ナイトアウェイク

THE FIRST SLAM DUNKのナイトアウェイクのレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
1.2
✮手描きから始まる絵と曲のリンクが、超絶めっちゃめちゃカッコイイ。
海外のバスケットってストリートな印象があるからヒップホップと一緒に並ぶ事がよくあるけど、このスラムダンクはロックなのがいい。
しかもベースラインがシンプルなのに、力強い低音と耳に残る旋律で最高過ぎる。
ロック大好き、ありがとう★
原作love。
特に、16巻の陵南vs.海南からの展開は最高過ぎる。


ネタバレ。
基本は、私自身への記録。
間違えて読む人は気を付けて。
読まなくていい、自分宛てだから。
✮マークは、大好きな部分。














リョータって、リョータ?
と、疑問から入った。
さすがは牧にも挑むポイントガード。

✮誰かと比べられるそんな過去があって、かなり荒れてたのは驚いた。得意技は飛び蹴りだからケンカはするだろうけど、荒れる理由がそんなしんどいものだったとは…。
原作の陽気さのカケラも無いキャラクターになってたけど、いい具合いに腑に落ちた。

ただ、沢北の小さい頃と丸かぶりには違和感あった。

✮意外にも、沢北の運命は楓ちゃんではなく、リョータだったのはシビれた。

✮10年以上前から私の中で謎だったリョータのピアスが、ただのファッションじゃなかったのが分かった。この作品でリョータを深堀りした事で、それそのものが活きてくれた。

リョータの過去の話しは、結構魅力的。ただ、どんだけ挟むんだって感じ。これが大事なのは分かるけど、感傷に浸り過ぎ。
リョータのママを悪く言いたくないけど、シリアス場面だし長ったらしいし、回数も多いからフツーにウザくなっていく。
超しつこい。

山王が表紙の雑誌、ゴリちゃんとそういう話しもして盛り上がったりしたのかな。でもなんか、このリョータの声と性格では、そんな事起きなそう…。

古いアニメーションと原作マンガはキャラクターの造りが同じなのに、この作品だと全然違う人になってるし。

✮試合描写は、古いアニメーションよりも遥かにリアルで、単なる二次元よりずっと立体感を掴めるし良かった。
めっちゃめちゃヌルヌル動いてたな。
場面の一瞬を切り取るマンガとは違って、リアルに時間の流れが存在する試合なら、大事なワンカットがただの流れの一部になってしまっても仕方ないかな。
でも、納得はできる。

✮河田が、原作以上に怪獣だった(笑)

スラムダンクは、古いアニメーションを一気見してたから、試合が始まって最初から[声…、誰?]ってなった。古いアニメーションで記憶した声で観れたら、また印象は違ったと思う。
ただ、そこにこだわりは無い。
こだわりは無いけど、桜木が全然ワイルド不良じゃないし、全く合ってない。古いアニメーションのイメージを抜いても、全く違うわ(怒)
先生が桜木のリバウンドが、いかに強力な武器なのかを伝える場面も、なんで桜木はあんなに起伏が無いんだ?
起伏が無い中に、桜木なりの自覚や導き出す回答があるのに、ただ無能の起伏の無さだった。
なんでこんなカッコ付けた鼻声みたいな声しか出ない野郎を、桜木に起用したんだ。
古いアニメーションの桜木はかなりノド声だから、こっちの桜木はナルシスト入ってて本当に超気持ち悪い。
この作品の桜木の言葉、全部が嫌。
背中の件の時なんて、マジでこいつの声気持ち悪い。
こいつ、喋らなければ観易かった。

登場人物の会話のやり取りに、全く熱さを感じないのはなんだ?なんでこんな淡々としてんの?
リアル志向はもちろん賛成だけど、古いアニメーションの時みたいなディフォルメ表現でやっても良かったのに。
声が違うのは諦めるとしても、湘北メンバーのイメージと全然合ってない。

リョータの声も、全然違う。

楓ちゃんの声が超おじさんでびっくり、最悪。

ミッチーとゴリちゃんの声は、この作品のメインメンバーの中ではどうにかギリ大丈夫だった。
古いアニメーションも高校生さを感じなかったけど、この作品は酷い。

河田の声も、なんか全然合ってない。
サルみたいな声だったな。

✮不良時期のミッチー周りが、北斗の拳のザコとカブった。と、思ったら、[俺の名前を言ってみろ]って…。
確信犯だと思った。面白いからいい。

試合中のミッチー覚醒が、すげぇ軽い。原作だと何度読んでもシビれる場面なのに、さらっと終わる。

原作からの情報が無いと、最初のアリウープもただのひと場面にしかならない。
楓ちゃんのパスも、アキラちゃんとの1on1あってこそ。アキラちゃんのお陰なのに。

✮最終盤の無音は、結果は分かってても最高の場面だった。どうせなら全編SEだけで、無声でも良かったんじゃないか?それは全く面白くないか。

せっかくの映画作品だけど、結局は原作越えしなかった。
古いアニメーションは、あまり面白くないけどキャラクターの声は申し分ないと思う。
新しいこの作品は映像はいいけど、キャラクターの声とか追加物語の長ったらしさは自分の中で致命的。

原作をずっと読んでたから、この作品は補足にしかならない。
原作には全く敵わない。

✮けど、原作、古いアニメーション、そしてこれ。3つ全部をうまく連動して観ると、最高の一つになる。

✮沢北の最後の涙は、劇中一番の重みがあって良かった。

✮原作を考えると、リョータが海外に行くのは有り得ない。マンガの読み手側に、そんなリョータの将来は視野に無い。
けど、今作の追加物語の過去に触れて思ったのは、バスケットを遊びとは考えてないリョータの真剣さが伝わって、とても納得できた。
楓ちゃんだけじゃなく、リョータにもそれだけバスケットへの情熱を持ってたのが嬉しい。
原作だと湘北の次のキャプテンだから、リョータの思いと、原作には無いこの飛躍は、挑戦を忘れない夢のあるヴィジョンなんだと感動する。

✮ラストの沢北との対峙は超カッコイイ。

✮リョータ主人公、全然アリ。

✮アニメーションといえばずっと当たり前だったオーバーなリアクション描写や、古いスラムダンクでもあった軽いギャグ場面も一切使わず、完全シリアスな描写は最高だった。

悪くないんだけど、嫌いな部分が多過ぎてもう観なくていいかな。原作で生きていこう。
と、思ってはいるけど、原作には無い捨て難いものも沢山あるから、気が向けばやっぱりまた観ようかな。

記録。