nana

死刑にいたる病のnanaのネタバレレビュー・内容・結末

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

FansVoice様のオンライン試写会にて視聴。
原作読了しています。

榛村大和に対して恐怖を感じているはずなのに魅力的で、
彼の持つ闇に引き摺り込まれそうになる。あの瞳からは逃れられない。
周囲の人間がいう「彼に限って…」現実世界においてもあり得る恐怖に最後までハラハラして。
そして、雅也自身が徐々に榛村大和に染まっていき変化していく描写には目が離せなかった。


面会室のシーンは圧巻で鳥肌が止まらない。
相当力を入れていたんじゃないかな。
アクリル板越しに重なり合う2人のシーンは、雅也が飲まれていく感じが伝わってゾクゾクした。


死刑にいたる病は原作が大好きなこともあり、この役を阿部サダヲが演じると知ってから本当に楽しみで仕方なかったんだけど、間違いなかった。
阿部さんにしか出来ない怪演。

そこに岡田くんの繊細な演技が加わり、凄い作品になった。
私の中で岡田健史でパッと思いつく作品が中学聖日記だったんだけど、超えた。
それくらい死刑にいたる病の岡田くんの演技は凄かった。喑がとにかく似合う。



映画の内容に関して言えば、面白かったんだけど
原作を読んでる人からしたら物足りなさを感じるのでは?と思いました。
この作品未読であれば、映画→小説でいった方がより面白いかも。
ただし、序盤からえぐい描写があるから苦手な人は注意が必要です。




下記ネタバレ

私が感じた物足りなさは、いろいろあるけど大きいとこは2つ。
1.榛村の過去描写。
もっと映像で見たかったのが本音。
アフタートークで白石監督が、過去まで入れると3.4時間の作品になってしまうと仰っていたので、まぁ仕方ないかなとは思うけど……前日譚作品を作ってほしい

2.金山一輝の登場の少なさ。
9人目の犯人に繋がる超重要人物なはずなのに、あまりに登場が少なすぎるのが残念。
そして、雅也と金山の繋がりはもっと欲しかった。


お父さんの無言でビールを飲むシーン
あのシーンの意図を知りたい!

この2人の演技を見るために
もう一度劇場で観たいと思います。
nana

nana