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タイラー・レイク 命の奪還2のKientopp552のレビュー・感想・評価

2.0
 本作の主人公Tyler Rakeが元所属していた組織SASR(「特殊空挺連隊」)は、実は、日本と、間接的ではあるが、関係がある組織である。

 体ががっちりし、胸板の厚い主人公Tyler Rakeは、今は傭兵として秘密裏にどこかの組織に雇われる存在であるが、元はSASR隊員であった。SASRとは、略語であり、正確に記述すると、「Special Air Service Regiment」であり、訳せば、「特殊空挺連隊」のことである。このSAS部隊は、英国にも、また、英国の嘗ての植民地の一つであったオーストラリアにも存在する部隊であり、T.レークは、オーストラリアのSASRの部隊員であった。SASRは、オーストラリア陸軍に所属する特殊部隊で、英国のSASを模範として、1957年に成立した。

 しかし、この部隊の前身は、太平洋戦争中に構成された部隊にある。太平洋戦争が大日本帝国軍のパールハーバー奇襲で始まった1941年の翌年、日本軍がニューギニアに迫ってくると、オーストラリア大陸の北岸が日本軍に脅かされることとなり、それに対抗するために、オーストラリア陸軍は、偵察を主な任務とする独立騎馬部隊を創設する。そして、日本帝国軍とやむを得ず戦闘状態に入る場合には、陸軍の正規軍が英軍と共に欧州、中東に配備されていたことから、独立の「特攻中隊」、或いは、「Z特殊部隊Special Force」が投入されることになっていた。現在のSASRは、これらの、大日本帝国軍を敵として、太平洋戦争中に成立した部隊の伝統を背景として、創設されたのである。
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