実話だが、なかなかの重いテーマ。
若者たちが作った高齢者専門のコールガール「茶飲友達(ティー・フレンド)」。
高齢者売春クラブが警視庁に摘発された実話。クラブの会員数男性1000名、女性350名ってすごい。
新聞の三行広告に「茶飲友達、募集。」に集まってくる高齢者男性。派遣されるのも高齢女性。必要とされるから時代を先取りしている、誰でも逃げ込める場所を、と理想を掲げるマナ。集まってくる男性も女性も、孤独や様々な背景を抱え人とのつながりを求めていた。
超高齢化社会の日本がかかえる老人の孤独死、介護問題、おひとりさま問題などの不安が反映された事件である。
マナは孤独な人々と高齢者売春を繋がりに擬似家族を作っていく。
しかし、ある事件がきっかけとなり、脆くもそれは崩壊する。
マナ「正しいことが幸せじゃない」
取調官「自分の寂しさを他人の孤独で埋めるじゃないよ」
家族って何？と考えさせられる。
どうにもならない背景を抱えてきた若者たちがいるのもわかるが、世の中のルールを大きく逸脱した行動は脆い。見せかけの家族に過ぎなかった。
シングルマザーになろうとしている仲間のひとりが、最後に金庫からお金を持ち出してかけていく姿に現実のひずみが見える。
興味深いテーマの作品だった。
