まっつぁんこ

余命10年のまっつぁんこのレビュー・感想・評価

余命10年(2022年製作の映画)
3.8
文芸社より2007年6月15日に刊行された小坂流加による日本の小説『余命10年』の映画化。
小坂流加さんは2017年2月に38歳で逝去した
物語の中心は難病を患った高林茉莉と真部和人のラブストーリー。
命が限られていることを認識している茉莉の、和人への想い、葛藤が共感をよぶ。

描かれている期間は10年と長いが構成要素は闘病と恋愛のみ。
それだけでも大きな事件ではあるが映画の尺をもたせるには弱い。
上映時間2時間越えはつらい。
もう少し短いほうが良かった。

韓流のような涙腺を緩ませるようなあざとい演出はあまりなかった。
それでも、感性の鈍ったオレでもこれは泣くでしょ!
と思わされるシーンがあった。
ぜひとも映画を観てどのシーンだか当ててもらいたいもの(笑)

観客は女性中心で、上映中すすり泣きが絶えなかった。
こんなに泣いたのは初めてと言っている方もいた。
また、一般試写会では珍しく終映後にわりと盛大な拍手もあった。
オレとしては、臭くなりそうなラブストーリーを役者の演技力と力業でよくまとめた普通の出来と思ったので少しびっくり(笑)
この手の映画でありがちな、エンドロールで実物(この映画なら小坂流加)の映像出してイメージぶち壊し!がよく起きるがそれが無かったのは良かった。
若者、とくに女性には訴求力の強い映画だと思う。

なんてことをグダグダと書いたわけだが改めて考えてみると・・・
映画の冒頭は、茉莉が同病?の女性をみおくるシーンだ。
年齢は彼女より10歳くらい年上。
映画の茉莉は20歳くらいで発症して余命10年のとおり10年後には亡くなる。
小坂流加さんが実際に亡くなったのはもっとあとだ。
冒頭の女性は小坂流加さん本人なのか?
なんてことも考えさせられるうまい構成のような気がしてきた。
実際どうだったのか?ネット検索して調べたりするのはやめて勝手に想像だけしておこう(笑)