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ちょっと思い出しただけのkazu1961のレビュー・感想・評価

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
4.4
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-276
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋とても良くできた素敵な作品です!!映画の内容は、まさしく主人公の女性が題名通りに「ちょっと思い出した」こと、自分が過去に好きだった人との出会いと分かれを現在から過去に、彼の誕生日を一年づつ遡ってその時の出来事を綴ったものです。松居大悟監督による緻密な脚本がとても素敵で、色んな仕掛けが遡っていくにつれて伏線回収されていくのに、そうか!!って引き摺り込まれてしまいます。上手い!!

🖋そして主人公2人の演技、脇を固める俳優たちもとても素敵です。伊藤沙莉の自然な演技がほんと素晴らしく、池松壮亮とのカップルがほんと自然に描かれています。照明スタッフの照生と、タクシードライバーの葉 、2人の馴れ初めや、初デート、恋愛の最高潮の時、そして別れ。。。本当に素敵な恋愛をリアリティを持って自然に描いているところに好感が持てます。その一つ一つの場面に観ている人も「ちょっと思い出した」ように共感できると思います。

🖋 成田凌や國村隼やその他の名優たちの脇の固め方も素敵でしたね!!特に永瀬正敏の存在、劇中にも登場する『ナイト・オン・ザ・プラネット』に加えジム・ジャームッシュ監督へのオマージュが絶大で、これは映画ファンには堪りません!!

🖋 二度と戻れない愛おしい日々を、“ちょっと思い出しただけ”。。。人生の無常や、恋愛の素晴らしさを描きなら、見事に時空を超えての思い出の素晴らしさを描くことに成功している本作、とても素敵な作品でした!!

😌Story:(参考: 公式サイト)
2021年7月26日、この日34回目の誕生日を迎えた佐伯照生(池松壮亮)は、朝起きていつものようにサボテンに水をあげ、ラジオから流れる音楽に合わせて体を動かす。ステージ照明の仕事をしている彼は、誕生日の今日もダンサーに照明を当てている。一方、タクシー運転手の葉(伊藤沙莉)は、ミュージシャンの男を乗せてコロナ禍の東京の夜の街を走っていた。目的地へ向かう途中でトイレに行きたいという男を降ろし、自身もタクシーを降りると、どこからか聴こえてくる足音に吸い込まれるように歩いて行く葉。すると彼女の視線の先にはステージで踊る照生の姿があった。
時は遡り、2020年7月26日。照生は部屋でリモート会議をし、葉は飛沫シートを付けたタクシーをマスク姿で運転している。照生は誕生日の夜に誰もいない部屋で静かに眠りにつく。また一年遡り、誕生日を迎えた照生は、昼間は散髪屋で伸びた髪を切り、夜はライブハウスでの仕事を終えたあとに行きつけのバーで常連のフミオ(成田凌)とダンス仲間の泉美(河合優実)と飲んでいた。同じ頃、居酒屋で合コンをしていた葉は、煙草を吸いに店の外に出たところで見知らぬ男から声をかけられ、話の流れでLINEを交換することに。葉のアイコンを見た男が「あれ、猫飼ってるんですか?」と尋ねると、葉は「いや…今は飼ってないけど」と返し、続けて「向こうが引き取ったから」と切ない表情でポツリと呟く。彼女がLINEのアイコンにしていた猫は、いまも照生が飼っているモンジャだった…。時は更に1年、また1年と遡り、照生と葉の恋の始まりや、出会いの瞬間が丁寧に描かれていく。不器用な2人の二度と戻らない愛しい日々を“ちょっと思い出しただけ”。

🔸Database🔸
・邦題 :『ちょっと思い出しただけ』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 2022
・日本公開: 2022/02/21
・上映時間 : 115分
・受賞 : ※※※
・監督 : 松居大悟
・脚本 : 松居大悟
・原作 : ※※※
・撮影 : 塩谷大樹
・音楽 :
・出演 : 池松壮亮、伊藤沙莉、大関れいか、屋敷裕政(ニューヨーク)、広瀬斗史輝、成田凌、市川実和子、神野三鈴、鈴木慶一、國村準、永瀬正敏、尾崎世界観

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画をつくったら」「くれなずめ」など意欲的な作品を手がけ続けている松居大悟監督のオリジナル脚本を、池松壮亮と伊藤沙莉の主演で映画化。ロックバンド「クリープハイプ」の尾崎世界観が自身のオールタイムベストに挙げる、ジム・ジャームッシュ監督の代表作のひとつ「ナイト・オン・ザ・プラネット」に着想を得て書き上げた新曲「Night on the Planet」に触発された松居監督が執筆した、初めてのオリジナルのラブストーリー。怪我でダンサーの道を諦めた照生とタクシードライバーの葉を軸に、様々な登場人物たちとの会話を通じて都会の夜に無数に輝く人生の機微を、繊細かつユーモラスに描く。2021年・第34回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、観客賞を受賞。
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