このレビューはネタバレを含みます
日本の幽霊は夏に出る。
お盆や花火というものが幼い頃から日常に溶け込んでいたがためにその意味を深く考えたことがなかった。
風物詩となっているものをモチーフとすることで見た目の華やかさと共に自分たちの心の中にある原点に立ち帰れるような気持ちになった。
懐かしいという気持ちは、快である。
嫌な思い出に懐かしさは感じない。
全体的にはつっこみどころはいくつか感じた。
(冒頭の花火のシーン、喫茶店でカットが切り替わったあとの卓上、スーツケースの掘り起こしの描写…etc)
しかし決してそれが作品の足を引っ張っているということはなく、
画面全体の綺麗さや雰囲気作りに一役買っていることもあり私は好印象であった。
苦手を克服してテストで100点の回答を取ることは良いことかもしれないが、
型にハマらず書きたい答えを書き殴ったようなテストの答案のほうが面白いことはある。
それにしても良質な土壌は必要なので、そこのバランスを損なわずに次回作も楽しみにしている。
うらめしや〜