ザザとのトラブル。(耳💦)

マイケルはバチカンの資金運営を担うギルディ大司教に泣きつかれ、多額の損失穴埋めと引き換えに、インモビリアーレに於ける有益な権利を手にする。しかし、それには改めてローマ法王の承認がなければならなかった。。

着々と儲けや名誉を手にしていくマイケルを妬む昔の仲間達による牽制、妨害。幹部会に皆を招集してそれなりの分け前を分配、手打ちにしようとするも、それでは納得しないジョーイ・ザザ。そんな中、幹部会が襲撃され多くのドンが死傷する。マイケルは甥のヴィンセント(アンディ・ガルシア)に助けられ、這這の体で逃げ帰った。その後、糖尿病の恐ろしい発作が!!(こんなに怖いの?重症なの?)度重なるストレスのせいなのか。。救急車で運ばれ、重篤な状態になり、家族が呼び寄せられる。マイケル、大ピンチ!

そこに、ヴィンセントとマイケルの娘メアリー(ソフィア・コッポラ→監督の娘でもある)のロマンス要素が加わる。いとこ同士だからありと言えばありだけど、娘を危険な世界から遠ざけたいマイケルは大反対。
うーん、気持ちはわかるが、マイケルさん、自分もカタギの娘さんをマフィアのドンの妻にしてしまったのでは??やってる事と言ってる事が。。(親、あるあるだけど…)

ここから、怒涛の展開。
父親に似て血の気の多いヴィンセントが、叔母であるコニーと組んでマイケルの入院中(またもお祭のどさくさで→いつか見た光景…)にジョーイ・ザザを始末してしまう。オーマイガッ!(コニーがだんだんイケイケに…)

ギルディ大司教(かなりワル)とインモビリアーレの重役カインジックがまさかのグル!(嘘でしょ…)
そして、裏切り者はまさかのあいつだった!更にヤツの後ろにいるのは⁈

マイケルは策を練り、ヴィンセントを敵に潜入させ、誰が黒幕か探らせる。
マイケルが信頼を置くシチリア島に住む旧知の仲のドン・トマシーノ。彼に相談すると、おおよその背景がわかってきた。
そして、マイケルがケイと島の懐かしい場所を巡り、昔の思い出に浸っている間に悲劇が…。
自分は変わりたい、許してくれ、と言った先から、それを覆すマイケルを見るケイの目は冷めていた(いつか見た光景…)。

図らずもまた報復に及ばざるを得なかったマイケルは自己嫌悪に陥り、心の負担から体の不調にも苛まれる。(恐るべし、糖尿病!)
バチカン銀行の件で相談に行った折、温厚なランベルト枢機卿との出会いが思わずマイケルに懺悔をさせてしまう。兄フレドのこと、たくさんの人を死に追いやったこと、謝罪したのにまた妻を裏切ってしまったこと。。マイケルは"人は殺せる"と豪語していたが、いつしか良心の呵責に耐えられなくなっていた。。

"上には綺麗な世界があると思っていた。だが、上に行くほど汚れていた…"甲斐甲斐しく世話をするコニーに、弱音を吐くマイケル。
ケイは再婚、息子や娘とも別々に暮らす今、心を許せる相手はコニーを含め数人だけになってしまった。。
疲れ果てたマイケルは、ドンの座をヴィンセントに譲ることにする。

マイケルの跡を継がず音楽の道を志す心優しき長男アンソニーの初舞台が、シチリア島で催される。それはファミリーが集う、久しぶりに明るい話題だった。
だが、オペラのドラマチックな歌をバックに忍び寄る刺客の姿。。護衛に余念のないヴィンセント。その対比。いつ何が起こるかもしれない、というピリピリした緊張感。
コニーから彼女のゴッドファーザーへのお菓子の差し入れ。それがもたらす最期。殺られたら殺りかえす!
その間、三か所で三人の暗殺が同時に。…と同時にもう一人!!(こちらは実際のバチカンで起きた在位33日の法王暗殺事件を元にしている)→こんな恐ろしいことがカトリック教会の聖地バチカンで起こるの⁉︎

そして、アンソニーの舞台は大成功、彼は喝采を浴び、笑顔溢れるファミリー。。
しかし、その後誰も想像していなかった大きな大きな悲劇が。。



息を吐く暇もないくらい波瀾万丈な人生だった。親から受け継いだファミリーを必死で守ってきたつもりだった。
だが、マイケルは幸せだったのか?
一つのファミリーを守ることに必死で、もう一つのファミリーを不幸にしてしまったのでは。。

最愛の娘メアリー。
父と娘で踊る幸せな頃のダンスが頭をよぎる。
最初の妻アポロニアとの短くも幸せな日々。

失ってから気づく幸せ。
たった一人、座って思い出に浸るかのような老いたマイケルの姿。そして、さみしい最期…。
やり切った感満載のヴィトーとはあまりにも違い過ぎて。。
たった一人から始まり自然発生的にやって来られたヴィトーに対して、父の築き上げたファミリーを守る為に不本意ながらもマフィアの世界に足を踏み入れたマイケル。時代背景も、人情が通用しなくなり、仕事を選ばないドンが増えた。その差は大きかった。

あの後の家族のことを思うと、やりきれない。

一つ一つの決断が人生を作る。だからあの時、ああしておけば、こうしなければ…。
いや、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の"メッセージ"の中でも語られているように、運命は既に決まっているのだ。
わかっていても進まないといけないのだ。

崩れ落ちるアル・パチーノ、泣き叫ぶダイアン・キートン。そして、
アンディ・ガルシアの哀しい瞳が忘れられない。。

やはり、私にとっては三作全部あっての"ゴッドファーザー"だと思った。



**小さなつぶやき

三作レビュー、さすがに疲れたっす…😅
細部にこだわり過ぎて、結局ストーリーを追うだけになってしまった気もするけど、ちゃんと深くわかりたかったのでこうなりました。。

今作で500本に到達したので、ここで一区切り。カメのような歩みでした🐢
色々環境も変わるので、しばらくは簡単な短い感想になると思います。
やめないけれど、今までよりも関わる時間は減るかもです。でも、気まぐれに皆さんのところには遊びに行くつもりなので、これまで通りよろしくお願いします🙇‍♀️

8年間、何度かお休みを挟みながらよく続いたなぁ〜。子育ての後半、悩みつつ沢山の作品やフォロワーさんに支えられて頑張ってこられました!
ありがとうございます😊
お陰様で、子育てもそろそろ終わりに近づきました。ここからは、自分達の力で切り拓いて行ってもらいたいです!私も自分の道を見つけなければ。。

これからも、Filmarksの片隅で、細々とぼちぼーちやって行こうと思っています♪
あーさん

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