こたつむり

聖闘士星矢 The Beginningのこたつむりのレビュー・感想・評価

聖闘士星矢 The Beginning(2023年製作の映画)
1.5
♪ ペガサス幻想 そうさ 夢だけは
  誰も奪えない 心の翼だから

ごめんなさい。
本当にごめんなさい。
擁護モードで鑑賞するつもりだったんですが、全然無理。良いところなんて1ミリたりとも無い感じでした。これはガチの地雷案件です。

この惨状を喩えるならば。
つゆだく牛丼をハンバーガーにして、メープルシロップでアレンジした感じ。牛肉と蜂蜜が高次元で融合しているんです。確かに牛丼は辛口派と甘口派に分かれますけどね。違うんです。そういうのを求めてるんじゃないんです。

もう少し具体的に書くとすると。
銃撃戦とか、爆弾で爆発とか、ヘリや車のアクションとか、謎の機械で改造するとか。そんなの原作に無いし、根本的に作品を勘違いしているとしか思えません。聖闘士の修行も功夫っぽいし。

特に登場人物のセレクトは謎が深まるばかり。
原作では主人公の星矢を差し置いて、紫龍や氷河や瞬の人気が凄かったんですが…そんな彼らが出てくる様子はなく。何故か辰巳さんをフィーチャー。銃撃戦で大活躍しちゃうくらいに格好良いのです。

あと、謎の立ち位置がフェニックス。
誰も名前で呼ばないから、もしかしたら一輝ではないのかもしれませんが、ポジション的には邪武なんですよね。女性に尻尾を振る感じがソックリです。向こうの人は見分けがつかないのかな。

それでいて聖衣の造形は頑張ってるんですよ。
話によると原作者に改変のお伺いを立てたとか。着目すべきところは、そこじゃあないと思うんですけどね。ペガサスの形をした聖衣が変身するのが面白かったのに。日本人が携わっているのにこのクオリティ。「責任者出てこい」と言いたくなるレベルでした。

まあ、そんなわけで。
世間的に注目されないのは地雷を見分けることが出来たから…と前向きに捉えたい作品(観客が入らなくてニュースになりましたけど)。サブタイトルに『The Beginning』とありますけど、これは始まっちゃいけないやつだと思います。

フツーに銀河戦争編から始める…という選択肢はなかったのかなあ。
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