映像のウェスアンダーソンらしさ、自分にはそこだけだったな。横スクロールのジオラマを効果的に使ったショットとか、色彩感とか、50sの空気感とかあえてのチープさとか技法的な部分ばかりに目がいってしまった。
アメリカ的過ぎたのかもしれないし、アメリカ的何かを知ったつもりなだけで、本当のアメリカを味わう素養が自分には圧倒的に足りない気がした。字幕では細部は理解できないんだと思った。
ワンスアポンアタイムインハリウッド、バビロン、バードマンなどの作品を彷彿とさせたが、こちらは戯曲的というか、映画というより舞台チックであえて説明的な垢抜けなさを感じた。それが狙いなのかもしれない。
舞台やミュージカルよりも、映画というエンターテイメントが好きな自分には正直言って刺さらなかった。ド直球じゃないから駄目っていうより、芸術としての挑戦なんだっていうのが見え過ぎたというか。キューブリック程振り切った自慰行為とも感じなかったし、現代アート好きのための現代アートって感じちゃったな。