お笑いに取り憑かれた男、ツチヤタカユキ。そんな人物を見事に演じた岡山天音さん。ここ近年、数々のドラマや映画に引っ張りだこで着実に役者としてのキャリアを積んでる俳優さん、からのこの主演作。
一言で言って凄まじかったし、役者として完全に化けた、と強く思えるお芝居でした。側から見てめちゃくちゃ危ないやつ、実際にいたら絶対ヤバいやつ、という人物像を完全に演じ切っていたし、さらに外見だけじゃなくそんな雰囲気までもめちゃくちゃ表現されていて、良い意味でかなり引くってくらいそんな彼のお芝居が凄かった。
反対意見に聞こえるかもしれないけど、何か一つのことに抜群に秀でていても社会性や人間性、礼節などが最低限伴ってないとやっぱり周りの人は、何だこいつ？ってなるよなあ。実際に自分の職場とかに挨拶出来ない人がいたら誰だって嫌でしょ。キツいかもしれないけどその辺は自分自身が変わらないとなあって思いながら見てた。
ただ、その辺の葛藤や仕事に対する苦しみもちゃんと描かれていて終盤は見ていて辛いものがあった。
そんなツチヤをどんな時も温かく見守り手を差し伸べてくれる太賀さん演じる西寺がめちゃくちゃ温厚でグッとくる。前原滉さん演じる氏家も良かった。
そして、出番は少なかったけど菅田将暉さんの存在感はエグい。そこにいるだけで絵になると言うか。
岡山天音の独壇場、と言うのは言い過ぎかもしれないけど、とにかく彼のお芝居、演技に見入ってしまう作品でした。
