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私ときどきレッサーパンダのKのネタバレレビュー・内容・結末

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

15/3/2024 fri シネマイクスピアリ スクリーン11 F10 10:55〜
左右黒帯ビスタ。いつもの席。吹替。

↓あまりキレのない感想。受け身で観てたからかも。



/吹き替え版も素晴らしかったけど、原語版でスクリーンでしかもIMAXで鑑賞する機会を自分から生涯奪った米ディズニーを許さない。こんなに力の入った良作を配信スルーってピクサー舐められすぎだろ!!!怒ってます。D+は信条上生涯入るつもりないです。虐殺加担終わってる企業の数ある中の一つなので。それ以外にも理由は多々あるけど。ピクサーもさっさと傘下から抜けてインディペンデントで好き勝手に作品作って欲しいくらいである。

/24年オスカー授賞式でのアジア系の透明化/マイクロアグレッションが大問題になった近頃において、アジア系家族が主人公で、主人公も友達に心から愛されている、という描写が暖かく沁みる。。でも、現実に置き換えたら多分メイがパンダ状態でキレたら"普段何も言わないくせに、アジア系はこれだから怖いんだ"ってさらにバックラッシュが起こる気がしてイヤになっちゃったよ。。ミシェルヨーに弁明さすな!!!キーホイクァンに何もなかったかのようにいつもの笑みを浮かべさすな!!!

/噂に1ミリも違わないどころか、期待を遥かに超えた名作でした〜〜。良かったわあ……そらピクサーなんだから当然とも言えるけど、やっぱり凄いのよ。最初はモンスターのような違和感があったレッサーパンダの見た目も時間を経て可愛らしく思えてくる。

/文化監修デパートメントがちゃんと着いてるの、当然だけどめちゃくちゃ良いな。移民/移民二世以降当事者ではないのでどこまで正確か正確性に基づいたパロディかは判別できないんだけど、少なくともここまで中国文化をリスペクトされて作られた大作も数ないんじゃないか?そんでこんな生理大フィーチャー映画もないんじゃないか?パンダへの変身という一見メタファーとも取れる身体の変化が、作品世界の中では現実として描かれていて全員それに巻き込まれていく仕組みだから、子供もついて行きやすかっただろうな。なんか自分の中で判断がしっかりつくようになってから観る映画って最高だな〜、でも何もわからない幼少期にこの作品観てても最高だろうな〜、と劇場に少しだけいた小学生たちを見て思う。きっとこの映画の鑑賞を人生の中で早めに経ていたら、他人に優しい人間になれているだろうとすら思える。

月経や思春期の到来による抑制できなさか〜、物語作りが上手いなあ。(自分は背が低いので成長痛とかの変化はそう覚えてないんだけど、初めの生理の時の認めたくなさはめちゃくちゃ覚えてる。)メイやお母さん、おばさま達やおばあちゃんは全員レッサーパンダを閉じ込めようとするけど、でも自分は生理と和解できたこと一度もないなあ、慣れちゃって今まで何となく共存しているだけで……て思ってたらちゃんとそういった展開だったので嬉しくなった。月経によるものだけではなく普段でも、自分の怒りっぽさが許せなくて余計怒れる、のループにはまることが今現在ですらある。ちゃんと受容できる日が来るといいなあ。でも幼少期にメイの親友たちみたいに心から寄り添ってくれる友達がいなかったことも今こんな性格である要因の一つではありそうだよなあ、とも思うんだよなあ。こんにちは他責人間です。

/ビリーとフィニアスが音楽に携わってるのは知ってたけど、スコアはルドウィグゴランソンもやってるのか!

/全編通して全くミソジニーが感じられないの最高や………。(日本のコンテンツに触れているとこのレベルで有り難がれる……。)それどころかエンドロールで娘や母親や祖母らに捧げられてすらいる。とにかくいろんなタイプの女が出てくるのが良いよ。女であるだけで感情の起伏を、キャラクターやパーソナリティを押し込められちゃならないよ、基本的なことだけど!
あと、女の子が憧れる(←今作においては、90年代の価値観と・現代やっと認識されてきた価値観とのハイブリッドもされていて、男の子のファンも十二分に含むが、この場合女の子とする)アイドルグループを嫌味なく描いているのに感動してしまった〜、コンサートの始まりで一緒に沸いちゃった!!ハイブリッドといえばファンの性別だけでなくグループメンバーそのものも、アイメイクは施しているし当たり前かのように大半が白人の子ではないしそれに何のエクスキューズもなく聴衆はただ沸くし、世界元来こうあってくれ〜〜

/タイプがそれぞれ違うメイの親友たちは、軽やかでイージーな面・一歩引いたダウナーな面・活動的で怒りっぽい面、とメイの起伏ある感情を表しているみたいだ。実質インサイド・ヘッドなんだなあ。

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https://wired.jp/article/turning-red-is-pixars-most-personal-movie-yet/
↑いいインタビュー。確かに複雑に練り込まれてる感じはしないけど、衝動的な面白さがボーンにあるのが良い。
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