YUKi

THE FIRST SLAM DUNKのYUKiのレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
4.5
絵を描かせれば漫画家の枠を超えて
水墨画家の域にまで達する、
井上雄彦氏。

今回の映画化にあたって
まさか監督も手掛けるとは
思ってもいなかったんですが、
映画創作に関してもここまでの
才能を目の当たりにさせられるとは‥。

まず、原作の主人公である
桜木花道をそうでなく設定したところ、
作品・脚本としての勝算はここから始まった
と思った。

それによる「スラムダンク」という作品では
なくなってしまうリスクを抱えつつも
That's スラムダンク‼︎
としか言いようがない、何度も
スタンディングオベーションしたくなる
構成には、苦しくなるくらい涙した。

バスケ未経験者でもわかる
カメラワークの素晴らしさは
井上氏のバスケ愛としか言いようがない。

ギャグパートも、原作の名言も
オーバーアクトなく組み込まれていて
あざとさ、しつこさもなく
本気で山王戦を描き切ってくれた。

日本のアニメーションは苦手で
正直、そろそろ戸締まりしてくれと
思う作品なんかもあるんですが、
個人的に苦手なジャパニメーションならではのテカテカした、キラキラな作画ではなく、
ザラっとグレイッシュな
カラーリングの予告を観たときから
この作品 好きになるだろうなと思っていた。

ノイズになりがちなJ-POP、J-ROCKの
挿入歌も劇中はインスト部分を切り取ってあるところもわかってくれてるなあと‥。

いまだに電子書籍化しない理由は
例のハイタッチシーン然り、
2ページ1コマの法則が
乱されてしまうからという
こだわりもさすが。
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