このレビューはネタバレを含みます
前回の"フレンチ・ディスパッチ…"から間をあけず、二年ぶりのウェス先生の新作とあって、楽しみにしていた♪
難解、オシャレ、独特、、常に色んな形容がされるけれど、今回もそのオリジナリティは健在!(前作よりは、かなりやさしい…と思うけど)相変わらず、劇中劇がお好き♪この感じ、大好きな絵本バージニア・リー・バートンの"せいめいのれきし"を思い出す。。(更に、劇中劇のドキュメンタリー番組も出現するという複雑さ)
だけど、、
とある記事で私は知ってしまった。
ウェスアンダーソン監督の心の傷、喪失感を。そうだったのか。
そう思うと、今作で配偶者を亡くした男オーギーの悲しみがよりグッと迫ってくる。
"私達はそうよね"
壮絶な子ども時代の話をさり気なく口にするマリリンモンロー似の女優(スカーレット・ヨハンソン)が、オーギー(ジェイソン・シュワルツマン)に向かって言うセリフ。心に傷があってもそれを見せないのよね、と。
ともすれば、感情がないような話し方、時々静止するようなギクシャクした動き。
だけど、心は傷ついている。いや、だからこそ。
あからさまなカミングアウトは苦手、というのはよくわかる。
マーゴット・ロビー、勿論知っていたけれど、彼女の出ている作品をそんなに観ていなかったせいか、どこに出ているかよくわからなかった。
後で知り、短いながらオーギーの妻役として彼女が出ているシーンが一番心に残った。。
ジェフ・ゴールドブラムの大胆な使い方。
グラマラスなスカヨハ。
こんな所に、マット・ディロン♪
天文学者なティルダ様。
どこにいてもわかるエイドリアン・ブロディ。
他にもウィレム・デフォー、スティーブ・カレル、エドワード・ノートン、ジェフリー・ライト他ウェス組でおなじみの役者達。
小さい三姉妹の女の子達も、オシャマでとても可愛かった!確かビル・マーレイの代役トム・ハンクスも悪くない。学校の先生(マヤ・ホーク→イーサン・ホークとユマ・サーマンの娘♪)とカウボーイ・モンタナのシーンも可愛くて好き。結局、歌って踊れば丸くおさまる⁈的な。
なんかね、理屈じゃないんだよね。
いっぱい色々入ってる。
1950年代の音楽がいい。
ユーモラスな拍子が、♪えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、に聞こえてしまったのは、私だけかなぁ?政権やならず者の国への批判もチクリ。
キノコ雲が出ていたのは、あの頃の歴史的事実。ネバダ州での核実験。
ちょっと現実離れしたようなファンタジー感満載のセットが、また時間も手間もかかっていそう。。この細部へのこだわりは毎度のこと。ここは、じっくりメイキング等を後日に観て、より深く味わおう。楽しみ♪
悲しみを抱えたまま、生きていく。
上手くいかない日もあるけど。
心動かされるものを求めて、ウェス先生は今日も映画を撮るんだな。
敢えて全体を見ずに、個人にフォーカス。そのコラージュ的な楽しみ方。
悲しくても口笛を吹いて軽快に♪
ピッピーピッピー、ピッピーピッピー♫
私も目覚めるために、眠らなければ💤
(最後のささやき、聞き逃さないで!)