いずぼぺ

スヘルデの戦いのいずぼぺのレビュー・感想・評価

スヘルデの戦い(2020年製作の映画)
3.5
第二次世界大戦中、ダイナモ作戦でどうにかヨーロッパ内陸への取っ掛かりを得た連合軍だったが、内陸へと侵攻するにしたがって北部方面からの海路による兵站を確保することが必要となった。しかし、オランダの海岸はナチスが死守しており連合軍は攻めあぐねていた。そんなオランダ沿岸部の小さな町が舞台である。
たぶんオランダの地理や歴史に親しい方なら「ああ、あそこね」とか「あの戦いね」となるのだろうが、ちょっと歴史的背景を整理してみたり、解説がある方がわかりやすいかも。
連合軍にもナチスにもたくさんの死傷者が出ている。そして当たり前だが、一般市民の犠牲者もかなり出ている。これが、ひとつの町だけでなくヨーロッパ各地で繰り返されていたのだ。
本作ではオランダ人だが貧困から逃れるためにナチスに入隊した青年、オランダレジスタンスの若者たち、愛国心に溢れ戦争に意気揚々とやってきた英国人青年(もちろん前線で現実に打ちのめされる)の運命がそっと交錯する脚本になっている。
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