平野啓一郎はたまにハマる作品があって、これは原作出てすぐ読んでたもの。
本当のその人を探していく過程に、えっ、これも違うってどういうこと?!と、そのトレース過程に興味を引っ張られながら読了した記憶。映画ではさすがに緻密にはフォローしにくいから、そこのところを全て柄本明の雰囲気と演技で補完してたように思う。今となっては年齢や雰囲気から、ストーリー全体の中で同じような立ち位置の老人を演じることが多いから、またこの手のポジションかーとは思いつつも、やっぱり怪演だなと思う。
長男くんが、3回目の名字変わる可能性があると知って、「じゃあ谷口○○(役名忘れた)って何だったの?」みたいな台詞があって、選択制別姓の必要性をまさに感じた。夫の姓を名乗るからこういうことが起こるわけで、最初からこっちって決めとけばこんなことにならんやんか。
この話のメインである他人との戸籍交換もとどのつまり、名前って当人のアイデンティティ認知の重要要素なんだから、長男くんのケースは苗字だけだとしても、本人の望まない名前変更にで悩む子は減らすべきだなと思った。
映画のラストシーンが結局好きだったのだけど、原作がどうなっていたか忘れてるので、再読したい。あと、在日云々の要素も完全に忘れてるし。