みかぽん

ワース 命の値段のみかぽんのレビュー・感想・評価

ワース 命の値段(2019年製作の映画)
3.7
人の価値を値段で換算するなんて…😨と一旦は憤りを感じたものの、ちょっと待てよ?考えてみれば、会社でも半期一度ある上司と行う評価面談では、○○君を管理職に上げるためにはA評価が2回連続で必要。なので今回君には済まんが泣いて貰う、的な理不尽判定は当たり前にあったりするじゃないですか。実は我々はそう言うやり方に既に慣れているんじゃないのかと。
遡れば小学生の頃だって、オール5に限りなく近い子は大して力を入れてない図工の通信簿であってもハロー効果よろしく、例えば、オール3の同等者よりもベースの加点が高かったようにも思うし。
本作も例えそれがボランティアで受けた基金の立ち上げであっても、次に続く評価を見越した実績作りの計算が働いていたのでは、と邪推してしまう。
最終的に得た大勢の承認も、労使交渉にみる労働者側の「一円でも多くを得たい」と、経営者側の「誠意」の匙加減を秤にかけて読み込んだ末の落とし所のようにも思えたりもして。
なので、両目が電卓みたいだった主人公の心の変遷物語、とはそのまま受け取れず、カタルシスを感じながら終幕、にはなれなかった。
とはいえ、各状況の聴取とそれに見合った個別対応に踏み切ったことで生じる基金側の、主に人的負担は相当だっただろうなぁ、とも思う。
受け取る側の「遺された我々の気持ちを汲んで欲しい」と願う思いだって勿論分かる。きっと自分が当事者なら、とどのつまりはそこなのだと思うから。としても、長く大人の事情の世界に触れすぎていたりだと、どうにも意図する綺麗ごと方向には刺さらなく、そして、しらない間に汚れちまった心🤑、そんな自分自身に自己嫌悪😔😔しながら劇場を去るの巻でありました。、
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