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コンペティションのYSKのレビュー・感想・評価

コンペティション(2021年製作の映画)
3.7
『ル・コルビュジエの家』や『笑う故郷』という笑いと皮肉と悪意のたっぷり詰まったブリテンらしい陰気で嫌味な作品で有名なガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーンコンビが贈る映画を作る映画
いや彼らはアルゼンチンの人々ですが

とある富豪がイメージアップのために企画したのは、読んだこともないベストセラー小説の映画化、話題性だけで選ばれた新進気鋭の女性監督、人気だけで活躍しているスター、無名ながら長年活動している舞台役者が織りなす、映画というビジネスを腐すことだけに特化したブラックコメディといえばなんとなく伝わるでしょうか

ひとつの映画を完成させるために協力しあわなければいけないはずの三人なのに、互いに互いを騙し、怒らせ、挙句もめ事の果てに事件を起こす
物語的には映画の完成がゴールだけど、その中で生きる三人にとってはむしろ悪夢のスタートかもしれないファイナルカット
そしてそれを詳らかにしない監督の意地悪さにもぞっとしました
「show must go on」とはよく言ったものですね
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